平成17年2月17日(木)(第3回)

◎ 会議に付した案件

日本国憲法に関する件

1.財政・地方自治

上記の件について、委員間で自由討議を行った。

2.司法・改正・最高法規等

上記の件について、委員間で自由討議を行った。


《財政・地方自治》

●各会派一巡目の発言の概要

早川 忠孝君(自民)

  • 財政に関する規定は、現在でも通用するものが多く、89条を除き改正する必要はない。
  • 会計検査院制度は、今まで機能してきたか疑問であるが、国民主権の実質化、財政の安定機能を果たすことから必要である。その際、外部から専門家を登用して開かれた会計検査院を目指すべきである。
  • 89条前段は、国家と神道との分離を図るものとして画期的であった。しかし、同条後段は、私学助成が違憲であると解釈される余地があることや、NPO、NGO等への支出の必要性など、現在の運用の実態に即して改正すべきである。また、玉串料等の支出は、認められるべきである。
  • 国家財政が逼迫していることから、健全財政条項の憲法上の明記や、「公共性・公正性・透明性」の観点からの財政運営を検討すべきである。
  • 92条の「地方自治の本旨」は、意味がわかりにくいとしても憲法上重要な要素であることから改正の必要はない。
  • 道州制の採用には、憲法改正を要する。市町村合併が進めば都道府県がその役割を終えることも考えられるが、市町村がぜい弱な現状では、都道府県は役割を有する。
  • 地方自治体の条例制定権は当然認められるが、課税権、徴税権、司法権は国に残すべきである。
  • 参議院を憲法院として、法律や条例の憲法適合性の審査を行う機関とすることが考えられる。
  • 外国人の地方参政権は、憲法への明記ではなく、国籍法の改正により対応すべきである。


古川 元久君(民主)

  • 憲法に、財政規律の原則や公会計の原則を明記し、透明性の高いルールの下、公正な第三者による監視や適切な情報開示など、現在及び将来の財政負担について議論できるシステムをつくるべきである。
  • 複数年度予算を可能とする仕組みをつくるべきである。また、会計検査院の機能を強化するとともに、国会に行政監視院を設置することを憲法に規定すべきである。
  • 決算審議の結果を翌年度の予算編成に反映できるような仕組みをつくるべきである。
  • 第8章の4ヵ条は十分機能していないため、分権型国家への転換を憲法で謳い、補完性の原則に基づいた行政権限の配分と条例制定権の強化を憲法に明記すべきである。
  • 市支配人制の導入など地方による多様な地方行政組織の選択を可能にするとともに、住民投票や住民発案の制度を設けるべきである。
  • 地方自治体に課税自主権を認めるとともに、地方間の格差を調整するために、地方交付税に代わる新たな水平的な財政調整制度を設けるべきである。


山名 靖英君(公明)

  • 地方の課税自主権を認めて、84条の「租税」を「国税」と改めるべきである。
  • 予算単年度主義は、年度末における予算の駆け込み的な消化や硬直的な予算編成システムを招く。複数年度予算も認めるべきである。
  • 企業会計を導入し、国民が理解しやすい明確な財政情報を公開すべきである。
  • 会計検査院を国会に附属させ、内閣及び内閣総理大臣に対し、検査結果に基づく改善を勧告できるようにすべきである。
  • 市町村合併の推進による地方の行財政基盤の充実は望ましいが、一方で、地域社会の協働の精神や地域の文化、伝統等に対する住民の意識が低下している点が懸念される。
  • 地方自治の規定は4ヵ条しかなく、「地方自治の本旨」の意味も不明確であることから、分権的要素、民主主義的要素を含む明確な表現に改めるべきである。
  • 国と地方の役割分担においては、両者が住民福祉の増大という共通の目的に向け、相互協力するという観点が重要である。
  • 国は地方の自主性、健全運営を支援するものとし、地方への財政的負担の転嫁の禁止を憲法に謳うべきである。
  • 地域の住民と行政が主体となり税目、税率を決定できるように地方の課税自主権を憲法上明記すべきである。また、地方交付税に加えて新たな水平的財政調整制度が必要である。


吉井 英勝君(共産)

