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答弁本文情報

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平成十年四月三日受領
答弁第一八号

  内閣衆質一四二第一八号
    平成十年四月三日
内閣総理大臣臨時代理
 国務大臣 村岡兼造

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員寺前巖君提出伝統的建造物の檜皮葺に欠かせない檜皮不足問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員寺前巖君提出伝統的建造物の檜皮葺に欠かせない檜皮不足問題に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 国有林においては、個別に採取希望があるヒノキ林について、国有林の管理経営上支障がないと認められるときは、文化財保護にも資することから、檜皮の売却を行ってまいりたい。

一の(2)について

 皮はぎによるヤニツボ、日焼けの発生等が建築資材としてのヒノキの材質や成長に与える影響については、これまでのところ調査研究の報告がない。しかしながら、平成九年度から、国立大学等の研究者が、科学研究費の補助により、文化財修理用資材の確保に関する共同研究を実施しており、この研究の中で、皮はぎによるヒノキの材質や成長への影響について研究することとしている。

一の(3)について

 重要文化財の保存修理補助制度は、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第三十五条第一項、第九十五条第五項及び第九十五条の三第三項の規定に基づき、重要文化財の所有者等が行う保存修理に要する経費に対して補助するものであり、材料提供に協力する山元に対しては、補助制度上の趣旨から補助することはできないと考えている。
 また、檜皮提供山元に限り相続税を軽減する特例を創設せよという御指摘については、このような特例はヒノキの造林、保育及び伐採という通常の林業活動並びにヒノキ材の需給をゆがめることにつながり、適当ではないと考えている。
 文化庁では、現在、学識経験者の協力を得て実施している「文化財を支える用具・原材料の確保に関する調査」の中で、檜皮を含め文化財を支える用具・原材料の確保のための有効な方策についても検討することとしており、この調査結果を踏まえた上で、適切に対応してまいりたい。

二の(1)について

 文化庁では、文化財保護法第八十三条の七の規定に基づき、文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術又は技能で、保存の措置を講ずる必要のあるものを選定保存技術として選定するとともに、その選定保存技術の保持者又は保存団体を認定し、文化財保存技術の保存・伝承を図っているところである。
 原皮師の技術は「檜皮葺技術」を構成する要素であり、「檜皮葺技術」は選定保存技術として選定されている。
 また、後継者の養成研修についても、選定保存技術「檜皮葺技術」の保存団体である社団法人全国社寺等屋根工事技術保存会に対し助成を行っているが、同保存会とも協議しながら、更にその研修の充実に努めてまいりたい。

二のAについて

 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十六号)によれば、都道府県知事が指定する林業労働力確保支援センターは、林業への新規参入を図るため、原皮師を含む林業新規就業者への無利子の林業就業促進資金の貸付けを行うことができるとされているところである。
 また、優れた文化財を継承・発展させていくためには、原皮師など文化財を支える人々の仕事が社会へ周知されることが重要であると考えており、書籍等による原皮師の仕事の紹介、国による褒章、文化庁長官による表彰に努めているところである。





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