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答弁本文情報

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昭和五十八年十一月八日受領
答弁第一二号
(質問の 一二)

  内閣衆質一〇〇第一二号
    昭和五十八年十一月八日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員野間友一君提出アメリカのグレナダ侵攻に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員野間友一君提出アメリカのグレナダ侵攻に関する質問に対する答弁書



一及び二の2について

 今回の事件に関しては、政府としては、実力行使を含む事態の発生を見るに至つたことは遺憾であると考えている。他方、今回の米国の行動については、米国人の安全確保の問題や、関係諸国の強い要請等の事情があつたと理解している。いずれにしても、一日も早く事態が安定化し、米国を含む外国軍隊の撤兵が実現することを望むものである。

二の1並びに四の1のア、四の2及び3について

(1) 米国政府は、今回の派兵の根拠として、次のように説明している。

   ア 米国は、東カリブ海諸国機構加盟国から同機構設立条約に基づく集団的措置に援助を与えるよう要請された。

   イ この集団的措置は、グレナダにおいて、ビショップ首相殺害(十月十九日)以後政府が機能しなくなつた状況の下で、スクーン総督の要請に応じて行われたものである。

   ウ グレナダ在留の米国民保護のための活動は、国際法上の諸原則によつて正当化される。

(2) このような米国政府の説明にある事実関係を前提とする限り、米国の行動は、国際法上合法と認められると考えられるが、政府としては、前提となつている事態の詳細について承知していないので、最終的な法的判断を述べる立場にない。

(3) 「予防的防衛」とはいかなる意味で用いられているのか明らかではなく、また、我が国は東カリブ海諸国機構設立条約について有権的に解釈する立場にはない。

二の3について

(1) ソ連によるアフガニスタン侵入については、侵入が開始された当時、アフガニスタンに同国を有効に支配する正当政府が存在していたにもかかわらず、ソ連軍が同国に侵入し、同国政府を倒したことは、周知の事実である。

(2) 他方、米国の今回の行動については、米国政府は前述のとおりの説明をしており、その説明によれば、アフガニスタンの場合とグレナダの場合とでは、本質的な差が存在するので、同一には論じ得ない。

三について

 米軍のグレナダ派兵については、事後において在日米国大使館から、米軍の派兵の事実及びその理由について口頭で簡単な説明があつた。

四の1のイについて

 米国政府の説明によれば、グレナダの革命軍事評議会は、十月二十四日に空港を開き外国人の退去を許可するとしていたが、実際には実現されなかつたため、今回のような措置を執つたとされている。

四の1のウについて

 グレナダの革命軍事評議会が、十月二十四日に空港を開き外国人の退去を許可するとしていたとの米国政府の説明については、在米国大使館から情報を得た。在トリニダッド・トバゴ大使館においては、グレナダの在留外国人の安全について確たる情報は得られなかつた。なお、グレナダに在留邦人がいないとの報告は得ている。

五について

 米国が、グレナダ総督に臨時政府を樹立させる計画を有しているということについては、承知していない。

 右答弁する。




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