  • 憲法が詳細な財政規定を持つのは、戦前の反省に基づき、マグナ・カルタ以来の財政立憲主義をとり入れたためである。
  • 歴代政府が財政法の健全財政主義の原則をないがしろにして財政運営を行ってきたにもかかわらず、憲法にそれを明記することを与党が主張することは無責任である。
  • 歴代政府は、租税の所得再分配機能を失わせる累進税率の緩和等を行い、貧富の差を拡大させている。
  • 会計検査院は、警察の不正経理を指摘してこなかった等、十分機能しているとは言いがたく、その体制整備が必要である。
  • 89条の私学助成については、政府見解も合憲としており、その解釈は26条からも当然である。
  • 92条の「地方自治の本旨」の内容は、住民自治と団体自治であり、特に住民自治を基礎として団体自治が成り立っているという認識が重要である。
  • 地方自治が弱められており、市町村合併が強制的に行われている現状には問題がある。
  • 道州制の導入は、住民自治を希薄にすることから反対である。


土井 たか子君(社民)

  • 継続費制度は明治憲法に規定されていたが、現行憲法には規定がない。これは、軍事的支出に乱用された過去の反省によるもので、現行憲法は、同制度を認めない趣旨である。また、86条の予算単年度主義に反し、透明性に欠ける。
  • 一般会計や多くの特別会計等を一括して議決する予算審議の在り方については、個々の会計ごとに審議し、国会による修正を認めるべきである。
  • 憲法調査会の最終報告書に関する予算について、調査会で調査すべきである。

●各会派一巡後の発言の概要

大村 秀章君(自民)

  • 複数年度予算の採用や予算に関する情報の提供は、法律による対応が可能である。
  • 国家財政の健全性を回復し維持するための規定を、プログラム規定として憲法上明記すべきである。
  • 地方自治体が住民に身近な自治を行うという方向性を示し、地方自治体の組織、権限、財源等を憲法に明記すべきである。
  • 道州制を導入すべきである。地方行政組織の自由度を高め、簡素な形態の市町村も認めるべきである。
  • 教育委員会の必置規制は適当なのか疑問である。


枝野 幸男君(民主)

  • 9条と89条を解釈する際、一方を厳格に解釈して他方を緩やかに解釈することに合理性がないのではないか。
  • 89条は教育が政治や行政から一定の距離を置くという本来の意図とはかけ離れており、私学助成の対象である私学とそうでない予備校の間の差別が生じている。
  • 26条の趣旨を生かすためには、私立学校自体ではなく、私立学校の生徒やその親への助成を行えばよい。


葉梨 康弘君(自民)

  • 89条は、GHQ原案を和訳する際に「control」を「監督」ではなく「支配」と訳したために、本来の趣旨とは異なる状況が現出しており、改正すべきである。
  • 地方自治に関する規定は高く評価するが、道州制の導入を考えた場合、道州の権限の増大による国家分裂の危機の可能性を危惧する。それを回避するためには、諸外国に見られるように、国家と道州の政治体制の均衡を重視することが必要である。


桝屋 敬悟君(公明)

  • 三位一体改革等、一連の地方分権改革の集大成として、92条を改正して「地方自治の本旨」を明確化し、地方分権一括法に規定された国と地方の関係等を「地方自治の本旨」の中に整理していくべきである。
  • 税財政に関する基本原則を憲法に明記すべきである。
  • 憲法に基礎的自治体と広域自治体の二層制を規定して初めて道州制の導入が可能になる。その場合にも、道州に立法権や司法権を与えることまでは認められない。


船田 元君(自民)

  • 財政の健全化に関するプログラム規定を憲法に規定すべきであるが、その場合にも景気対策などの財政出動には柔軟に対応すべきである。
  • 財政の健全化の立場から予算単年度主義は原則として維持すべきであるが、国会が承認した場合などについては、これを限定的に緩和してよい。
  • 「地方自治の本旨」の内容とされる団体自治と住民自治では、前者を重視すべきである。住民投票は、住民と議会の意思の乖離を生じさせる場合があり、その効果は万能ではない。両者のバランスをとることが重要である。


中川 正春君(民主)

  • 89条と公益法人改革との関係について整理する必要がある。
  • 規範制定という分野では、地方への権限移譲は進展していない。


鹿野 道彦君(民主)

