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平成十八年十二月十九日受領
答弁第二二八号

  内閣衆質一六五第二二八号
  平成十八年十二月十九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員伴野豊君提出運輸安全マネジメントに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伴野豊君提出運輸安全マネジメントに関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの安全管理規程及び安全統括管理者の届出状況については、平成十八年十二月八日時点において、千三百八十九事業者から届出があったところである。

二について

 国土交通省においては、運輸安全マネジメント評価については、安全管理体制が運輸事業者において構築され、それがシステムとしてうまく機能しているかについて、平成十八年八月三日に策定された「鉄道事業法第五十六条の二(軌道法第二十六条において準用する場合を含む。)、道路運送法第九十四条の二、貨物自動車運送事業法第六十条の二、海上運送法第二十五条の二、内航海運業法第二十六条の二第一項及び航空法第百三十四条の二の規定に基づく安全管理規程に係る報告徴収又は立入検査の実施に係る基本的な方針」において定められている輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項に係る報告徴収等における重点確認事項に従って、評価を実施している。
 また、運輸安全マネジメント評価の対象事業者は、約五千三百事業者である。
 運輸安全マネジメント評価は、平成十八年十月より実施しており、平成十八年十二月八日時点において、鉄道分野六社、航空分野一社、自動車分野一社、海運分野二社の計十社に対して実施したところである。今後、届出された安全管理規程等の内容も踏まえ、他の事業者についても順次実施していくこととしている。

三について

 国土交通省において、西日本旅客鉄道株式会社(以下「JR西日本」という。)に対する運輸安全マネジメント評価を行ったところ、JR西日本においては、平成十七年五月に福知山線における列車脱線事故を踏まえて定めた「安全性向上計画」に基づき、各種の安全対策を進めてきているところであった。国土交通省としては、JR西日本の安全管理体制の構築に係る一連の取組は相当程度評価できるものであったと考えているが、事故の芽情報の具体的な活用方策の確立、更なる部内コミュニケーションの充実、経営管理部門を対象とした内部監査体制の確立等については、今後、安全管理体制の更なる改善に向け、より一層の改善努力が求められると考えている。
 国土交通省では、これらの評価を踏まえたJR西日本の努力により、一層の輸送の安全の強化が図られるものと考えている。

四について

 国土交通省において、株式会社日本航空インターナショナル(以下「日本航空」という。)に対する運輸安全マネジメント評価を行ったところ、日本航空においては、従来から安全管理体制の構築、実施及び維持に関する取組の整備・充実が相当程度図られていたところであり、国土交通省としては、日本航空の安全管理体制の構築に係る一連の取組については評価できるものであったと考えているが、安全重点施策の達成度の把握手法の確立、経営層と中間管理層との間のコミュニケーションの活性化、安全教育の有効性を確認し改善につなげる仕組みの構築、経営管理部門を対象とした内部監査体制の確立等については、今後、安全管理体制の更なる改善に向け、引き続き努力する余地があると考えている。
 国土交通省では、これらの評価を踏まえた日本航空の努力により、一層の輸送の安全の強化が図られるものと考えている。

