答弁本文情報
平成二十年五月二十日受領答弁第三七三号
内閣衆質一六九第三七三号
平成二十年五月二十日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出先住民族の定義及びアイヌ民族の先住民族としての権利確立に向けた政府の取り組みに関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出先住民族の定義及びアイヌ民族の先住民族としての権利確立に向けた政府の取り組みに関する第三回質問に対する答弁書
一について
先の答弁書(平成二十年三月二十五日内閣衆質一六九第一八二号)四及び九についてで述べたように、現在のところ、「先住民族」に関する国際的に確立した定義がないこともあり、アイヌの人々が「先住民族」かどうか結論を下せる状況にはないが、アイヌの人々は、いわゆる和人との関係において、日本列島北部周辺、取り分け北海道に先住していたことは歴史的事実であり、また、独自の言語及び宗教を有し、文化の独自性を保持していること等から、少数民族であると認識している。
国際的に「先住民族」の定義が確立していない状況の下で、アイヌの人々が御指摘の「先住民族」と一致するものであるか結論を下せる状況にはなく、一致することを前提としてどのような問題が生じるかについて、現時点において予断することは適当とは考えていない。
政府としては、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(平成九年法律第五十二号)に基づき、国土交通省及び文部科学省においてアイヌ文化振興等に関する施策を着実に推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図っていくことが肝要と考えている。
お尋ねについては、御質問の内容が将来の具体的状況の下において検討すべき仮定の事項にわたるので、現時点において、責任を持った確定的な回答ができないため、答弁を差し控えたい。