  • 財政赤字が膨大となっており、財政健全主義の基本的な考え方を憲法上に規定すべきである。
  • 91条に基づく財政に関する情報の提供は、国民にとってわかりやすいものとするという文言を憲法上明記し、国民が痛みを感じ、自ら判断できるようにすべきである。
  • 会計検査院の検査報告を内閣を経由することなく、直接国会に提出することとするなど、会計検査院と国会の活動をリンクさせていくべきである。
  • 92条の「地方自治の本旨」の表現は曖昧であり、解釈が恣意的になされていることから、真の分権を行うため、国と地方の役割を明確に規定すべきである。


鈴木 克昌君(民主)

  • 戦後の官僚主導による中央集権体制は、地方の中央への依存心を生み、自己責任の意識を持ちにくくさせてきたほか、地方の行財政、人事上の権限の範囲を曖昧なものにしており、改革の必要がある。
  • 道州制は、行政改革を進める中で不可避の改革であり、道州の首長の権限、選出方法についても検討すべきである。また、都道府県の在り方も検討すべきである。
  • 第8章は、わずか4ヵ条しかなく、また、多くを法律に授権していることから、道州制を視野に入れつつ、分権を進めるように改正すべきである。


柴山 昌彦君(自民)

  • 健全財政主義をプログラム規定として憲法に明記すべきである。
  • 予算審議の実質化のためには決算審議の充実が重要であり、これに資する会計検査院及び決算行政監視委員会の機能強化、決算行政監視の外部委託等が必要である。
  • 予算単年度主義は、前例踏襲による硬直化や年度末の駆け込み的な執行等の弊害があることから、5ヵ年計画などの積上げ方式により、真に必要な予算を作成すべきである。
  • 89条は、公費の濫用を防止するための規定である。しかし、公費による一定の助成が必要な団体や教育は現実に存在することから、同条を改正すべきである。
  • 我が国の現状から、連邦制への移行は難しい。道州制の導入は、現行憲法でも可能であるが、憲法上明記した方がよい。
  • 92条の「地方自治の本旨」の内容として、補完性の原則についても規定すべきである。
  • 地方交付税は、地方自治体間の水平的財政調整の制度とすべきである。


大出 彰君(民主)

  • 89条が曖昧だという議論があるが、現状のままでも不都合はない。私学やNPOに対しては、国は支援するが、コントロールすべきではない。
  • 納税に関しては、義務規定としてではなく、より能動的・民主的に、納税者の権利として規定すべきである。
  • 国民や国会の財政統制を実質化するために、財政情報を分かりやすく提供すべきである。また、特別会計等の整理も検討すべきである。
  • 米国の議会予算局(CBO)を我が国にも導入し、決算から予算へのフィードバックを確保するため、米国のGAOに倣って会計検査院の機能強化を図るべきである。
  • 92条の「地方自治の本旨」の解釈に当たっては、地方自治体の課税自主権を重視すべきである。


山花 郁夫君(民主)

  • 中央集権的な我が国の制度を改善するために、補完性の原則をとり入れる価値がある。
  • 道州制の導入により国の力が弱まるおそれを指摘する見解もあったが、現状では国の事務とする必要のないものが多いので、地方でできることは地方で行い、国は外交や安全保障に力を集中すべきである。
  • 条例における罰則規定については、罪刑法定主義の趣旨を尊重しつつ、条例の実効性を担保しうるようにすべきである。


赤松 正雄君(公明)

  • 憲法改正を要するか法律による対処が可能かを考えて憲法改正の優先順位を検討すると、私学助成は法律による対処が可能であり、89条改正の優先度は低い。


保岡 興治君(自民)

  • 道州制の導入について議論する際には、国の統治の在り方も併せて議論すべきである。国は、外交や安全保障のほか、国が主導性を発揮して戦略的な対応をする必要がある経済、教育などについても、その役割を果たすべきである。
  • 道州制の下では、基礎的自治体間で広域調整を行うだけでなく、経済単位としての道州が相互に競い合って国力を最大化させることが重要である。
  • 伝統を大事にし、生活の幸せを実現するため、補完性の原則の下で、コミュニティを社会の単位として憲法に位置付けることが重要である。


辻 惠君(民主)

