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答弁本文情報

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平成二年六月十九日受領
答弁第八号

  内閣衆質一一八第八号
    平成二年六月十九日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員筒井信隆君提出労働行政に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員筒井信隆君提出労働行政に関する質問に対する答弁書



一について

 総務庁が昭和六十一年に実施した事業所統計調査(以下「事業所調査」という。)による事業場の業種別・規模別の状況に基づき算定すると、御質問の猶予措置の対象となる製造業の事業場数は、約六十六万四千事業場、製造業において労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の適用を受ける事業場数に対する割合は、九十七・五パーセントとなっており、また、この猶予措置の対象となる製造業の労働者数は、約七百四万八千人、製造業において同法の適用を受ける労働者数に対する割合は、五十五・七パーセントとなっている。

二について

 事業所調査による事業場の業種別・規模別の状況に基づき算定すると、御質問の猶予措置の対象となる製造業の事業場数は、約六十七万七千事業場、製造業において労働基準法の適用を受ける事業場数に対する割合は、九十九・四パーセントとなっており、また、この猶予措置の対象となる製造業の労働者数は、約九百二十一万人、製造業において同法の適用を受ける労働者数に対する割合は、七十二・八パーセントとなっている。

三について

 我が国の労働時間等の実態には、業種及び企業規模によって大きな格差がある。このような状況においては、遅れている部分について一定の期間に限り猶予措置を設けることにより、全体としての労働時間の短縮を速やかに、また、円滑に行うことが可能になると考える。

四について

 政府としては、平成三年四月実施を目途に、労働基準法第三十二条第一項の労働時間等に係る暫定措置に関する政令(昭和六十二年政令第三百九十七号)の改正を予定しており、その際、猶予措置についても、各業種・各規模の事業場の労働時間の実態を踏まえ、中央労働基準審議会の意見を聴いた上で決めることとしている。

五について

 年次有給休暇の完全取得の促進、連続休暇の普及・拡大を図るためのガイドラインについては、労働省労働基準局長が参集を求めて開催している「ゆとり創造社会の実現に向けての専門家会議」において意見交換した、年次有給休暇の完全取得のための意識改革とシステムづくり・休暇日数の大幅な増加等の具体的方策を、先般整理したところである。現在、この内容を踏まえ、中央労働基準審議会の意見を聴いた上で「連続休暇取得促進要綱」(仮称)を策定するよう準備を進めている。

六について

 御指摘の時短診断サービス事業は、労務管理に関する専門家である社会保険労務士等を中小企業に派遣し、当該事業場の実情に即した労働時間の短縮の方策について助言及び指導を行わせるもので、平成元年度から実施している。

七について

 派遣労働者が派遣先の事業主に労働者として雇用されることについては、当事者間の合意により決められるべきものであるため、殊更にそのような指導を行うことは適当でないと考えている。

八について

 一般労働者派遣事業の派遣料金は業務の種類により日額約七千六百円から約二万八千円までとなっており、派遣労働者の賃金は派遣料金のおおむね七割から八割程度となっている。
 派遣料金は労働者派遣というサービスに対する対価であり、一方、派遣労働者の賃金は派遣元の事業主と派遣労働者との間で決定されるものであって、直接の因果関係はなく、いずれも独自の立場から市場原理に基づいて決定されるべきものであると考える。
 なお、有料職業紹介事業については、求人者から徴収する紹介手数料の最高額は賃金の十・一パーセント、求人者及び求職者から徴収する受付手数料の最高額は一件につき五百四十円、と法定されているところである。

九について

 御指摘の中小企業退職金共済制度に係る既加入者に対する従前の給付の保障については、第百十八回国会に政府が提出し成立した中小企業退職金共済法の一部を改正する法律附則第四条の規定により、措置しているところである。
 また、新制度の退職金水準が現行水準とそん色ないものとなるよう資産の効率運用に努めることとしており、現在の金利水準が継続する場合には、現行水準とそん色ないものとなることは十分可能であると考える。

十について

 中小企業退職金共済制度は、公的な制度であることからその資産の一定割合を資金運用部に預託するとともに、運用する資産が中小企業者から出された掛金及びその運用利息からなるものであるという観点から、中小企業者の事業資金又はその従業員の福祉を増進するための資金に融通されるように配慮し、資産の一定割合を利付商工債により運用しているところである。
 これらの金利はここ数年低水準で推移していたため、その影響を受けざるを得なかったが、最近金利は上昇しているところであり、また、資産の効率運用に努めることとしていることから、今後運用利回りは改善されるものと考える。

十一について

 退職金共済契約の当事者である事業主が中小企業者でない事業主となった場合には、原則として、中小企業退職金共済事業団は当該契約を解除し、被共済者に対して解約手当金が支給されることとなっている。
 この中小企業者でない事業主となった場合の取扱いについては、その問題点等について今後更に検討してまいりたい。

十二について

 御指摘の研究は、広く業務及び業務外の生活上の諸要因によってもたらされると考えられる作業関連疾患について、その発症の仕組み及び予防対策を研究するものであり、その研究の性格上、医学の専門家により行うこととしている。

十三について

 脳血管疾患及び虚血性心疾患等による突然死に係る業務災害の認定については、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(昭和六十二年十月二十六日付け労働省労働基準局長通達)により判断することとしている。





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