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答弁本文情報

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昭和五十九年五月十五日受領
答弁第一六号

  内閣衆質一〇一第一六号
    昭和五十九年五月十五日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 (注)永健司 殿

衆議院議員辻一彦君提出児童扶養手当削減に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻一彦君提出児童扶養手当削減に関する質問に対する答弁書



一について

 所得の額による手当額の二段階制の趣旨は、母子家庭の生活実態に応じた給付内容とし、併せて、低所得の母子家庭に対して高い給付を行うことにある。
 母子世帯等調査結果によれば、大半の母子家庭が高い額の手当を受給でき、生活実態に即応したものとなつている。

二について

 今回の児童扶養手当法改正の目的は、制度発足後の母子家庭の生活実態や社会経済情勢等の変化を踏まえ、従来の母子福祉年金の補完的性格を廃し、離婚等による母子家庭の生活の安定と自立の促進を目的とする福祉制度に改めることである。
 したがつて、今後、手当額についても母子福祉年金とは異なり、母子家庭の生活実態や社会経済情勢の変化等を勘案しながら、対処していく考えである。

三について

 離婚等による母子家庭については、生活の激変を緩和し、自立を援助することが重要であるという趣旨から、七年間にわたり、手当を支給することとした。また、支給期間を経過したときに児童がなお高校在学中であるときは、新たに手当と同額の貸付金(児童扶養資金)を無利子で貸与することとしている。
 児童扶養資金については、他の母子福祉資金と同様、物的担保を必要とせず、保証人を立てることにより貸付けを行うこととしている。

四について

 児童扶養手当制度は、離婚等による母子家庭に対して、生活の激変を緩和するために手当を支給するものであり、未婚の母のように離婚という事実のない母子家庭にまで手当を支給することは、適当でないと考える。

五について

 父の子に対する民法上の扶養義務は離婚後も継続しており、当該父に相当程度の収入がある場合には、まずこの扶養義務の履行を求めることが社会的に妥当であると認められるので、手当は支給しないこととした。しかしながら、父の所在が長期間明らかでない場合等、父に扶養義務の履行を求めることが困難であると認められるときは、手当を支給することとしている。
 社会保障制度審議会の答申にある民法上の扶養義務が履行される手だてについては、別途、検討していく所存である。

六について

 今回の改正の目的は、児童扶養手当制度を従来の年金制度の補完から母子家庭の生活の安定と自立の促進を図るための福祉制度に改めることであり、これに伴い、児童福祉施策における国、地方の負担割合を勘案しつつ、費用の一部について都道府県の負担を導入することとし、これに必要な財源措置を講ずることとしたものである。

七について

 今回の改正案は、行政改革の一環として、母子家庭の生活実態と社会経済情勢等の変化を踏まえて必要な見直しを行い、制度の安定的な維持を図ろうとするものであり、撤回する考えはない。

 右答弁する。




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