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平成十年十一月二十日受領
答弁第三〇号

  内閣衆質一四三第三〇号
    平成十年十一月二十日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出参院選公示日の死刑執行に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出参院選公示日の死刑執行に関する第三回質問に対する答弁書



一の(1)について

 死刑は、適正な法の手続に基づいて言い渡された確定判決により、執行しているものであって、当該裁判の内容については、裁判公開の原則により明らかにされている上、死刑執行の事実については、毎年の統計において執行数を公表しているところである。これに加えて、死刑の執行は、死刑の必要性、情報公開などに関する質問に対する答弁書(平成十年二月十三日内閣衆質一四二第一号)六の1について及び死刑の必要性、情報公開などに関する再質問に対する答弁書(平成十年三月二十四日内閣衆質一四二第一〇号)六の(1)についてでお答えしたとおり、極めて慎重な手続を経て行われているのであって、刑罰権行使の適正は十分図られているものと考えている。

一の(2)について

 過去において、死刑の執行は、法令に従い適正に行われてきたところである。

一の(3)について

 御指摘の内閣総理大臣の所信表明演説は、「今日、わが国は、急速な少子高齢化、情報化、国際化などが進展する中で、大きな変革期に直面しております。国民の間に、わが国経済・社会の将来に対する不安感が生まれています。」というものであり、「情報化」及び「国際化」の進展については、死刑制度の存廃に関する国際情勢や死刑の情報公開に関する諸外国の実情に関連して述べたものではない。

一の(4)及び四について

 御質問の内容が、将来そのような事態が生じたとした場合にその具体的状況の下において検討すべき仮定の事項にわたるので、現時点において、責任を持った確定的な回答ができないため、答弁を差し控えたい。
 なお、我が国においては、令状主義及び厳格な証拠法則が採用され、三審制が保障されるなど、捜査公判を通じて慎重な手続により有罪が確定されている上、再審制度が保障されており、有罪を認定することについては、適正な判断がなされているものと考えている。加えて、死刑は、その言渡しを受けた者の生命を断つ極刑であり、一度執行されれば回復し難いこととなるものであるから、死刑判決の確定後は、関係検察庁の長からの死刑執行に関する上申を待って確定記録を取り寄せ、法務省内関係部局をして判決及び確定記録の内容を十分精査せしめ、刑の執行停止、再審又は非常上告の事由の有無、恩赦を相当とする情状の有無等について慎重に検討し、これらの事由等がないと認めた場合に、初めて死刑執行命令を発するなどその適正を期しているところである。
 また、一般論として申し上げれば、検察、法務当局は、再審請求事件及び国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)に基づく民事訴訟事件に対しては、法令に従い適切に対処することとなる。

二の(1)について

 憲法第七十三条第一号は、法律を誠実に執行することを内閣の事務として定めているので、国政選挙期間中であると否とを問わず、政府としては、国会によって制定された法律を誠実に執行しなければならないと考えている。

二の(2)について

 参院選公示日の死刑執行に関する質問に対する答弁書(平成十年八月七日内閣衆質一四三第一号)作成に当たっては、答弁期間が限られていたこともあり、十分な調査を行うことができず、御指摘の「米国で大統領や国会議員の選挙期間中、死刑が執行されたケースの有無」について明らかとはならなかったため、「承知していない」旨答弁したものである。

三の(1)について

 法務省が入居している中央合同庁舎六号館の電気料金は、入居官署の支出官がそれぞれ分担し、一般会計予算から支出している。
 法務省の職員は、勤務時間終了後、速やかに退庁しているものと承知している。

三の(2)について

 御指摘の職員が職務として保坂展人衆議院議員と面会するまでの同職員の行動については、勤務時間終了後の職員のプライバシーにかかわる事項であり、お答えする立場にはない。

三の(3)について

 御質問のような懇親会は、開かれていない。

五について

 御質問の内容が将来の具体的状況の下において検討すべき仮定の事項にわたるので、現時点において、責任を持った確定的な回答ができないため、答弁を差し控えたい。

六の(1)及び(2)について

 全国民の代表者である国会議員が国会の制定した法律の執行等に関して内閣に質問をすることは、国民にとって必要なことであり、議員立法による法律の改正などにも必要となるものであるので、内閣としては、これに対し、誠実に答弁すべきであると考えているが、質問の内容が将来の具体的状況の下において検討すべき仮定の事項にわたる場合には、現時点において、責任を持った確定的な回答ができないため、答弁を差し控えざるを得ないことがあるものと考えている。

六の(3)について

 各議院の議員からの質問主意書に対しては、内閣としては、誠実に答弁すべきものと考えている。しかし、国家の刑罰権の作用は、本来、刑の執行そのものに限られるのであって、それを超えて、国家機関が刑の執行の事実を殊更に公表して、刑の執行を受けた者やその関係者に、刑の執行そのものを超えた不利益や精神的苦痛を与えることは相当でないと考えており、このような考え方に基づき、個々具体的な死刑執行に関する事項につき、死刑を執行された者の遺族の感情、他の死刑確定者の心情の安定等に配慮し、答弁を差し控えてきたところである。また、仮定の質問に対しては、六の(1)及び(2)についてでお答えしたとおりの理由から、答弁を差し控えているものである。

六の(4)及び(5)について

 死刑の執行等については、法令に従い適正に行っているところである。
 政府は、死刑の執行以外の行政分野においても、例えば、刑事事件の捜査状況及び処理の見込みについて、立法府からの事実確認や仮定の質問に対する答弁を差し控えることがあるが、それは、公務の適正な遂行等の公共の利益に配慮し、あるいは、質問の内容が将来の具体的状況の下において検討すべき仮定の事項にわたるので、現時点において、責任を持った確定的な回答ができないなどの理由に基づくものであり、行政を専制的に運営するためではない。

六の(6)について

 死刑執行をいつ行うかについては、答弁を差し控えたい。
 調査した限りでは、御質問に係る施設の職員が御指摘の日に先を競って休暇を取ろうとしている事実はない。



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