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答弁本文情報

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平成十二年五月三十日受領
答弁第三〇号

  内閣衆質一四七第三〇号
  平成十二年五月三十日
内閣総理大臣 森 喜朗

       衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員山本孝史君提出基礎年金の国庫負担率引上げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山本孝史君提出基礎年金の国庫負担率引上げに関する質問に対する答弁書



一について

 我が国に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者は、国民年金制度に強制加入することとされている。平成十年度末現在で国民年金の被保険者は約七千五十万人いるが、平成十年の公的年金加入状況等調査によれば、未加入者(国民年金制度への加入手続をとっていない者をいう。以下同じ。)は約九十九万人おり、また、平成八年の国民年金被保険者実態調査によれば、保険料未納者(過去二年間に保険料を納付しなかった者をいう。以下同じ。)は約百七十二万人いるものと見込んでいる。
 厚生大臣は、このような状況に関して、先に成立した国民年金法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第十八号。以下「改正法」という。)の国会審議等において再三「国民年金は空洞化している」との指摘があったことを踏まえ、本年五月十六日の参議院国民福祉委員会において、いわゆる空洞化が大きな問題として指摘されていることについて発言したものである。

二について

 基礎年金の国庫負担割合を現行の三分の一から二分の一に引き上げた場合に、未加入者及び保険料未納者の数が具体的にどの程度減少するかを、現時点で見込むことは困難である。

三及び十について

 厚生大臣は、改正法の国会審議において、基礎年金の国庫負担割合の引上げの時期について、できるだけ早く実施したい旨繰り返し発言してきたところである。
 本年五月十四日の厚生大臣の発言は、改正法が成立したことを受けて、改正法附則第二条において「基礎年金については、(中略)平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする」と規定されていることを踏まえ、公的年金に対する若年世代の不安を解消し、未加入者及び保険料未納者を減らすために、できるだけ早く国庫負担割合を引き上げる方向で検討に入りたいという考えから、行ったものである。

四から七までについて

 厚生大臣は、できるだけ早く基礎年金の国庫負担割合を引き上げる方向で検討に入りたいという考えから、基礎年金の国庫負担割合の引上げのために必要な財源について幅広く例示する観点から、各種の扶養控除の在り方の見直しを含めた税制改革、行財政改革による財源の捻出、景気回復による自然増収及び年金積立金による一時立替えについて言及し、今後、その財源としての安定性、適合性及び実現可能性も含めて様々な観点から検討する必要があるという趣旨の発言をしたものである。
 基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げは、巨額の財源(来年度において約二・四兆円)を要するだけでなく、高齢化の進展に伴って急速に拡大していく恒常的な歳出増を伴うものであるため、その財源は、これにふさわしい安定したものであることが必要である。
 したがって、国庫負担割合の引上げについては、改正法附則第二条を踏まえ、厳しい財政事情を勘案しながら、今後安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討する必要があると考えている。

八について

 基礎年金額については、改正法附則第二条において「基礎年金については、給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討」することと規定されていることを踏まえ、給付と負担の均衡に配慮しつつ、今後の財政再計算時に向けて検討していくべき課題と考えている。

九について

 基礎年金の国庫負担割合の引上げについては、今後安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討する必要があり、その場合には、財源の在り方を含めた国民の幅広い御議論が必要となると考えている。
 基礎年金の国庫負担割合の引上げは、巨額の財源を要するだけではなく、高齢化の進展に伴って急速に拡大していく恒常的な歳出増を伴うものである。このため、厳しい財政事情にかんがみ、その早急な実施に困難が伴うことは認識しているが、国庫負担割合の引上げには安定した財源確保が必要であることから、今後、改正法附則第二条を踏まえ、国庫負担割合の引上げと安定した財源確保のための具体的な方法とを一体として検討する必要があると考えている。

十一について

 基礎年金の国庫負担割合の引上げについては、これに必要となる安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討していく必要があると考えているが、年金審議会における日程等の取扱いは、現時点においては、未定である。





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