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答弁本文情報

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平成四年一月二十八日受領
答弁第八号

  内閣衆質一二二第八号
    平成四年一月二十八日
内閣総理大臣 宮澤喜一

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員吉田正雄君提出植物新品種の保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員吉田正雄君提出植物新品種の保護に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 先の内閣衆質一二一第一一号(平成三年十月二十二日付け)の答弁書(以下「前回答弁書」という。)の一の1についてにおいて述べたとおり、種苗法(昭和二十二年法律第百十五号)においては、品種登録による育成者の権利が侵害された場合の法的措置として差止請求権及び損害賠償請求権を認めるほか、刑事罰についても規定がなされており、品種登録により与えられる育成者の法的地位はいわゆる反射的利益というものではない。この育成者の法的地位は、登録品種の種苗の有償譲渡等についての独占的地位ということができ、権利といえるものと考えられる。

三について

 前回答弁書の二についてにおいて述べたとおり、種苗法第十二条の五第二項第五号の規定は、登録品種の育成をする方法についての特許権を有する者又はその特許につき専用実施権若しくは通常実施権を有する者と当該品種の品種登録者との調整を図るために設けられているものであって、物についての特許権者と品種登録者との関係を調整する規定は現在設けられていない。

四について

 審査官は、個別の出願について、法令に従って審査を行っている。

五の1について

 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第四十九条第二号は、出願時点で同号に該当する条約がある場合に適用される。

五の2について

 前回答弁書の四についてにおいて述べたとおり、御指摘のよもぎ案件は、千九百七十二年十一月十日及び千九百七十八年十月二十三日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約(昭和五十七年条約第十一号。以下「UPOV条約」という。)が我が国について効力を生ずる以前の特許出願であり、よもぎ案件への特許の付与は条約上の問題を生じない。

五の3について

 前回答弁書の三についてにおいて述べたとおり、植物新品種について特許が与えられることは事実上まずないことを背景としてなされた昭和五十七年四月九日の衆議院外務委員会及び昭和五十九年三月二日の衆議院予算委員会における答弁については、現時点においても変更はない。

六について

 UPOV条約を国内で実施するための種苗法において、種苗とほ、細胞及びカルスを含め、植物体の全部又は一部で繁殖の用に供されるものをいう。ここで繁殖とは、通常、植物体の個体数の増加をいうが、芽、茎、根等植物体の一部であってもこれらの数を増加させることが植物体の個体数の増加と解される場合があるので、必ずしも植物体の全部をつくることを要件としているものではない。
 したがって、細胞及びカルスが植物体の全部を再生する目的に使用されないものであっても、品種登録制度における育成者の権利の効力の範囲に含まれる場合がある。





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