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答弁本文情報

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昭和六十三年二月十九日受領
答弁第六号

  内閣衆質一一二第六号
    昭和六十三年二月十九日
内閣総理大臣 竹下 登

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員安藤巖君外一名提出桜島火山対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員安藤巖君外一名提出桜島火山対策に関する質問に対する答弁書



一について

@ 道路の降灰除去事業に要する費用については、現在、活動火山対策特別措置法(昭和四十八年法律第六十一号)に基づき、市町村道について、市町村の財政力等を勘案して、国庫補助の対象としているところであり、県管理の道路の降灰除去事業に要する費用については、国庫補助の対象とすることは困難である。
  なお、災害復旧事業として行う降灰の除去については、国がその費用の一部を負担するとともに、災害の応急復旧を行う者に対しては、国の保有する機械を無償で貸与できることとされている。

A 公立学校のグラウンドの降灰除去に要する経費については、現在、活動火山対策特別措置法による国庫補助の対象となつていないが、公立学校施設災害復旧費国庫負担法(昭和二十八年法律第二百四十七号)による災害復旧の国庫負担の対象となつている。
  降灰除去を災害復旧事業として採択する場合の基準については、これまでもその緩和を行つてきたところであり、今後とも、当該基準に該当する場合には、国庫負担の対象としてまいりたい。
  また、グラウンドの降灰除去のための機械の開発については、関係地方公共団体において検討が行われていると聞いている。

B 降灰防除対策としての学校の空気調和設備の整備費については活動火山対策特別措置法に基づき国庫補助を行つているが、電気料等の維持費について国庫補助を行うことは、学校施設に係る他の補助制度との均衡から困難である。
  保育所等社会福祉施設の運営に必要な諸経費については、いわゆる措置費(運営費)に積算しているところであり、弾力的運用により対応している。

二について

 雑損控除は、災害等により著しい資産損失が生じた場合や、災害等に伴う支出が通常の支出額を著しく上回るような高額なものとなつた場合に、それによる担税力の減殺をしんしやくする観点から設けられているものである。
 雑損控除については、このような観点から、長い間、災害損失や災害関連支出が年所得の十パーセントを超える場合にその超える部分を控除することとされてきたが、昭和五十六年度の税制改正において、災害関連支出について特別に配慮して、いわゆる足切限度額が年所得の十パーセントと五万円とのいずれか低い金額まで引き下げられた経緯がある。
 この足切限度額についてこれ以上の引下げを行うことは、雑損控除制度の以上のような趣旨等にかんがみ、困難である。
 また、御指摘の「手押式の降灰除去機」の購入費用については、災害等に関連して支出した金額であつても、その支出の結果として資産が取得されている場合には、その限りにおいて、担税力が減殺しているとはいえないので、本制度の趣旨からみても、雑損控除の対象とすることは困難である。

三について

 火山性ガス及び火山灰が人体に及ぼす影響については、従来から国において調査研究を実施しているところであり、引き続き関係機関との連携を図りながらその実施に努めてまいりたい。

四について

 活動火山対策特別措置法第八条第一項の防災営農施設整備計画に基づくビニールハウスの整備については、未実施地域が多い現状等にかんがみ、原則として、過去に補助対象となつたことのない生産組合等に対して補助を行うべきであると考える。
 また、生産組合等への新規加入者の問題については、新たに生産組合等を設立して事業に参加することが望ましいと考える。

五について

 桜島火山に係る避難施設緊急整備計画に基づく道路、港湾等の整備事業については、既に完了している。
 また、治山治水事業については、活動火山対策特別措置法に基づき、その推進に努めているところであり、このうち国が自ら行い、又は国が助成する事業については、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律(昭和三十六年法律第百十二号)により、地方公共団体の財政負担の軽減を図つているところである。

六について

 気象庁においては、桜島を特に精密に観測すべき火山の一つとして位置付けており、遠望観測及び現地観測に加え、地震計等必要な観測機器を重点的に整備し、常時、震動観測、傾斜観測及び地磁気観測を行うなど観測体制の充実を図つている。また、必要に応じ、関係機関の協力を得て航空機による観測を実施している。
 これらの観測により、迅速かつ的確に火山活動の状況を把握し、火山活動に異常があつた場合には、直ちに、火山活動に関する情報を発表し、火山災害の防止に努めているところである。
 大学においては、京都大学防災研究所桜島火山観測所を中心に火山活動と地震活動の関連性等について観測研究を行つている。特に、昭和五十九年度には総合観測坑道を設置し、精密な地殻変動連続観測を実施するなど観測研究体制の充実を図つたところである。
 今後とも、気象庁、大学等の関係機関の緊密な連携の下に、観測研究体制の充実に努めてまいりたい。





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