衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和六年二月十三日受領
答弁第三三号

  内閣衆質二一三第三三号
  令和六年二月十三日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員原口一博君提出岸田内閣の財政運営規律と増税緊縮路線等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員原口一博君提出岸田内閣の財政運営規律と増税緊縮路線等に関する質問に対する答弁書


一について
  
 予算制度として、歳出項目の全てが個別に特定の歳入項目をもって充てられているわけではなく、御指摘のように「基金への拠出は国債を財源として」いるとの考え方はとっていない。その上で、一般論として、国債の金利が上昇すれば、利払費の増大により、財政の硬直化や、御指摘の「国民の負担」の増加につながるおそれがあると認識している。
 なお、基金については、それぞれの事業を基金方式により実施することの必要性について、個々の事業の性質に応じて適切に判断した上で、必要な予算を措置しており、引き続き基金事業の適正化に取り組んでまいりたい。

二について
  
 お尋ねの「「税収の増収分の一部を国民に「還元」する」ための財源」については、予算制度として、歳出項目の全てが個別に特定の歳入項目をもって充てられているわけではないが、令和六年度予算の編成に当たっては、今般の定額減税の実施に伴う所得税の減収や、地方特例交付金による個人住民税の減収の補塡等の影響も織り込んで、歳入歳出予算の各項目を計上しているところである。

三について
  
 消費税の申告手続において還付税額を原因ごとに区分して、その金額及び還付税額全体に占める割合を示すためには、一つ一つの課税仕入れ(消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第二条第一項第十二号に定める「課税仕入れ」をいう。以下同じ。)について、国内において行う課税資産の譲渡等(同法第二条第一項第九号に定める「課税資産の譲渡等」をいう。以下同じ。)のうち、輸出取引(課税資産の譲渡等のうち同法第七条第一項各号に掲げるものをいう。以下同じ。)に係るものであるか、国内取引(課税資産の譲渡等のうち輸出取引以外のものをいう。以下同じ。)に係るものであるかを区分する必要が生じるほか、光熱費や販売管理費のように輸出取引と国内取引に共通する課税仕入れについては、何らかの基準で輸出取引に係るものと国内取引に係るものとにあん分する必要がある等、多大な事務負担を事業者に課すことになると考えている。

四について
  
 ある労働者に係る報酬を、給与として労働者に直接支払うか、労働者派遣の対価に消費税相当額を上乗せして人材派遣会社に支払うかの選択について消費税は中立的であり、仮に人材派遣会社に支払う金額が、給与として労働者に直接支払う場合の金額に消費税相当額を上乗せした金額を下回るとすれば、労働者派遣の対価そのものが引き下げられたと考えられる。
 また、厚生労働省が令和元年に実施した「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、派遣労働者がいる事業所が派遣労働者を活用する理由は、回答があった事業所の割合が多い順に、「正社員を確保できないため」が四十七・八パーセント、「即戦力・能力のある人材を確保するため」が三十三・三パーセント、「正社員を重要業務に特化させるため」が二十七・一パーセント、「臨時・季節的業務量の変化に対応するため」が二十五・二パーセントとなっており、派遣労働者の受入企業においては、業務の必要性から派遣労働者を活用しているものと考えられる。
 こうしたことから、消費税が「非正規労働者の増加を招く仕組みとなっている」との御指摘は当たらず、御指摘の「消費税を社会保障の財源とする」ことは不適切であるとは考えていない。

五について
  
 お尋ねについては、今般のインボイス制度の導入においては、制度の導入後も免税事業者から課税事業者となる事業者は一部であると想定される上に、個々の免税事業者によって、課税事業者になった際に必要な消費税の価格への転嫁の程度も異なるなど、その影響は、御指摘の「消費税率引上げ」時と異なり、個々の事業者によって様々であると考えられるため、事業者が共同して行う消費税の価格への転嫁について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定を適用しないとする措置は講じないこととしたものである。

六について
  
 前段のお尋ねについては、政府として内外の様々なリスクを念頭に経済財政運営を行っているが、お尋ねの「米国の財政リスク」の評価やその影響について述べることは、金融・為替市場に不測の影響を与えるおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。
 また、後段のお尋ねについては、一般論として、為替が円高に進めば外貨建て対外資産残高の円建て評価額は減少するが、そうした懸念や今後の見通し等について述べることは、金融・為替市場に不測の影響を与えるおそれがあるため、政府としてお答えすることは差し控えたい。

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.