衆議院

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平成七年一月三十一日受領
答弁第八号

  内閣衆質一三一第八号
    平成七年一月三十一日
内閣総理大臣 村山富市

         衆議院議長 土井たか子 殿

衆議院議員今村修君提出返還ガラス固化体の仕様と貯蔵管理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員今村修君提出返還ガラス固化体の仕様と貯蔵管理に関する質問に対する答弁書



一について

 フランスから返還されるガラス固化体(使用済燃料を溶解した液体から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体をガラスにより容器に固型化したものをいう。以下同じ。)の日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)の廃棄物管理施設(以下「管理施設」という。)における管理に関しては、日本原燃及び電気事業者に対して青森県知事から照会が行われており、日本原燃は管理施設において電気事業者からの委託により個々のガラス固化体を三十年間から五十年間一時貯蔵管理すること及び同施設が最終処分を目的とした施設ではなく、同社事業所において最終処分を行う考えもないことを、また電気事業者は、管理施設における管理期間は三十年間から五十年間とし、管理期間終了時点でガラス固化体を最終的な処分に向けて同施設から搬出すること及び青森県において最終処分が行われないことを確認したい旨の青森県知事の意向は重く受け止められるべきと認識しており、ガラス固化体の最終処分に当たっては、青森県の意向が十分踏まえられるよう努めることを回答している。
 科学技術庁に対しては、青森県知事から平成六年十一月十六日付け青むつ第五百一号「高レベル放射性廃棄物の最終的な処分について(照会)」(以下「照会文書」という。)をもって照会が行われており、平成六年十一月十九日付け六原第百四十八号「高レベル放射性廃棄物の最終的な処分について(回答)」(以下「回答文書」という。)において、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(平成六年六月二十四日原子力委員会決定。以下「長期計画」という。)に示された高レベル放射性廃棄物の処分に関する役割分担、手順及びスケジュール、青森県知事の照会文書に示された意向、日本原燃及び電気事業者の青森県知事からの照会に対する回答等も踏まえ、科学技術庁としての見解を明らかにした。回答文書においては、日本原燃に管理されるガラス固化体については、管理期間は三十年間から五十年間とされ、管理期間終了時点で電気事業者が最終的な処分に向け搬出することとしている旨、科学技術庁としては、管理期間の終了時点でガラス固化体が当該施設から搬出されるよう指導していく所存である旨、処分予定地の選定は地元の了承なしに行われることはなく、青森県知事が青森県において処分が行われないことを明確にするよう照会しており、科学技術庁としては、今後、処分事業の実施主体が処分予定地の選定を進める際に関係機関の協力を得つつ、青森県知事の意向が踏まえられるよう努める所存であるところ、このような状況においては、青森県が高レベル放射性廃棄物の処分地に選定されることはない旨等を回答している。科学技術庁としては、回答文書に示された見解に沿って、関係機関と協力しつつ必要な施策を推進することとしている。

二の1について

 「このような状況」とは、長期計画において西暦二千年を目安に設立を図ることとされている処分事業の実施主体(以下「実施主体」という。)による処分予定地の選定は、長期計画に示されているように、地元の了承を得て行うこととされているところ、青森県知事が青森県において処分が行われないことを明確にするよう文書にて照会しており、科学技術庁としては、今後、処分事業の実施主体が処分予定地の選定を進める際に、関係機関の協力を得つつ、青森県知事の意向が踏まえられるよう努める所存であることを指すものであり、回答文書は、かかる状況において青森県が処分地に選定されることはない旨の科学技術庁の見解を明らかにしたものである。
 回答文書は、当該状況が変化するか否かを考慮して作成されたものではない。

二の2について

 処分予定地の選定は、実施主体が地元の了承を得て行うこととされている。また、回答文書に示されたとおり、科学技術庁としては、今後、実施主体が処分予定地の選定を進める際に、関係機関の協力を得つつ、青森県知事の意向が踏まえられるよう努めることとしている。

二の3について

 科学技術庁としては、長期計画に示された処分に関する役割分担、手順及びスケジュールに沿って処分が実現されるよう、関係機関と協力して所要の施策を講じていくこととしている。

二の4について

 長期計画において、処分に係る事業を許可するに当たり必要な法制度等については、今後整備が図られることとされている。

三の1について

 管理施設におけるガラス固化体の管理期間(以下「管理期間」という。)については、日本原燃及び電気事業者間の「返還廃棄物(ガラス固化体)の輸送・受入・貯蔵管理に関する契約書」(以下「契約書」という。)の締結に際し、長期計画において、高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行うとの方針が示されていることにかんがみ、契約当事者たる日本原燃及び電気事業者が三十年間から五十年間と決定したものと承知している。

三の2、4及び5について

 日本原燃及び電気事業者は、長期計画において、高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行うとの方針が示されていることにかんがみ、管理期間を三十年間から五十年間と決定したものと承知している。
 管理期間の終了については、今後日本原燃及び電気事業者が協議して決定されるものと承知している。

三の3の@について

 フランス核燃料会社(以下「COGEMA」という。)は、我が国に返還するガラス固化体の発熱量についてガラス固化体一本当たり二キロワット未満と定めていると承知している。二キロワットの発熱量を持つガラス固化体の五十年後の発熱量は、ガラス固化体に含まれる放射性物質の量と組成により異なるが、電気事業者の試算によれば、数百ワット程度になると推定されていると承知している。

三の3のAについて

 COGEMAは、我が国に返還するガラス固化体の最小の発熱量を定あていない。

三の3のB及びCについて

 管理期間の終了については、今後日本原燃及び電気事業者が協議して決定されるものと承知している。
また、処分に当たってのガラス固化体に関する基準については、今後検討されることとなる。