五について

 警察としては、御指摘の「三鷹事件」について、その旨の報道がなされていることは承知しているが、被害の届出等がなく、刑事事件として把握していない。
 御指摘の「浦和事件」は、平成十三年一月二十一日から同年六月三十日ころまでの間に、東日本旅客鉄道労働組合(以下「JR東労組」という。)の組合員である被疑者七人が、東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)大宮支社浦和電車区事務所等において、他の労働組合の組合員と行動を共にするなどしたJR東労組の組合員を集団で脅迫し、同組合から脱退させ、さらに、JR東日本から退職させた強要事件のことであると思われる。当該事件については、警視庁において、所要の捜査を行い、平成十四年十一月一日に被疑者七人を強要罪で逮捕し、翌日、東京地方検察庁検察官に送致したものと承知している。
 御指摘の「佐久事件」は、JR東労組の組合員が、同組合の組合員から傷害を受けたとして、平成十八年十月六日、長野県警察に告訴した事件のことであると思われる。当該事件については、現在捜査中であり、その具体的な内容については、答弁を差し控えたい。
 御指摘の「長岡事件」は、平成十七年四月二十五日、JR東日本の社員である被疑者二人が、新潟県長岡市内において、同社の社員三人に暴行を加えた事件のことであると思われる。当該事件については、新潟県警察において、所要の捜査を行い、平成十七年八月十七日に被疑者二人を傷害罪で新潟地方検察庁検察官に送致したものと承知している。
 なお、警察は、刑罰法令に触れる行為があると認める場合には、引き続き、厳正に対処していくこととしている。
 お尋ねの「革マル派と事件との係わり」については、「浦和事件」で逮捕された七人の中には、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)の活動家とみられる者がいると承知している。警察としては、引き続き、全日本鉄道労働組合総連合会及びJR東労組という公共交通機関の労働組合における革マル派の動向について、公共の安全と秩序の維持の観点から重大な関心を払うこととしている。
 国土交通省においては、従来から鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)に基づき、輸送の安全の確保という観点から、鉄道事業者に対し、鉄道運転事故、輸送障害等の報告を求めているところであるが、これまでのJR東日本からの報告の中で、御指摘の四つの事件に係る報告は受けておらず、輸送の安全に係る問題が生じたとは承知していない。したがって、国土交通省からJR東日本に対してこれらの事件に係る指導、助言はしていない。

六について

 御指摘の「革マル派の浸透問題」については、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかというJR東日本の経営上の問題であることから、国土交通省として指導、助言はしていない。

七について

 国土交通省においては、従来から鉄道事業法に基づき、輸送の安全の確保という観点から、鉄道事業者に対し、鉄道運転事故、輸送障害等の報告を求めているところであるが、これまでのJR東日本からの報告の中で、御指摘の四つの事件に係る報告は受けておらず、輸送の安全に係る問題が生じたとは承知していない。
 運輸安全マネジメント評価においては、JR東日本に限らずすべての事業者に共通して、経営幹部への面談調査等を行い、安全に係る経営幹部と現場との双方向のコミュニケーションの確保の体制が構築され、それがシステムとして機能しているかについて、評価を実施しているものであり、評価の際に、それらの体制が未構築であること、システムとして機能していないこと等を確認した場合には、国土交通省として必要な助言をすることとしている。
 輸送の安全の確保に問題があるか否かに関しては、列車衝突事故等の発生するおそれがあると認められる事態等の個別の事案に基づき判断することとしている。

八について

 運輸安全マネジメント評価においては、JR東日本に限らずすべての事業者に共通して、経営幹部への面談調査等を行い、安全に係る経営幹部と現場との双方向のコミュニケーションの確保の体制が構築され、それがシステムとして機能しているかについて、評価を実施しているものであり、御指摘の「革マル派浸透問題」については、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかというJR東日本の経営上の問題であることから、国土交通省として指導、助言はしていない。

九について

 参議院議員山下八洲夫君提出JR総連・JR東労組などJR労組に浸透する革マル派の実態等に関する質問に対する答弁書(内閣参質一六四第五三号)については、国土交通省として承知している。

十について

 JR東労組内に革マル派が浸透しているとされる問題についてのJR東日本経営陣の対応に関しては、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかというJR東日本の経営上の問題であり、これに対するJR東日本の経営陣の対応については、国土交通省が答弁する立場にない。

十一及び十二について

 お尋ねの点については、政府として輸送の安全の確保及び公共の安全と秩序の維持の観点から重大な関心を持ち、関係機関がそれぞれの所管に基づいて、必要に応じて関係者と連携するとともに、輸送の安全に問題が生じた場合や刑罰法令に触れる行為があると認められる場合等においては、引き続き、厳正に対処することとしている。



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