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答弁本文情報

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昭和六十年四月十二日受領
答弁第二二号

  内閣衆質一〇二第二二号
    昭和六十年四月十二日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 坂田道太 殿

衆議院議員滝沢幸助君提出国語問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員滝沢幸助君提出国語問題に関する質問に対する答弁書



一について

 政府は、国語審議会の答申を尊重して、一般の社会生活における国語表記のきまりを「目安」、「よりどころ」などとして定め、これらを一般社会に周知することが国語施策上適切であるとしてきたものである。

二について

 文部省が昭和五十六年度に小学校第五学年及び第六学年の児童を対象にして実施した国語の達成度調査において、全体として約七十パーセントの達成度を示していることなどからみて、一概に国語力が低下しているとは言えない。

三について

 「当用漢字表」や「現代かなづかい」は、国民一般の文化水準の向上と社会生活の能率の増進を図るために実施されたものであり、また、「常用漢字表」は、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものであつて、過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。古典の学習については、学校教育において指導がなされているところである。

四及び六について

 「常用漢字表」は、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送等一般の社会生活で用いる場合の効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安を示したものである。したがつて、事物を書き表す漢字をすべて取り上げることはしていない。

五について

 「現代かなづかい」は、大体、現代語音に基づいて、現代語を書き表すものであることから、歴史的仮名遣いとは原則を異にしており、また、その書き方を異にするところがある。したがつて、歴史的仮名遣いの視点から見れば、御指摘のようなこともあるが、「現代かなづかい」は、現代語を書き表すための仮名遣いとして、既に四十年近く一般社会においておおむね安定して用いられているものである。

七及び八について

 御指摘の措置は、「当用漢字表」に基づいて言葉の使用を円滑にするために採られたものであつて、一般社会におおむね定着している。
 なお、「常用漢字表」で新たな漢字が採用された結果、例えば、御指摘の例のうち「龍頭だ尾」及び「駐とん」については、「竜頭蛇尾」及び「駐屯」とされることとなつた。

九について

 「常用漢字表」において採り上げられている字体は、一般社会において広く行われ定着しているものである。また、「常用漢字表」は、芸術等の分野にまで及ぼそうとするものではない。

十について

 「現代かなづかい」は、主として現代文のうち口語体のものに適用するものであつて、古典や文語文における歴史的仮名遣いを否定するものではない。

十一について

 「改定現代仮名遣い(案)」については、国語審議会が仮名遣い委員会試案として、現在、各方面の意見を求めているところであると承知している。


 右答弁する。




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