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昭和二十九年三月八日提出質問第一一号
国鉄下河原線多喜窪駅開設及び中央線国分寺駅の混雑緩和に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十九年三月八日
提出者 山花秀雄
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
国鉄河原線多喜窪駅開設及び中央線国分寺駅の混雑緩和に関する質問主意書
一 東京都北多摩郡国分寺町多喜窪地区には、現在国鉄中央教習所の施設をはじめ、日本製鋼所社宅、逓信住宅等の勤労者住宅が密集し、さらに、ここしばらくの間に土地会社の土地売出しにより一般住宅も激増し、かえつて急激に通勤者が増大してきた。
現在のこれらの住宅総数は約五百戸におよび、教習所の教習生並びに職員数は千二百名といわれている。この地区の住民と特に勤労者の便宜のために多喜窪駅を早急開設することが至当と思う。なお、さきにこの開設問題が起つて国鉄当局との間に具体的に交渉がなされた際、この下河原線は多摩川の砂利採取、運搬用の軌道であつて旅客用でないとの見地からこれら地元民の要望を充分了承されながら実現をみるに至らなかつたと聞いているが、この点如何。
しかるに現在下河原線は、東京競馬場前行として一日二十七本の客用電車を運転し、また東芝前駅等も開設して東芝、日鋼、ビクター・オート等の工場従業員に非常によろこばれている。このような事実からしても現在多喜窪駅不開設に係る前述した理由はなくなつているようであるので、この際、国鉄当局に具体的な計画があればその計画の内容とこれに関する見解を承りたい。
二省線(中央線)国分寺駅は、西武鉄道の国分寺線、多摩湖線と、さらに国鉄下河原線の発着駅を兼ねているため、通勤者の通勤時と退勤時における混雑は大変なものである。
駅当局もこれが緩和のため、いろいろ腐心しておられるようであるが、いまだ国鉄当局の根本的緩和解決策は全然とられていない。このままでは早晩事故が起らないではいないだろうとさえいわれている。
以上の混雑緩和に関する国鉄当局の見解、特に具体的解決策が考えられているならその計画を承りたい。
さらに、すでに決定をみた国分寺駅南口の開設が一向に工事に着手されていないが、これが早急開設は現在の混雑を緩和する有力な方途のひとつとも考えられるので、その見通しもあわせて承りたい。
右質問する。