衆議院

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昭和五十九年六月十九日受領
答弁第一七号

  内閣衆質一〇一第一七号
    昭和五十九年六月十九日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 (注)永健司 殿

衆議院議員松浦利尚君提出公害健康被害補償法に基づく慢性砒素中毒症の認定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員松浦利尚君提出公害健康被害補償法に基づく慢性砒素中毒症の認定に関する質問に対する答弁書



一について

 昭和五十六年十月二十八日環保業第三百九十号環境庁企画調整局環境保健部保健業務課長通知(以下「新通知」という。)は、慢性砒素中毒症に関する十名の専門家が、二年間にわたり、内外の知見(公害健康被害補償不服審査会の昭和五十五年第十号裁決(以下「五十五年裁決」という。)を含む。)を医学的観点から総合的に検討した結果に基づき、従前の通知を改めたものである。
 この検討結果によれば、新通知に示された所見以外の所見については、他の疾病や加齢、栄養不良など、砒素化合物以外の多様な因子によつても発現し得るものであり、また、環境汚染との関連性は証明されていないとされたところである。

二について

(一) 慢性砒素中毒症の有無の判断については、公害健康被害補償不服審査会の五十五年裁決においては、まず皮膚所見を検討し、次いで慢性砒素中毒症に見られ得る他の症状についてもその原因を検討した上で、皮膚所見と総合して行うべきものと示されている。その後、昭和五十六年及び五十七年に行われた十五件の裁決においては、砒素に特徴的な皮膚所見又は鼻所見があればもとより、それを欠く場合には、皮膚についての砒素による疑いを既往歴を含めて検討し、次いで多発性神経炎、慢性気管支炎等の原因を検討した上で、皮膚所見と総合して行うべきであると、より具体的に示されている。
(二) ところで、新通知によれば、慢性砒素中毒症の認定は、特徴的な皮膚所見か鼻所見がある場合又は特徴的な皮膚所見の疑いか砒素によると思われる皮膚症状の既往があり、かつ、慢性砒素中毒を疑わせる多発性神経炎か、長期にわたる気管支炎症状でその原因を総合的に検討した結果慢性砒素中毒によると認められるものがある場合に行うこととされている。
(三) 以上のように、公害健康被害補償不服審査会の裁決に示された慢性砒素中毒症の認定についての考え方は、新通知に示された認定要件の考え方と基本的には異なるものとは思われず、今後、御指摘のような事態が生ずることはないと考えている。

三について

 新通知に示された慢性砒素中毒症の認定要件は、一についてにおいて述べたように、内外の知見を医学的観点から総合的に検討した結果に基づくものであり、これを改める必要はないと考えている。
 なお、環境庁としては、今後とも、慢性砒素中毒症に関する最新の医学的知見の収集に努めてまいりたい。

 右答弁する。


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