答弁本文情報
昭和五十四年三月二十三日受領答弁第七号
(質問の 七)
内閣衆質八七第七号
昭和五十四年三月二十三日
内閣総理大臣 大平正芳
衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿
衆議院議員飯田忠雄君提出内閣の衆議院解散権に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員飯田忠雄君提出内閣の衆議院解散権に関する再質問に対する答弁書
一及び二について
(一) 内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を有することの法的根拠は、憲法第七条の規定である。
(二) 衆議院の解散は、それ自体としては高度の政治的性質を有する行為であり、したがつて、国政に関するものであることは疑いのないところであるが、天皇は、内閣の助言と承認により衆議院を解散することとされており、ここにいう内閣の助言と承認とは、天皇が行う衆議院の解散について内閣が実質的にこれを決定することを意味すると解されるから、憲法第七条の規定がその法的根拠であると考えられる。
(三) 天皇が行う衆議院の解散は、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が実質的に決定したとこうに従つて形式的・名目的に行うものであるから、右に述べたように解しても、憲法第四条第一項の規定と矛盾するものではない。
(四) (一)に述べたことにより、御指摘の内閣の職務の範囲の逸脱という問題は起こらないと考える。
衆議院の解散権についての政府の見解は、一及び二についてにおいて述べたとおりであり、衆議院の解散の詔書に対し、多数の議員が万歳をもつてこたえたことをもつて、衆議院の解散の議決があつたものと解することはできないと考える。
御指摘の質問第五号の質問一、三及び六については、一及び二についてにおいて述べたことによつて承知されたい。