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答弁本文情報

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昭和五十四年二月十三日受領
答弁第三号
(質問の 三)

  内閣衆質八七第三号
    昭和五十四年二月十三日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員栗林三郎君提出建設労働者、出稼労働者の職場の安全確保と雇用の改善に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員栗林三郎君提出建設労働者、出稼労働者の職場の安全確保と雇用の改善に関する質問に対する答弁書



一について

 昭和五十二年六月二十四日焼失した柳井建設の事業附属寄宿舎に係る建設業附属寄宿舎規程(昭和四十二年労働省令第二十七号)違反の具体的内容は次のとおりである。
(一) 出入口が一箇所しか設けられていなかつたこと(建設業附属寄宿舎規程第十条第一項)。
(二) 警報設備が設けられていなかつたこと(同規程第十一条)。
(三) 廊下の幅が一・六メートル未満であつたこと(同規程第十四条)。
 また、労働基準監督機関が、この事故以前に当該寄宿舎に対して、点検、検査、行政指導等を行つたことはないが、大阪市消防局では、昭和四十九年末に当該施設に立入り調査し、数回にわたつて改善方を警告するとともに厳重に指導したと聞いている。

二について

 この事故による死亡者及び負傷者の姓名、生年月日、本籍及び続柄は、別表一のとおりである。

三について

 被災労働者に対して給付された労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく諸給付等の内容並びに受給権者の氏名、続柄、生年月日及び住所は、別表二のとおりである。

四について

 被災労働者に係る給付基礎日額は、火災により賃金台帳の大部分が焼失し、被災労働者に係る賃金総額が不明であつたため、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十二条第八項及び昭和二十四年労働省告示第五号(労働基準法第十二条等の規定によつて算定し得ない場合の平均賃金を定める告示)第二条の規定に基づき、一部残存していた賃金台帳及び事業主の記憶によつて賃金総額を推算し、算出したものである。

五について

 山田修助について「六千二百円」とあるのが「六千円」であること、「西谷 渡」とあるのが「西吉 渡」であること、金 泰鎰について「十七日分」とあるのが「三日分」であること、小野安馬について「五千円 二十日分」のほか「残業八時間分」があること、「押岡 豊巳」とあるのが「押岡 豊己」であること及び水野(身元不明)について「不明 不明」とあるのが「五千円 二日分」であることを除けば、質問主意書に記載されたとおりであると事業主から報告を受けているところである。

六から八までについて

 被災労働者の就労した工事現場及びその元請業者、被災労働者別の稼動日数、被災者以外の労働者の就労先の元請業者及び就労延人員、各被災者にかかわる求人、供給の具体的内容、柳井建設が財団法人西成労働福祉センターより募集した労働者の供給配置の状況及び稼動延人員の実態等の詳細については、事故により関係書類が焼失したため、不明であるが、労働者、事業主等の供述から就労したと思われる工事現場及びその元請業者は、別表三のとおりである。
 なお、工事現場への往復には、当該寄宿舎から近距離にある現場については柳井建設所有のマイクロバスを使用し、遠距離にある現場については元請業者の提供した他の寄宿舎に宿泊させていたと聞いている。
 また、財団法人西成労働福祉センターが柳井建設に対して紹介した労働者数は、昭和五十二年五月については三百三人であるほかは質問主意書に記載された数のとおりである。

九について

 (一) 本件火災事故の発生にかんがみ、労働基準監督機関においては、昭和五十二年九月から十月にかけて全国の二千九百九十五の建設業附属寄宿舎についていつせい監督を実施したところであるが、このうち二千二十六の寄宿舎について労働基準法その他関係法令に違反する事実が認められたので、その是正につき厳正に措置するとともに、十七の建設業附属寄宿舎について使用停止措置を講じたところである。
 (二) 建設労働者の雇用の改善については、昭和五十一年に施行された建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)を中心に、各種の施策を展開しているところであるが、特に、雇用管理責任者の選任等については、毎月定期的に建設事業主を対象としたヒアリングを実施し、履行の徹底を促すとともに、毎年十一月を「建設雇用改善推進月間」として設定し、その月間に広報活動をはじめ種々の行事を集中的に実施し、建設労働者の雇用の改善に対する気運の醸成に努めており、逐次その成果があらわれているところである。
 また、建設労働者の能力の開発向上や福祉の増進を目的とした建設雇用改善助成金についても、その活用が進んでおり、今後とも、この助成制度の一層の充実を図ることにより、作業員宿舎の整備等建設労働者の福祉の増進に努めていく考えである。

 右答弁する。


別表一

別表一


別表二

別表二 1/5


別表二 2/5


別表二 3/5


別表二 4/5


別表二 5/5


別表三

別表三




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