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平成三年五月二十四日受領
答弁第一六号

  内閣衆質一二〇第一六号
    平成三年五月二十四日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員小森(注)邦君提出激動する世界の情勢に即応した国際貢献のあり方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小森(注)邦君提出激動する世界の情勢に即応した国際貢献のあり方に関する質問に対する答弁書



一について

 イラクによるクウェイトの不法な侵攻及び併合に対し、国際社会が累次の国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)の決議に従い連帯し、協力して対応した結果、国際の平和と安全の回復への道が開かれたことは高く評価すべきものであり、このような国際的努力に対し我が国として貢献を行ってきたことは、憲法の掲げる平和主義、国際協調主義の理念に合致するものと考えている。

二について

 我が国による一兆千七百億円(一ドル百三十円換算で九十億ドル相当)の追加資金拠出は、湾岸地域における平和と安定の回復のため安保理の関連諸決議に従って活動している各国を支援する目的で、我が国が国際社会の責任ある一員として協力するため行われたものであり、憲法の掲げる平和主義、国際協調主義の理念に合致するものと考えている。

三について

 湾岸地域における武力の行使に際して、全日本海員組合と外航労務協会・外航中小船主労務協会との合意を踏まえて、ペルシャ湾における我が国関係船舶の航行自主規制が行われたものと承知している。
 平成三年三月一日をもって、これらの航行自主規制はすべて解除されたところではあるが、現在のところ、我が国関係船舶の航行先は、サウディ・アラビアのジュベイル及びラスタヌラ並びにイランのカーグ島までとなっている。

四について

 (1) クルド避難民対策について、政府は、人道的観点に立って、関係国際機関からの支援要請に応じ、平成三年四月三十日までにこれら避難民の救援のための活動を実施するための資金として総額一億ドルを拠出し、また、イラン及びトルコ両国政府の要請に応じ、同年五月二十日現在合計四十九名の国際緊急援助隊医療チームを派遣したほか、両国に対する緊急援助物資の供与等種々の協力を行ってきている。
 (2) イスラエルの占領地の取扱いを含む中東和平問題について、政府は、安保理決議二四二及び三三八を基礎とする公正、永続的かつ包括的な解決を目指し、関係当事者との政治対話等を通じ努力を行っている。
 (3) カンボディア和平について、政府は、平成二年六月には「カンボディアに関する東京会議」を開催したほか、本年に入ってからも包括和平の早期達成に向けての国際的努力に積極的に関与し、「カンボディアに関するパリ国際会議」(平成元年開催)の共同議長の努力を側面支援し、安保理五箇国による和平案を補強する非公式な考え方をカンボディア人当事者に提示する等、粘り強く働きかけを行ってきている。政府としては、アジアの一員として今後ともカンボディアの早期和平達成に向けて引き続き建設的役割を果たしていく所存である。
 (4) 平成三年四月二十九日から同月三十日にかけてバングラデシュの東南部を中心に襲ったサイクロン災害について、政府は同年五月二日、二百万ドルの緊急援助及び六千八百五十万円相当の緊急物資の供与を決定し、その後被災状況がより明らかになったことを受けて、同月十日、七百五十万ドルの追加の緊急援助を決定するとともに、十五億円の食糧援助を早急に供与すべく検討中である旨表明したところである。さらに、同月十五日よりヘリコプター二機及び要員五十名程度で構成される国際緊急援助隊を派遣している。

五について

 先般の第百十九回国会における国際連合平和協力法案の審議以来の国会における審議や各界各層における議論を通じ、我が国が平和のために資金・物資面のみならず、人的側面においても貢献すべきであるという点については、国民の間に共通の理解が確認されたと認識している。
 政府としては、国連の平和維持活動(PKO)に対する協力を推進すべく、国会での御論議等を踏まえ、我が国として十分な国際貢献を行い得るよう、今後も鋭意検討を進め、できる限り早く成案を得たいと考えている。





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