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平成三年十月二十二日受領
答弁第一一号

  内閣衆質一二一第一一号
    平成三年十月二十二日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員吉田正雄君提出植物新品種の保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員吉田正雄君提出植物新品種の保護に関する質問に対する答弁書



一の1について

 種苗法(昭和二十二年法律第百十五号)の品種登録制度は、我が国が昭和五十七年に加盟した千九百七十二年十一月十日及び千九百七十八年十月二十三日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約(昭和五十七年条約第十一号。以下「UPOV条約」という。)を国内で実施するため、UPOV条約で規定されている育成者の権利の内容を具体化するものとして設けられているものであり、このため、種苗法においては、品種登録による育成者の権利が侵害された場合の法的措置として差止請求権及び損害賠償請求権を認めるほか、刑事罰についても規定がなされている。
 したがって、品種登録により与えられる育成者の法的地位はいわゆる反射的利益というもの
ではない。

一の2について

 バイオテクノロジー成果物保護研究会は、近年進展の著しいバイオテクノロジーの成果物を的確に保護することが今後の農林水産業等の発展にとって極めて重要であることにかんがみ、農林水産省農蚕園芸局長がこのことに関する学識経験者の意見を聴くための会として設けられたものであり、農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)により定められた任務及び所掌事務に基づくものである。

二について

 種苗法第十二条の五第二項第五号の規定は、登録品種の育成をする方法についての特許権を有する者又はその特許につき専用実施権若しくは通常実施権を有する者と当該品種の品種登録者との調整を図るために設けられているものであって、物についての特許権者と品種登録者との関係を調整する規定は現在設けられていない。

三について

 植物新品種について特許が与えられることは事実上まずないことを背景としてなされた昭和五十七年四月九日の衆議院外務委員会及び昭和五十九年三月二日の衆議院予算委員会における答弁については、現時点においても変更はない。

四について

 御指摘のよもぎ案件は、UPOV条約が我が国について効力を生ずる以前の特許出願であり、よもぎ案件への特許の付与は条約上の問題を生じない。

五について

 近年のバイオテクノロジーの進展の状況を考慮して、特許庁では、現在、植物に関する発明を対象とする審査基準の改定作業を行っているところである。
 新しい植物の育種手段として、交配以外に遺伝子組換えによるものが活性化した今日においても、従来からの交配による育種技術自体には状況の変化はないことから、植物新品種に関する審査基準において示した交配による育種の領域に関する創作性、明細書の基本的な記載要件及び参考資料としての植物新品種に関する明細書の例示については変更はない。

六について

 一般に、「知的財産権」と「知的所有権」は、いずれもintellectual property又はintellectual property rightの訳語として用いられており、その内容について相違はないものと考えられる。
 知的財産政策企画官は、通商産業省組織規程(昭和二十七年通商産業省令第七十三号)第二条の九第二項の規定に基づき、「通商産業省の所掌に係る知的財産の保護に関する総合的な政策の企画立案に参画する」ものであり、具体的には、営業秘密の保護等の工業所有権以外の知的財産の法的保護問題等を担当している。また、知的財産の保護全般の総合的な検討に当たっては、二重行政の弊を生じることのないよう、特許庁とも十分調整しつつ、実施しているところである。



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