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答弁本文情報

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昭和五十八年十一月十一日受領
答弁第一〇号
(質問の 一〇)

  内閣衆質一〇〇第一〇号
    昭和五十八年十一月十一日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員寺前巖君提出農家養鶏の経営安定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員寺前巖君提出農家養鶏の経営安定に関する質問に対する答弁書



一について

1及び2 御指摘の日本鶏業、八竜養鶏組合及び宮崎養鶏場については、関係県の鶏卵需給調整協議会が、羽数調査の結果に基づき、鶏卵生産者台帳への記載羽数(以下単に「記載羽数」という。)を超えて採卵鶏を飼養する者(以下「羽数超過者」という。)と認定し、卵価安定基金及び配合飼料価格安定基金の補てんの対象としないよう所要の措置を講じたところである。

3 ひな育成場等として建設された養鶏場で現在採卵鶏が飼養されているものについては、当初の目的どおりの使用が行われるよう所要の指導を行つているところである。

4 御指摘の日本配合飼料株式会社を含め、羽数超過者に飼料の供給等を行つている企業に対しては、鶏卵の計画生産に支障を来さないよう十分配慮して飼料の供給を行うよう所要の指導を行つているところである。

5@ 昭和五十六年に記載羽数の全体的な見直しを行つた際、増羽を行つていると認められた経営体に対しては、昭和五十三年六月の衆議院農林水産委員会決議(以下「国会決議」という。)の趣旨に即して全体としての計画生産を円滑に実施するため、関係者の合意の下に、一定の減羽を行わせつつ計画生産の枠内に取り込む措置を講じたところである。御指摘の日本鶏業に係る記載羽数の調整も、この措置の一環として行われたものである。
   昭和五十八年の調査の結果、羽数超過者と認定された経営体に対しては、記載羽数にまで減羽するよう所要の指導を行つているところである。

 A 都道府県の総飼養羽数枠の範囲内における記載羽数の調整に当たつては、合理的な家族養鶏経営を営もうとする鶏卵生産者の採卵鶏飼養規模の拡大、近代的な農業経営を担当するのにふさわしい農業後継者の育成等に留意して行つているところである。

6 二県以上にまたがる経営体については、関係県の鶏卵需給調整協議会が相互に緊密な連携の下に、飼養羽数の調査及び計画生産の推進を徹底するよう所要の指導を行うとともに、必要な場合には、地方農政局による調査等を行うこととしている。

二について

 八戸飼料コンビナートの建設は、配合飼料自給率が低い北東北地区における飼料供給の合理化を図ることを目的とするものである。
 羽数超過者に飼料の供給を行つている企業に対しては、鶏卵の計画生産に支障を来さないよう十分配慮して飼料の供給を行うよう所要の指導を行つているところである。

三について

1 鶏卵の計画生産の推進に当たつては、国会決議の趣旨に即し、合理的な家族養鶏経営を営もうとする鶏卵生産者の採卵鶏飼養規模の拡大、近代的な農業経営を担当するのにふさわしい農業後継者の育成等に留意して飼養羽数枠の調整を行う等農家養鶏の育成に努めているところであり、今後とも、このような方針に沿つて指導してまいりたい。

2 鶏卵の計画生産の実施については、現行の方式が適切かつ現実的と考えており、今後とも、指導の徹底を図ることにより、その実効の確保に努めてまいりたい。

3 今回の卵価の低迷に際しては、全国液卵公社や加工メーカーに対する積極的な買入れの指導等により鶏卵価格の安定を図るとともに、卵価安定基金による補てん金の交付、更には配合飼料価格安定基金による補てん金の交付等を通じて、養鶏経営の安定に努めてきたところである。
  なお、現在、鶏卵価格は補てん基準価格を上回つて推移している。

4 酪農、肉用牛生産等の大家畜畜産については、草食性家畜の特性にかんがみ、草地開発等の推進により飼料基盤に立脚した経営の育成を図つているところであるが、養鶏については、主として飼料穀物の安定供給の確保と配合飼料価格の安定に努めていくことが重要と考えている。

 右答弁する。




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