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答弁本文情報

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平成十一年十二月三日受領
答弁第二号

  内閣衆質一四六第二号
    平成十一年十二月三日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員桝屋敬悟君提出労災保険制度における脊髄損傷者の遺族補償給付に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員桝屋敬悟君提出労災保険制度における脊髄損傷者の遺族補償給付に関する質問に対する答弁書



一の1について

 業務上の事由又は通勤によるせき髄損傷(以下「せき髄損傷」という。)を受けた者(以下「せき髄損傷者」という。)であって傷病補償年金又は傷病年金(以下「傷病(補償)年金」という。)を受給している者のうち、平成十年度中に死亡した者は百五十三人である。このうち、遺族補償給付又は遺族給付(以下「遺族(補償)給付」という。)が支給された者は四十六人であり、死亡した当該年金受給者に対する遺族(補償)給付受給者の割合は、約三十パーセントである。
 また、平成十年度中に死亡した障害補償年金又は障害年金(以下「障害(補償)年金」という。)受給者のうち、特に集計して、せき髄損傷者であったと把握できた者は百三人であり、このうち、遺族(補償)給付が支給された者は十二人であり、死亡した当該年金受給者に対する遺族(補償)給付受給者の割合は、約十二パーセントである。

一の2について

 せき髄損傷者であって障害(補償)年金を受給していた者が死亡した場合に、その遺族に対し、遺族(補償)給付の支給が認められるか否かは、当該障害(補償)年金受給者の死亡が、せき髄損傷と因果関係を有するか否かにより判断しており、この取扱いは、傷病(補償)年金の受給者が死亡した場合の遺族(補償)給付についても同様である。

二の1について

 せき髄損傷者が死亡し、遺族(補償)給付の請求がなされた場合には、せき髄損傷という重篤な障害が長期間にわたって継続すること、その間に様々な疾病を併発することが少なくないこと等にかんがみ、当該せき髄損傷者の死亡がせき髄損傷と因果関係を有するか否かの判断に当たっては、「せき髄損傷に併発した疾病の取扱いについて」(平成五年十月二十八日付け基発第六百十六号。以下「通達」という。)を踏まえ、当該せき髄損傷者の主治医、必要に応じてせき髄損傷とその併発疾病に関し専門的知見を有する医師に対して医学的意見を求めること等により、当該せき髄損傷者の死亡、せき髄損傷及び併発疾病の因果関係について綿密な調査を行い、遺族(補償)給付に関する決定を適正に行っているところである。

二の2について

 せき髄損傷者が併発疾病を起こしたことにより死亡したとして遺族(補償)給付の請求がなされた場合の労働基準監督署長による遺族(補償)給付に関する決定については、当該請求の個々の事案に応じて、通達別表において併発疾病ごとに示されたせき髄損傷部位、発生機序及び特徴を確認の上、二の1についてで述べたとおり、当該せき髄損傷者の主治医等の意見を基に、当該せき髄損傷者の死亡がせき髄損傷と因果関係を有するか否かにより判断を行っているところである。
 また、御指摘の遺族(補償)給付に係る請求書については、労働者災害補償保険法の施行に関する事務に使用する文書の様式を定める告示(昭和三十五年労働省告示第十号)により様式が定められており、せき髄損傷者が死亡した場合の遺族(補償)給付の請求は、当該請求書により行うこととされている。
 なお、労働者災害補償保険における遺族(補償)給付等の請求手続については、請求から給付に至るまでの手続の流れや請求書の記載方法等を平易に解説したリーフレットを活用する等により、引き続き周知に努めてまいりたい。

三について

 労働者災害補償保険は、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づき、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡に関して保険給付を行うものであり、当該保険給付の一つである遺族(補償)給付についても、労働者の死亡と業務又は通勤との間に因果関係が認められることが必要とされているところである。御指摘の障害(補償)年金を受給しているせき髄損傷者が死亡した場合にあっても、当該せき髄損傷者に係る遺族(補償)給付を行うためには、せき髄損傷者の死亡とせき髄損傷との間に因果関係が認められることが必要である。
 当該せき髄損傷者が死亡した場合であって遺族(補償)給付の対象とならないときには、御指摘のように介護による家族の負担が相当なものであること、当該遺族の生活の安定の確保の必要性等の観点から、長期間にわたり重篤な障害を有するせき髄損傷者の介護に当たってきた家族に対し、労働者災害補償保険法に基づく労働福祉事業として、平成七年度から、一定の要件の下で「長期家族介護者援護金」を支給しているところである。





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