三の6の@及びAについて

 科学技術庁は、その所掌事務の範囲内において、管理施設における管理期間の終了時点でガラス固化体が当該施設から搬出されるよう指導していくこととし、その旨回答文書に示している。

三の6のBについて

 管理期間については、長期計画に示された方針に沿って契約書の締結に際し、日本原燃及び電気事業者が三十年間から五十年間と決定したものと承知している。

三の6のC及びDについて

 電気事業者は、青森県知事からの照会に対し、管理期間を三十年間から五十年間とし、管理期間の終了時点でガラス固化体を最終的な処分に向けて管理施設より搬出することを回答しているとともに、管理施設にガラス固化体が受け入れられた後、五十年という期間の満了までに当該ガラス固化体を最終処分地等へ搬出するとの契約書に基づく義務を有していると承知している。また、日本原燃は、青森県知事からの照会に対し、管理施設において電気事業者からの委託により個々のガラス固化体を三十年間から五十年間一時貯蔵管理することを回答しているとともに、平成六年十二月二十六日付けで青森県及び六ヶ所村との間で締結した「六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センタi周辺地域の安全確保及び環境保全に関する協定書」に基づき、管理期間終了時点でガラス固化体を電気事業者に搬出させる義務を有していると承知している。さらに、科学技術庁は、回答文書に示されているように、管理施設における管理期間の終了時点でガラス固化体が当該施設から搬出されるよう指導していくこととしている。

三の6のEについて

 回答文書に示されたとおり、科学技術庁としては、管理期間の終了時点でガラス固化体が管理施設から搬出されるよう指導していくこととしている。

四の1の@について

 昭和六十一年七月にCOGEMAが電気事業者に提出した仕様(以下「COGEMA仕様」という。)においては、保証パラメータ(COGEMAにより保証される諸元をいう。以下同じ。)を満たすよう製造されると示されている。
 なお、その後の技術的知見によりCOGEMA仕様中の保証パラメータを満たすよう製造されるとの説明が電気事業者に対してなされていると承知している。

四の1のAについて

 COGEMA仕様には、一部を除き、どの時点における仕様かについての限定はない。

四の1のB及びCについて

 COGEMA仕様においては、ガラス固化体についての製造工程に関する管理上の数値は一部示されているが、保証パラメータとしては示されていない。

四の1のD及びEについて

 COGEMA仕様において示された標準的なガラス固化体の容器のステンレス鋼は、日本工業規格JISSUH309に相当するものであり、当該規格によれば、炭素の含有率は〇・二パーセント以下であると規定されている。

四の1のFについて

 COGEMA仕様に示された数値には、最大値及び最小値等一定の範囲により値を示したものや標準的なガラス固化体についての値を示したものがある。

四の1のG及びHについて

 COGEMA仕様においては、御指摘の五十年以上の安全性と健全性は示されていないが、電気事業者が行った当該仕様の検討において、五十年間の容器の腐食評価等が行われ、当該仕様から得られるガラス固化体を九段積みする方法その他の方法により安全に貯蔵し得る貯蔵施設の設計が可能であると判断され、科学技術庁は当該検討結果が妥当と判断したものである。
 返還されるガラス固化体については、仕様そのものについての具体的基準等により法的に規制されているのではなく、その廃棄に係る安全性は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)に基づく廃棄物管理の事業に係る規制及び工場又は事業所の外において行われる廃棄に係る規制等によって確保される。

四の1のIについて

 COGEMA仕様においては、輸送時の発熱量は二キロワット未満とされ、最小値は示されていない。

四の2の@について

 電気事業者は、残滓(輸送及び電力会社への返還に適する形態になっている廃棄物をいう。以下同じ。)に関する品質監査及び技術検査業務、数量監査業務を委託する契約をビューロ・ベリタス(以下「BV」という。)と締結していると承知している。

四の2のA及びBについて

 BVは、残滓の製造、取扱い、貯蔵及び搬出のために設定されたCOGEMAの品質管理及び品質保証措置が、COGEMAから電気事業者に提出された仕様を満たす残滓の製造及びその品質の保持のために適切なものであること並びに残滓の製造から輸送容器への収納まで当該品質管理及び品質保証措置が正しく講じられていることを確認するものと承知している。
 当該品質管理及び品質保証措置が講じられていることについて確認が行われたガラス固化体については、BVは一体ごとに証明書を発行することとしていると承知している。この確認があれば、ガラス固化体がCOGEMAから電気事業者に提出された仕様を満たして製造されていることになると我が国の電気事業者は認識していると承知している。

四の2のCについて

 BVから我が国の電気事業者に交付される証明書は、電気事業者及びBV間の委託契約に基づいて発行されるものであり、当該証明書の内容について、仏国政府としては保証をするものではないと承知している。

四の2のDについて

 日本政府が当該証明書について承認を行うような法令に基づく制度はない。

四の2のEについて

 COGEMA仕様においては、輸送時の発熱量は二キロワット未満と示されている。

四の2のF及びGについて

 返還されるガラス固化体二十八本の製造年月日、発熱量及び高レベル放射性廃棄物成分の量の第三者への開示については、COGEMA及び電気事業者間の再処理契約に基づき、COGEMAの事前許可が必要となっており、現在、電気事業者はCOGEMAと調整を行っている段階であるため、答弁を差し控えたい。

四の2のHについて

 輸送容器に返還されるガラス固化体を収納したもの(以下「本輸送物」という。)の線量当量率については、原子炉等規制法第五十九条の二第二項及び第七十四条の二第一項の規定に基づき、科学技術庁長官が、本輸送物の発送前にBM型輸送物に係る技術上の基準に適合することについて確認することとなっている。



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