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答弁本文情報

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平成十年六月九日受領
答弁第三一号

  内閣衆質一四二第三一号
    平成十年六月九日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出池田町産業廃棄物処分場建設計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出池田町産業廃棄物処分場建設計画に関する質問に対する答弁書



一の(1)について

 砂防法(明治三十年法律第二十九号)第二条の規定に基づく土地の指定は、当該指定された土地(以下「砂防指定地」という。)の区域において砂防設備の設置又は一定の行為の禁止若しくは制限を行い、土石流の下流への流下及び治水上有害な土砂の生産を防止することを通じて、土石流災害の防止、河床の上昇による洪水の発生の防止等を図るために行われるものである。

一の(2)について

 砂防法第四十一条は、同法に規定する私人の義務の違反に関して命令により罰則を設けることができるとしているが、同条の「命令」には都道府県の規則も含まれるものであり、現在、同条に基づく都道府県の規則において必要な罰則の規定が設けられているところである。
 また、砂防法は、砂防設備、砂防指定地に係る行為の規制等に関する規定を置き、同法に基づいて制定される都道府県の規則等とあいまって土石流災害の防止、洪水の発生の防止等を図るために必要な法制上の対応を行っているものであり、御指摘のように「目的が明記」されていないために「法整備上の課題が未解決である」とは考えていない。

一の(3)について

 砂防法と森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)とは法律の趣旨、保護法益等を異にすることから、両者の罰則規定を罰金の多寡等によって単純に比較することはできないものと考える。
 なお、砂防法第四十一条により定めることができる罰則の法定刑の範囲については、同法の趣旨、保護法益等に照らし直ちに不十分なものとは言えないと考えている。また、同条に基づく都道府県の規則における罰則の規定については、それぞれの地域の実情に応じて適切に定められるべきものと考える。

一の(4)について

 御指摘の「砂防指定地及び地すべり防止区域内における宅地造成等の大規模開発審査基準(案)」(以下「開発審査基準」という。)は、砂防法第四条又は地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第十八条に基づく砂防指定地又は地すべり防止区域内における行為の制限に関し、宅地造成、ゴルフ場造成等の土地の形質の変更を伴う工事に係る許可を円滑かつ適正に行うための技術的な審査基準を示したものであり、現在も効力を有している。

二の(1)について

 御指摘の「産廃施設」(以下「本件施設」という。)については、その盛土材料等が特殊なものであることから、開発審査基準がそのまま適用できる事例とは考えていないが、香川県に対しては必要に応じて助言、指導等を行っている。
 なお、助言、指導等を行うに当たって、御指摘のように「産廃施設の建設」を前提としている事実はない。

二の(2)及び(3)について

 香川県砂防管理規則(昭和二十八年香川県規則第四十五号)は、香川県知事が砂防法施行規程(明治三十年勅令第三百八十二号)第三条に基づいて制定したものであり、その解釈及び適用については、基本的には香川県知事が行うべきものであると考える。

二の(4)について

 砂防法第三十条に基づき命令するべき措置の内容及び当該命令に係る義務が実際に履行されたかについては、治水上砂防の観点から個別に判断されるものであるが、御指摘の「伐採」については、香川県は、同条に基づいて治水上砂防の観点から「石積等による法止」の施工、「土質等に適合した植栽」の施工等を命令し、その後現地を確認した上で当該命令に係る義務が履行されたとの判断を行ったものと聞いている。

二の(5)について

 産業廃棄物の最終処分場を設置しようとする者は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第十五条の規定に基づき都道府県知事(保健所を設置する市にあっては市長)の許可を受けなければならないこととされており、仮に本件施設の設置について許可の申請があった場合には、香川県知事は、同条の定めるところにより本件施設が同条第二項第一号の規定に基づく技術上の基準に適合しているか及び災害防止のための計画が定められているかを審査して、許可を行うか否かの判断を行うこととなる。
 この場合、産業廃棄物の最終処分場が砂防指定地内にあるときには、砂防法に基づき治水上砂防の観点から別途必要な規制が行われることとなる。

二の(6)について

 香川県によれば御指摘の「伐採」に係る経緯は、同県小豆郡池田町池田大川に係る砂防指定地内で違法の疑いがある行為がなされているとの指摘が平成九年六月に同県議会でなされ、これを受けて同年七月九日に同県土木部砂防課が現地調査を実施した結果、指摘された砂防指定地の一部で違法行為がなされている事実が確認されたことから、当該違法行為を行った者に対し同年九月九日に砂防法第三十条に基づく命令を発したというものであり、同県は違法行為を黙認していたものではなく、また、同県が産業廃棄物の最終処分場の設置を前提とした指導を行った事実はないと承知している。
 なお、廃棄物処理法は、産業廃棄物の最終処分場の設置の許可については都道府県知事等が二の(5)についてで述べた観点から行うものとしているところであり、厚生省においては、個別の産業廃棄物の最終処分場及びその予定地について、砂防指定地が含まれているか否かは把握していない。

二の(7)について

 二の(5)についてで述べたとおり、仮に本件施設の設置について香川県知事に対して許可の申請があった場合には、香川県知事は、本件施設が埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための措置が講じられていること等の技術上の基準に適合しているか等に関して審査を行い、許可を行うか否かの判断を行うこととなる。
 なお、昨年六月の廃棄物処理法の一部改正により、産業廃棄物処理施設の設置の許可に際し、都道府県知事等は、その施設が生活環境の保全上の観点から国が定めた技術上の基準に適合しているかに加え、新たに当該施設の設置に関する計画及び当該施設の維持管理に関する計画が周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされたものであるかについても審査を行うこととされたところである。改正後の規定は本年六月十七日から施行されることから、今後は、産業廃棄物の最終処分場の設置の許可に際しても、個々の施設の周辺地域の生活環境の実情に応じたよりきめ細かな配慮を行うことが可能となるものと考えている。

二の(8)について

 厚生省においては、産業廃棄物の処理に関し廃棄物処理法第十六条に違反する廃棄物の投棄等の廃棄物処理法に違反する行為が行われた場合には、当該行為を行った者に対し廃棄物処理法第十九条の四に基づく措置命令等を行うとともに必要に応じて司法当局に告発を行うことにより厳しく対処するよう、都道府県等に対し指導を行っているところであり、今後とも廃棄物処理法に違反する行為に対して厳正な対処がなされるよう取り組んでまいりたい。





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