  • 地方分権の実現は、制度という形式的部分の議論より、各地域の歴史、伝統、文化を大事にし、幸せや「共に生きる」という実質の部分の実現が大事であって、そのためには、コミュニティが重要である。
  • 「共に生きる」ために、在日外国人の地方参政権を実現すべきである。
  • コミュニティの中において十分な議論がなされるように、情報公開制度や住民投票などの直接民主制的な制度を活用すべきである。
  • 住民自治を重視すべきであり、その実現のための制度として団体自治が位置付けられる。


稲見 哲男君(民主)

  • 地方自治体には、国法の執行という面と、住民に密着した事務を行うという面がある。今後は後者の飛躍的な推進が求められることから、92条の「地方自治の本旨」をより明確に規定すべきである。明確化に当たっては、国と地方の権限配分や住民参加を規定すべきである。
  • 地方自治体としての固有のスタンスを、自治基本条例等の条例に規定すべきであり、このような条例制定の方向付けを憲法に規定すべきである。
  • 地方に課税自主権を認める際、財政保障機能は縮小するが、財政調整機能は必要である。調整は総務省ではなく、地方自治体間において行うべきであり、「共同税」のようなものが考えられる。また、課税自主権を憲法に明記すべきである。


中川 正春君(民主)

  • 地方分権を達成するために、道州は、調整機能だけではなく立法権を持つ必要がある。具体的には、現在の政省令を条例に書き換えていくことが考えられる。ただし、司法権については、国柄にそぐわないことから国に帰属したままでよい。
  • 補完性の原則に従って基礎的自治体やコミュニティを重視する観点から、地方の課税自主権を認めていく必要がある。その際、団体自治と住民自治の両面に留意すべきである。


加藤 勝信君(自民)

  • 財政健全化条項を憲法上明記すべきである。
  • 内閣に予算編成権があることを前提としつつ、国会による予算の修正を可能とすることを明記すべきである。
  • 地方分権は積極的に進めるべきであり、地方の課税権限を明確にすべきである。また、国の責任として地域間格差の是正を図るべきである。その際には、透明性を高め、国が地方をコントロールすることがないようにする必要がある。
  • 道州制については、論者によりイメージが異なっている。基礎的自治体の役割を国との関係から捉えることが必要である。その際には、コミュニティの機能の維持、活用、基礎的自治体の運営の自由度の確保の方向で考えるべきである。
  • 私学助成については、憲法上の疑義を払拭するため、89条を改正すべきである。


柴山 昌彦君(自民)

  • 我が国の伝統、文化等を尊重し、コミュニティを重視すべきである。そのことにより、公金支出に関する判決の不統一を回避できる。
  • 道州制を導入した際、道州の首長が強力な権限を持ち得ることから、その首長の多選を禁止すべきである。


保岡 興治君(自民)

  • 公会計の改革などにより財政に関する情報を適切に開示し、国民による財政統制を実質化することを憲法に明記すべきである。
  • 完全な財政均衡主義をとるべきではないが、国及び地方財政の健全化についてのプログラム規定を憲法に置くべきである。


永岡 洋治君(自民)

  • 国と地方の健全財政に関する規定を憲法に明記すべきである。
  • 予算単年度主義を緩和し、財政の透明性や政府の説明責任を高めた上で、5ヵ年計画など中長期的な予算編成を可能とした上で、単年度ごとに執行することとすべきである。継続費について憲法に明記すべきである。
  • 92条の「地方自治の本旨」の内容を明確にすべきである。その場合、補完性の原則、課税自主権、地方財政の健全化を憲法上明記する必要がある。


吉井 英勝君(共産)

  • 私学助成制度については、政府見解、学説、判例はいずれも合憲としており、違憲説は妥当ではない。

<枝野委員の発言に関連して>

  • 89条と9条の解釈について、前者は人権の拡大に関する規定であるので緩やかに解釈し、後者は公権力を拘束する規定であるので厳格に解釈することは当然である。

<発言>

  • 地方自治の改革について、現状の問題点は、憲法に起因するものではないことから、憲法を生かした改革を行うべきである。


枝野 幸男君(民主)

<吉井委員の発言に関連して>

  • 89条も公費支出の制限という公権力に対する制限規範である。
  • 教育を受ける権利は重要であるが、私学ではなく、私学に通う生徒及びその親に対して助成を行えばよい。私学助成が必要ならば、89条を改正する方がよい。

