衆議院

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平成十二年一月十一日受領
答弁第二五号

  内閣衆質一四六第二五号
    平成十二年一月十一日
内閣総理大臣臨時代理
 国務大臣 青木幹雄

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出神奈川県警事件の責任などに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出神奈川県警事件の責任などに関する再質問に対する答弁書



一の(一)について

 昨年十二月十日、元神奈川県警察本部長(以下「元警察本部長」という。)等の警察の幹部職員が犯人隠避等の罪で起訴されたことは、警察に対する国民の信頼を損なうものであり、誠に遺憾である。警察においては、今回の事態を厳粛に受け止め、不祥事案対策の推進に全力を挙げて取り組んでいるところである。

一の(二)について

 元警察本部長等の警察の幹部職員による犯人隠避等の事件(以下「本件隠避等事件」という。)に関しては、神奈川県警察が同県公安委員会の管理に十分服していなかったこと等について反省すべき点があると考えており、警察においては、不祥事案対策の推進等国民の信頼を回復するために真摯な努力を重ねているところである。

一の(三)について

 本件隠避等事件が横浜地方検察庁に送致されたことについて、「遺憾」という言葉で表現したものである。

一の(四)について

 本件隠避等事件においては、神奈川県警察の所属の全職員を指揮監督する立場にあった元警察本部長までもが、覚せい剤取締法違反事件の被疑者を隠避させたものとして起訴されている。また、その他の関係者についても、起訴され、又は懲戒処分等を受け、その責任を厳しく問われているところである。

一の(五)について

 御指摘の「都道府県警察に対する特別監察」は、都道府県警察における監察体制の現状、監察業務の推進状況、職務倫理教養の実施状況等について、国の機関である警察庁が監察を実施するものである。
 特別監察の実施に当たっては、警察庁の本庁及び管区警察局に「特別監察プロジェクトチーム」を設置し、必要な体制を整えることにより、厳正かつ効果的な監察を実施することとしているが、併せて、国家公安委員会が特別監察の実施結果について警察庁から報告を聴取し、これを指導することによって、当該監察が更に適正に実施されるものと考えている。

一の(六)について

 御指摘の「組織管理者研修」は、警察庁に採用された者のうち、初めて県警察本部長の職に就く予定である年次の者を対象に、警察庁幹部や部外講師による直接指導等により、組織の最高責任者としての見識を養うための研修を行うものである。

一の(七)について

 警察庁においては、警察庁及び都道府県警察に対する国家公安委員会及び都道府県公安委員会等の権限行使の一層の充実を図るため、監察に係る指示、警察職員の法令違反等の報告及び委員の再任の制限に関する規定を設けることを含む警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)の一部改正について検討しているところである。

一の(八)について

 例えば、神奈川県警察本部警備部外事課員による覚せい剤使用事件、同県相模原南警察署員による押収品窃盗事件及び同県厚木警察署員による集団暴行事件については、神奈川県公安委員会に対する神奈川県警察の報告が不十分であったと承知している。
 そのため、警察庁において、都道府県警察に対して、不祥事案発生時等における都道府県公安委員会に対する適時適切な報告の励行を指示したところである。

一の(九)について

 これまでも、都道府県警察においては、幹部職員に対して組織管理、職務倫理等に関する教養を実施してきたところであるが、神奈川県警察における今回の事態を踏まえ、その一層の徹底を図ることとしたものである。
 「教養」という用語は、各省庁の設置法、組織令等においても、職員の教育、研修等を意味する用語として多く用いられている。

一の(十)について

 御指摘の「不祥事案対策」には、警察職員による不祥事案を未然に防止すること、不祥事案が発生した場合に厳正に対処すること、監察体制を強化すること等が含まれている。警察においては、このような不祥事案対策の推進に努めているところであり、その成果に期待するものである。

一の(十一)について

 今回の事案が監察制度そのものの限界を示したものとは考えていない。

一の(十二)について

 御指摘のような事例としては、本件隠避等事件、神奈川県警察本部警備部外事課員による覚せい剤使用事件、同県相模原南警察署員による押収品窃盗事件及び同県厚木警察署員による集団暴行事件について、改めて捜査を行い、各被疑者を逮捕又は書類送致した事例がある。

一の(十三)について

 国家公安委員会及び都道府県公安委員会等に期待されているのは、専門的、能率的観点からの権限行使ではなく、国民の良識を代表する者による警察の民主的管理にあり、各界において豊富な経験と高い見識を備えた委員が警察から直接報告を聴取し、これを指導することにより、管理の実を挙げているものと承知している。
 御指摘の答弁は、警察を管理する立場にある国家公安委員会及び都道府県公安委員会等の委員が警察の組織及び業務に精通している必要がある旨を述べたものではない。

