答弁本文情報
昭和五十九年八月二十一日受領答弁第三九号
内閣衆質一〇一第三九号
昭和五十九年八月二十一日
衆議院議長 ※(注)永健司 殿
衆議院議員稲葉誠一君提出F16に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員稲葉誠一君提出F16に関する質問に対する答弁書
一及び五について
昭和五十七年六月、米側より、極東における軍事バランスの改善に努め、米国のコミットメントの意思を明確にすることにより、日米安保体制の抑止力の維持・向上を図ることを目的として、三沢飛行場に昭和六十年以降おおむね四年間に、F ― 16を約四十〜五十機配備する計画を有している旨の説明及び施設面での日本政府の協力についての要請があつた。
政府は、鋭意検討を行つた結果、同計画が、日米安保条約の信頼性を高め、抑止力を強化し、我が国及び極東における平和と安全の維持に寄与するものであることから、基本的に同計画に協力することとし、昭和五十七年九月に米側に対しその旨を伝えた経緯がある。
F ― 16は、空対空能力とともに、空対地能力をも保有する多用途戦闘機である。F ― 16のうち、代表的なF ― 16Aの要目は、次のとおりであると承知している。
全備重量 約十六トン
全幅 約十メートル
全長 約十五メートル
エンジン推力 約十一トン
エンジン基数 一基
武装 二十ミリ機関砲、サイドワインダー、爆弾、ロケット、ASM
F ― 15は、制空戦闘に優れた戦闘機である。F ― 15のうち、代表的なF ― 15Cの要目は、次のとおりであると承知している。
全備重量 約三十一トン
全幅 約十三メートル
全長 約十九メートル
エンジン推力(一基当たり) 約十一トン
エンジン基数 二基
武装 二十ミリ機関砲、サイドワインダー、スパロー、爆弾、ロケット
なお、在日米軍は、日米安保体制の抑止力の確保等の観点から、沖繩嘉手納飛行場にF ― 15を七十二機配備していると承知している。
米国による韓国へのF ― 16の配備は米韓両国間の問題であり、政府として配備の理由等詳細について承知する立場にはないが、米国は、韓国にF ― 16を四十八機配備していると承知している。
三沢飛行場へのF ― 16の配備に伴う施設整備については、あらかじめ日米間でその分担が決まつているものではない。我が国の行う施設整備については、日米地位協定の範囲内でその緊要度等諸般の事情を総合的に勘案し、政府が毎年度自主的に決定するものである。
米国議会は、三沢飛行場へのF ― 16の配備計画については、極東における軍事バランスの改善に努め、日米安保体制の抑止力の維持・向上を図る上で重要であるとの認識を有していると承知しており、現在、千九百八十五会計年度軍事建設予算の審議において三沢飛行場へのF ― 16の配備計画関連予算についても検討が行われていると承知している。