<発言>

  • 戦前から続く、地方が中央の事務の下請けをするという現状にメスを入れ、誤った階層意識を改めない限り、真の分権は望めない。
  • 広域自治体と基礎的自治体の役割分担を決めることが重要であり、道州制の導入はその後の議論である。
  • 道州制を導入する場合、道州の権限・役割については憲法に規定すべきであるが、規模等については、柔軟に対応できるように、明記しない方がよい。
  • 道州制は導入すべきであるが、過度な期待を持つべきではない。道州に通貨・金融に関する権能等を与えることは想定できず、その場合、道州はマクロ経済政策を行うことができない。


土井 たか子君(社民)

  • 条例の持つ意義は大きい。条例は、法律の範囲内において定められることから、法律の上位規範である憲法に対する正しい認識がまず求められる。
  • 法律が規定されていない場合や不十分な場合について、条例を制定する自治体の役割は重要である。


早川 忠孝君(自民)

  • IT化、交通網の発達等による生活圏の拡大により、住民の帰属意識は薄れ、現在の地方制度を前提とした議論はできなくなる中で、住民の共通の利益が自治体の規模・組織を決める要素となるのではないか。
  • 新しい地方の構築が必要であり、道州制についても、今後の日本の在り方を踏まえつつ、その制度設計について大いに議論すべきであるが、そのために現行の地方自治の規定を改正する必要はない。


吉井 英勝君(共産)

  • 条例による商店街の保護が大店法により制約されている例に見られるように、法律による条例制定権の侵害こそが問題である。本来、憲法に則って法律を制定すれば、解決できる問題である。


三原 朝彦君(自民)

  • 財政健全化は喫緊の課題であり、憲法に規定を設けるべきである。
  • まず地方分権を行い、ナショナル・ミニマムをどうしても達成できないところについてのみ国が補助を行うようにすべきである。


山名 靖英君(公明)

  • 地方債の増大に歯止めをかけ、地方の税財政の充実を確保するため、憲法に地方財政の健全化に関する規定を設けるべきである。


土井 たか子君(社民)

  • 道州制の導入や合併によって地方の国からの独立性は増すが、住民との距離は遠くなる可能性がある。都道府県制は定着しており、また、広域的な行政需要には広域連合で対応することが可能であるので、現行の二層制を維持しつつ、地方分権を進めるべきである。

《司法・改正・最高法規等》

●各会派一巡目の発言の概要

河野 太郎君(自民)

  • 従来9条が解釈改憲されてきたことを反省し、憲法自体を改正すべきである。
  • 憲法改正の要否にかかわらず、憲法改正のための手続法を早急に整備する必要がある。
  • 憲法改正の要件を緩和することには、賛成できない。
  • 憲法改正の国民投票は、政権選択のための国政選挙と切り離して行われるべきである。
  • 本調査会が憲法改正が必要であるとの提言をまとめた場合には、これを具体化するための組織をつくる必要がある。ただ、憲法に関する常任委員会を設ける必要はない。
  • 内閣法制局があたかも有権解釈権を有しているかのような現状を改め、しっかり違憲審査のできる司法制度をつくり上げなければならない。
  • 本来憲法が予定する法曹一元化をしっかり議論し、必要ならば改革に向けた作業に入るべきである。
  • 最高裁が最終的に違憲審査を行う以上、最高裁裁判官の国民審査制度は必要だが、現状の国民審査制度は形骸化しているため、信任・不信任の意思を明確に問う制度にしていかなければならない。
  • 憲法は最高法規であり、条約を担保するための国内法は憲法に違反できないという限りにおいて、憲法に違反する条約は締結できない。


山花 郁夫君(民主)

  • 最高裁の違憲審査の姿勢は司法消極主義と言われるが、憲法問題として取り上げるか否かの段階では、付随的審査制から、止むを得ない。ただ、憲法問題を取り上げた場合に違憲判断を積極的に行うか否かの段階では、その運用に問題がある。法の支配の徹底のために、憲法上の根拠を有する憲法裁判所を設置すべきである。
  • 最終的な憲法判断の所在を明確にした上で、例えば議会に憲法判断を行う憲法委員会を設けることも検討に値する。
  • 法案審査の際の合憲判断は、国会が行うべきで、そのためには議院法制局の強化が不可欠である。
  • 自由権に関する違憲訴訟であれば、当該法律等を違憲無効とすれば済むが、国務請求権等の場合、当該法律等を違憲無効としただけでは、問題の根本的な解決にならず、憲法救済法的なものが必要である。
  • 現行憲法の下では、違憲判決の効力に立法改廃の義務付けを認めることができず、認めるためには憲法改正が必要である。
  • 憲法改正の国民投票法を考える際には、イニシアチブを国民に持たせることも考えるべきである。