一の(十四)について

 御指摘の「個人のプライバシーの保護及び職務上知ることのできた秘密の保持」は、監察業務を行うに当たり特に配慮する必要のある事項について述べたものである。

二の(一)及び(二)について

 神奈川県警察は、警察法第三十六条の規定に基づき、神奈川県に置かれ、同県の区域につき同法第二条の責務に任ずる行政機関であるが、御質問の「目的」がそのような責務を含む趣旨であるか否か、「結合体」が行政機関を含む趣旨であるか否かなどのことが明らかでないので、御質問に対し回答することは困難である。

二の(三)について

 御指摘の犯人隠避事件については、元警察本部長、元神奈川県警察本部警務部長、元同本部警務部監察官室長、元同部監察官及び元同本部生活安全部長の五名が、ほか数名の同本部所属の警察官と共謀の上、覚せい剤取締法違反事件の被疑者を隠避させたとの公訴事実で起訴されたものと承知している。

二の(四)について

 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)は施行されておらず、同法に規定された罰則を適用することを目的とする捜査は行っていないため、御質問に対し回答することはできない。

二の(五)について

 警察庁幹部と法務省幹部及び都道府県警察幹部と当該都道府県を管轄する地方検察庁の幹部は、必要に応じ、職務上必要な連絡を行っているものと承知している。

二の(六)について

 警察及び検察は、本件隠避等事件について、必要な捜査を遂げ、事案の全容を解明し、検察において、元警察本部長ら五名を起訴したものであり、同事件の捜査が国民に不信感を抱かせたとは考えていない。

二の(七)について

 警察及び検察は、本件隠避等事件について、必要な捜査を遂げ、事案の全容を解明し、検察において、元警察本部長ら五名を起訴したものであり、同事件の捜査について特段の反省点があるとは考えていない。

二の(八)について

 神奈川県警事件の責任などに関する質問主意書(平成十一年十一月十五日提出質問第六号)一の(7)で御質問のあった「容疑者が相互に連絡を取り合った事実は把握しているか」及び「電話の通話記録を調べ」たかについては、捜査の具体的内容であるため、答弁を差し控えたいと答弁したものである。
 神奈川県警察においては、必要な捜査を遂げ、事案の全容を解明して、本件隠避等事件を横浜地方検察庁に送致したものと承知している。

二の(九)について

 神奈川県警察における道路交通法違反検挙件数の減少が本件隠避等事件の影響によるものか否かは測りかねるところであるが、いずれにせよ、本件隠避等事件により、警察官の職務執行の現場において国民の協力が得られなくなるなどの影響が生ずることが懸念されるところである。

二の(十)について

 警察が今回の事態を厳粛に受け止め、不祥事案対策を推進して、警察に対する国民の信頼の回復に全力を尽くすことが重要であると考えている。

二の(十一)について

 「国民からいささかの疑念も抱かれることのないよう」にするため、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成十一年法律第百三十七号)に基づく通信の傍受を適正に実施するための方法その他の事項を国家公安委員会規則で定めるほか、警察庁において、都道府県警察に対して必要な指導を行うこととしている。

二の(十二)について

 警察による通信の傍受は適正に実施されるものと考えるが、一般論としては、御指摘のような事件が発生した場合には、その真相を究明して厳正な措置を講じることにより、御指摘の責任を明らかにすべきものと考える。

二の(十三)について

 今回の神奈川県警察における不祥事案により国民の警察に対する信頼を大きく損なう事態に立ち至ったことについては、重く受け止めているところである。不祥事案対策を強力に推進し、警察に対する国民の信頼を回復することが警察庁長官の重要な職責であり、警察庁及び都道府県警察に対する国家公安委員会及び都道府県公安委員会等の権限行使の一層の充実を図るため、警察法の一部改正について検討しているところである。

三の(一)について

 政府としては、答弁に当たり、判決文を確認している。
 なお、御質問において引用されている判決理由は、御指摘の平成九年六月二十六日の東京高等裁判所判決には記載されていない。

三の(二)について

 御指摘の事件については、警察は組織として関与しておらず、また、警察庁及び神奈川県警察は、ともに御指摘のように警察庁又は神奈川県警察が同事件に組織として関与したとは考えていないと承知している。

三の(三)について

 御指摘の事件は、警察庁警備局の指示によるものではない。

三の(四)について

 今回の神奈川県警察における一連の不祥事案と御指摘の事件とは関係がないものと考えている。

三の(五)について

 検察においては、本件隠避等事件について、必要な捜査を遂げ、事案の全容を解明した上で、法と証拠に基づき、厳正公平、不偏不党を旨として、厳正に対処した結果、元警察本部長ら五名を公判請求したものであって、本件について、検察はその機能を十分に果たし、御指摘のような国民の疑念を招くようなことはなかったものと考えている。



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