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答弁本文情報

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平成十一年九月二十八日受領
答弁第四七号

  内閣衆質一四五第四七号
    平成十一年九月二十八日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員辻元清美君提出東京電力海外プルトニウム移転に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻元清美君提出東京電力海外プルトニウム移転に関する質問に対する答弁書



一の1について

 御質問のフランス共和国からベルギー王国へのプルトニウムの移転に関し、実際に移転されたプルトニウムの量についてのフランス共和国政府から政府に対する通知はなかった。

一の2及び3について

 御質問のフランス共和国からベルギー王国へのプルトニウムの移転に関しては、東京電力株式会社(以下「東電」という。)による許可申請、届出等の法的手続は必要とされていないが、政府は、当該移転に関して、一回目については平成九年五月に、二回目については平成十年七月に、それぞれ東電から電話連絡等により事実関係を聞いている。
 東電によれば、一回目の移転はプルトニウム総量二百二十キログラム(うち核分裂性プルトニウム百四十五キログラム)について平成九年五月中に完了したとの報告を、二回目の移転はプルトニウム総量二百九キログラム(うち核分裂性プルトニウム百三十七キログラム)について平成十年六月末までに完了したとの報告を、それぞれフランス共和国の事業者であるフランス核燃料会社から受けたとのことである。

一の4及び5について

 「千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書」(平成二年条約第五号)を締結するための交渉において到達した了解を記録した合意された議事録2(d)に基づき、フランス共和国政府から政府に対して、フランス共和国内にある「原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定」(昭和四十七年条約第九号。以下「日仏原子力協定」という。)の対象となる核物質の在庫の状況等に関する情報が施設ごとに一年単位で提供されるが、フランス共和国外へ移転された核物質の量に関する情報については提供の対象とされていない。

二の1について

 御質問のフランス共和国からベルギー王国への二回目のプルトニウムの移転に関しては、事業者による許可申請、届出等の法的手続は必要とされておらず、政府は、事業者から、具体的な移転量についての事前の連絡は受けていない。しかしながら、政府は、東電から、プルサーマル計画の進ちょく状況について適宜話を聞いており、平成九年十二月に、当該プルトニウムの移転量が政府と欧州共同体委員会との間の平成九年二月十日付け書簡の交換による取極(以下「日・欧州共同体委員会取極」という。)の附属書及び政府とベルギー王国政府との間の同日付け書簡の交換による取極(以下「日・ベルギー取極」という。)の附属書Aに記載されている移転予定量を下回る可能性があることが判明した。
 この移転量の変更については、政府は、平成十年七月に、東電から、プルサーマル計画の具体化により混合酸化物燃料(以下「MOX燃料」という。)加工に用いられるプルトニウムの組成が確定したこと等に伴うものと聞いている。

二の2について

 MOX燃料加工のためのフランス共和国からベルギー王国への二回目の移転に係るプルトニウムに関し、政府は、平成九年十二月十二日に欧州共同体委員会との間において、また、同月十六日にベルギー王国政府との間において、当該プルトニウムは、その量が日・欧州共同体委員会取極の附属書及び日・ベルギー取極の附属書Aに記載された移転予定量を超えない限り、日・欧州共同体委員会取極及び日・ベルギー取極の対象となることを口頭で確認しているところである。
 なお、日・欧州共同体委員会取極及び日・ベルギー取極は、日・欧州共同体委員会取極の附属書及び日・ベルギー取極の附属書Aに記載された核物質がベルギー王国に移転された場合に、当該核物質について、欧州共同体委員会が平和的非爆発目的にのみ使用されることを確保する等の義務を、ベルギー王国政府が適切な防護の措置が適用されることを確保する義務をそれぞれ負うことを内容とするものであって、政府が当該核物質をベルギー王国へ移転する義務を負うものではない。

二の3について

 二の2についてで述べたとおり、MOX燃料加工のためのフランス共和国からベルギー王国への二回目の移転に係るプルトニウムに関し、政府は、欧州共同体委員会及びベルギー王国政府との間において、当該プルトニウムは、その量が日・欧州共同体委員会取極の附属書及び日・ベルギー取極の附属書Aに記載された移転予定量を超えない限り、日・欧州共同体委員会取極及び日・ベルギー取極の対象となることを口頭で確認しており、御指摘のような問題はないものと考えている。

三について

 御質問のフランス共和国からベルギー王国へのプルトニウムの移転は、日仏原子力協定上、ベルギー王国において、当該プルトニウムが平和的非爆発目的にのみ使用されること、当該プルトニウムについて国際原子力機関による保障措置が適用されること及び当該プルトニウムについて日仏原子力協定の附属書Aに定める水準の防護の措置がとられることについての保証をフランス共和国政府が適切な方法で得る場合であって、政府の事前の文書による同意があるときに行われ得るほか、このような保証をフランス共和国政府が得られない場合であっても、政府の事前の文書による同意があるときには行われ得ることとなっている。
 政府は、本件MOX燃料加工のためのフランス共和国からベルギー王国へのプルトニウムの移転については、ベルギー王国において、当該プルトニウムがMOX燃料加工という平和的非爆発目的にのみ使用されること、当該プルトニウムについて国際原子力機関による保障措置が適用されること、当該プルトニウムについて適切な防護の措置がとられること、当該プルトニウムがMOX燃料に加工された後にフランス共和国に移転されること等を確保するため、これらについての保証を政府自らが欧州共同体委員会及びベルギー王国政府との国際約束によって得た上で、事前の文書による同意を行うことが適切であると判断したものである。





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