答弁本文情報
平成六年六月二十八日受領答弁第七号
内閣衆質一二九第七号
平成六年六月二十八日
衆議院議長 土井たか子 殿
衆議院議員今村修君提出電力会社の使用済核燃料の再処理委託に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員今村修君提出電力会社の使用済核燃料の再処理委託に関する質問に対する答弁書
一の1から3までについて
フランス核燃料会社(以下「COGEMA」という。)に使用済燃料の再処理を委託した我が国の電気事業者(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条に規定するものをいう。以下同じ。)は、COGEMAが我が国に返還しようとするガラス固化体(使用済燃料を溶解した液体から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体をガラスにより容器に固型化した物をいう。以下同じ。)の仕様に関して当該電気事業者が行った検討の結果について、再処理契約に基づき、通商産業省に対して検討を依頼したものであって、法令の規定に基づいて検討を依頼したものではないと承知している。
通商産業省は、当該電気事業者がCOGEMAから使用済燃料の再処理役務の提供を円滑に受けるために必要であるとの観点から当該検討依頼を受け取った。しかしながら、当該依頼に対する回答については、ガラス固化体の管理等に係る安全確保に係る知見を有する科学技術庁が行えば十分であると判断し、通商産業省は御質問にあるような承認は行っていない。
電気事業者と英国核燃料会社(以下「BNFL」という。)とのガス炉燃料に係る再処理委託契約量は約千五百十トンであり、電気事業者とBNFLとの軽水炉燃料に係る再処理委託契約量は約二千六百七十トンであると承知している。
また、現時点においては、追加の契約の予定はないと承知している。
電気事業者とCOGEMAとの再処理工場UP ― 2(以下「UP ― 2」という。)に係る再処理委託契約量は約百五十トンであり、電気事業者とCOGEMAとの再処理工場UP ― 3(以下「UP ― 3」という。)に係る再処理委託契約量は約二千七百七十トンであると承知している。
また、現時点においては、追加の契約の予定はないと承知している。
電気事業者と動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)との再処理委託契約量は、約八百トンであると承知している。
また、追加の契約が予定されていると承知している。
電気事業者と動燃との再処理委託契約締結に関しては、法令、条約、協定に基づく許可は必要とされていない。
電気事業者とBNFLとのガス炉燃料に係る再処理委託契約に関し、当時の輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第二条第一項に基づき提出された最初の許可申請に係る許可申請日は昭和四十三年三月十五日であり、通商産業大臣の許可日は昭和四十三年四月二十三日である。
電気事業者とBNFLとの軽水炉燃料に係る再処理委託契約に関し、当時の輸出貿易管理令第二条第一項に基づき提出された最初の許可申請に係る許可申請日は昭和四十六年六月二十二日であり、通商産業大臣の許可日は昭和四十六年七月十六日である。
電気事業者とCOGEMAとのUP ― 2に係る再処理委託契約に関し、当時の輸出貿易管理令第二条第一項に基づき提出された最初の許可申請に係る許可申請日は昭和五十二年二月二十八日であり、通商産業大臣の許可日は昭和五十二年六月二十二日である。
電気事業者とCOGEMAとのUP ― 3に係る再処理委託契約に関し、当時の輸出貿易管理令第二条第一項に基づき提出された最初の許可申請に係る許可申請日は昭和五十二年二月二十八日であり、通商産業大臣の許可日は昭和五十二年六月二十二日である。
ガス炉燃料の再処理委託契約と軽水炉燃料の再処理委託契約とでは廃棄物返還に関して特段の違いはないと承知している。
UP ― 2に係る再処理委託契約については廃棄物を日本に返還するか否かについての選択権が日本側にあり、UP ― 3に係る再処理委託契約については廃棄物を日本に返還するか否かについての選択権がフランス側にあると承知している。
ガラス固化体残滓仕様については、外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)及び外国為替管理令(昭和五十五年政令第二百六十号)の規制対象ではないため、これら法令に基づく通商産業大臣の許可は必要とされていない。
平成六年三月三十一日現在の電気事業者の使用済核燃料再処理引当金の目的使用額の累計は約二千三百三十九億五千九百万円であり、それに対応する再処理量は約千七百二十トンであると承知している。また、目的使用額の累計のうち残滓処理に係る額はすべて英国におけるガラス固化に要する額で約一億四千五百万円であり、これに対応する残滓処理が行われた使用済燃料数量は約十トンで、ガラス固化体の本数では約一本程度と承知している。
電気事業者の使用済核燃料再処理引当金については、使用済核燃料再処理引当金に関する省令(昭和五十八年通商産業省令第二十一号)に基づき各事業年度取崩しを行っており、目的使用によらないで会計処理されたものはないと承知している。