平成二年十一月二十日受領
答弁第八号
内閣衆質一一九第八号
平成二年十一月二十日
内閣総理大臣 海部俊樹
衆議院議長 櫻内義雄 殿
衆議院議員小森※(注)邦君提出即位の礼、大嘗祭に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員小森※(注)邦君提出即位の礼、大嘗祭に関する質問に対する答弁書
一について
高御座は、歴史上、伝統的皇位継承儀式の中核であるいわゆる即位礼において用いられるのが常とされ、皇位と蜜接に結びついた、古式ゆかしい調度品として伝承されてきたという、文化的・伝統的な面を有しており、今回の即位礼正殿の儀に際し、高御座のこのような面に着目してこれを用いたものであるから、高御座の使用は、憲法上の天皇の地位をゆがめるものではないと考える。
大嘗祭は、天皇陛下が、御即位の後、初めて、大嘗宮において、新穀を皇祖及び天神地祇にお供えになって、みずからもお召し上がりになり、皇祖及び天神地祇に対し、安寧と五穀豊穰などを感謝されるとともに、国家・国民のために安寧と五穀豊穰などを祈念される儀式であると認識している。なお、御指摘のような記述のあることは承知しているが、それは当時の特殊事情によるものと考える。
御指摘のいわゆる寝座は、皇祖がお休みになられるために見立てられた神座であると承知している。
御指摘の采女は、天皇陛下が神饌を御親供になる際にお手伝いをすると承知している。
大嘗祭の中核である大嘗宮の儀は、深夜、厳粛かつ静寂な中で、悠紀殿及び主基殿において、天皇陛下が皇祖及び天神地祇に安寧と五穀豊穰などを感謝し、祈念される儀式であり、儀式の性格上、その公開にはおのずから制約があるものと承知している。