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答弁本文情報

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平成三年四月二十三日受領
答弁第九号

  内閣衆質一二〇第九号
    平成三年四月二十三日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員大野由利子君提出喫煙防止対策促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大野由利子君提出喫煙防止対策促進に関する質問に対する答弁書



一について

 一般的に喫煙は健康に様々な影響を及ぼすものであると認識している。このため、政府としては、国民の疾病予防の観点から、従来から保健所等における健康教育の展開やパンフレットの作成などを通じて喫煙による健康への影響に関する正しい知識の普及を始めとする喫煙対策を進めてきたところであるが、WHO総会の決議により定められた毎年五月三十一日の世界禁煙デーを、日本国民が喫煙と健康問題について理解を深めるための日とし、幅広く啓発普及活動を行っている。
 今後とも、政府としてWHOの勧告や提唱の趣旨を踏まえ、適切に喫煙対策を進めてまいりたい。

二について

 平成元年五月三十日に大蔵大臣に提出されたたばこ事業等審議会の答申(「喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について」。八についてにおいて同じ。)では、たばこの広告の在り方について、他の商品との関係、国民の広告に対する受け止め方、営業の自由等との関係を勘案し、当面は、自主規制が強化されることが望まれるとしている。
 これを受けて、業界団体である社団法人日本たばこ協会では、たばこのテレビ広告について、平成二年四月から、広告時間帯を毎年度段階的に繰り下げる等自主規制規準を強化する措置を講じてきており、現時点において、立法措置による広告の禁止を行う考えはない。

三について

 スポーツの大会や文化行事に際して、たばこ会社から資金の援助等を受けることについては、当該大会等の趣旨などを踏まえ、主催者が判断すべき事柄であると考える。

四について

 未成年者喫煙禁止法(明治三十三年法律第三十三号)第四条の「販売」には、自動販売機による販売も含まれ、未成年者に対し、その自用に供することを知って自動販売機によりたばこを販売する行為は、同条の罪に当たる。
 ただし、自動販売機による販売の場合には、販売者においてたばこを購入する者が当該たばこを自用に供する未成年者であるか否かを知ることが困難な場合が多いことと考えられる。
 また、管理の十分行き届かない自動販売機については店舗に併設させるとともに、地域の状況を踏まえた深夜稼働の自粛が図られるよう、小売販売業者に対し、小売販売組合等を通じて要請してきており、今後とも、その周知徹底に努めてまいりたい。

五について

 直接喫煙しない人であっても、他人の吸うたばこの煙によって健康に影響を受ける可能性が あることが種々示されていることから、政府としては、非喫煙者の健康を守るため、病院等の医療機関における喫煙コーナーの設置等分煙対策を進めているところである。また、平成三年の世界禁煙デーのテーマは「公共の場所や交通機関は禁煙に」であり、政府として、啓発普及を行っていくこととしている。
 今後とも、政府として分煙対策の推進に努めてまいりたい。

六について

 小学校、中学校及び高等学校においては、従来から教科「保健体育」及び特別活動において喫煙防止に関する指導を行うよう指導してきたが、その充実を図るため、昭和六十年度から昭和六十二年度にかけて、財団法人日本学校保健会に依頼し、専門家の協力を得て喫煙防止に関する教師用指導資料を作成してきたところである。
 また、平成元年三月に改訂した中学校及び高等学校学習指導要領においては、生活行動と健康のかかわりを重視する観点から、喫煙と健康に関する内容を充実し、喫煙防止に関する指導の一層の推進を図っているところである。

七について

 教員に対して喫煙防止に関する指導について理解を深めさせることは重要なことと考えているが、その具体的な取組については、教員養成を行う大学及び教員の研修を行う都道府県教育委員会等が、それぞれの判断により適切に対応すべきものと考えている。

八について

 たばこの添加物については、その内容は、各メーカーの企業秘密に属することから、一般に、外国においても公表及び表示はなされておらず、我が国においてもこれを義務付ける必要はないと考えている。
 現行のたばこの包装に表示されている注意文言は、喫煙の健康に及ぼす影響についての医学的知見が蓄積され、喫煙について一層注意を喚起する必要があるとのたばこ事業等審議会の答申に基づいて、たばこ事業法施行規則(昭和六十年大蔵省令第五号)で定めたものであり、適切な表示であると考えている。
 紙巻たばこに含まれる成分については、喫煙者に対し喫煙と健康との関係に関して注意を促すための客観的な情報を提供する必要があるとの前記答申に基づいて、たばこ事業法施行規則によりタール・ニコチン量の表示を義務付けたところであり、成分自体に上限を設けることは考えていない。

九について

 輸入製造たばこについては外国たばこメーカーにおいて、輸入された葉たばこについては日本たばこ産業株式会社において、品質等の厳重なチェックが行われているものと承知している。
 なお、一般に、外国においても、政府により輸入製造たばこの品質等のチェックは行われていないものと承知している。

十について

 一般的に、税に基づく財源については、特定の使途、目的に拘束すべきものではなく、政策の優先順位に従って歳出に計上していくべきものであり、喫煙防止対策という特定の政策の財源としてたばこ税を充てることは適当ではない。





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