大口 善徳君(公明)

  • 我が党は、現行憲法は優れた憲法であり、憲法保障制度も基本的に維持すべきと考えている。
  • 司法消極主義に傾いている現在の最高裁判所の在り方を改善することが重要であり、憲法裁判所の設置までは必要ない。
  • 最高裁判所裁判官の任命について、選任過程の透明性を確保すべく、最高裁判所裁判官任命諮問委員会を設置すべきである。
  • 裁判員制度は、国民の司法に対する関心を高め、違憲審査権や最高裁裁判官の国民審査制度の活性化に寄与する。
  • 96条の「総議員の3分の2以上の賛成」の要件は、憲法改正の重みから妥当である。
  • 国民投票の際には、選挙人名簿を投票人名簿とすべきである。また、国政選挙と同日に行うことには慎重であるべきである。
  • 96条2項の「この憲法と一体を成すものとして」との表現は、米国憲法のアメンドメント方式が基本にあり、我が党の主張する「加憲」は極めて現実的である。
  • 憲法は条約に優位するが、現行憲法が定める国際協調主義の精神を徹底させるべきである。なお、EU加盟各国のような国際機関への主権の一部移譲も将来的には検討に値する。
  • 公務員に加えて国民にも憲法尊重擁護義務を課すことは、法の支配の観点から否定すべきである。


塩川 鉄也君(共産)

  • 日本国憲法は、明治憲法下の侵略戦争と人権侵害の反省から、人権保障と憲法保障を目的とする違憲審査制を導入した。付随的審査制は、具体的事件に即したきめ細かな判断を可能とする制度である。
  • 法令違憲判決が少ない原因は、司法官僚制ともいうべき、最高裁判所の強い統制と内閣の最高裁判所人事の政治的利用にあり、これらを改善しなければ、憲法裁判所をつくっても、政府の違憲行為に合憲の判決を与えるだけで司法消極主義の解消にはつながらない。
  • 96条は、憲法の安定性と可変性の両方を示すものである。この点、憲法改正のための国民投票を改正要件から外そうとすることは、国民から憲法制定権を奪うことにつながり、憲法改正の限界を越えるものである。
  • 憲法改正のための手続法の未整備は、「立法の不作為」とする意見があるが、「立法の不作為」とは、国家賠償訴訟で用いられる用語であるし、その要件も満たしていない。
  • 憲法改正により、直接民主制の制度の導入を唱える見解があるが、95条が政府によりないがしろにされてきたことに着目すべきである。また、住民投票は住民の意思を地方政治に反映させる重要な制度であり、早急に法律を整備すべきである。
  • 99条の憲法尊重擁護義務からすると、本調査会において憲法違反の実態がないか調査することが重要である。
  • 公権力に向けられた制限規範である憲法について、国民にも憲法尊重擁護義務を課すよう改憲すべきとの意見があるが、これは、逆立ちした議論である。


土井 たか子君(社民)

  • 96条から憲法は改正を予期しているといえる。しかし、96条は「改正」のための規定であって、「改悪」のための規定ではない。
  • 96条の改正要件の緩和は、硬性憲法の法理上許されず、98条、99条にも違反する。また、憲法改正の際の国民投票を憲法改正の手続要件から外すことは、国民主権原理の否定という憲法改正の限界を越えるものであり、許されない。

●各会派一巡後の発言の概要

早川 忠孝君(自民)

  • 「司法」の章については、基本的に、現在の憲法の規定を早急に改正する必要はないと考える。
  • 76条2項の特別裁判所の禁止については、社会状況等の変化に対応するため、専門裁判所の設置等について検討する必要がある。
  • 現在の最高裁裁判官国民審査制度は、形骸化しており、改善すべきである。
  • 79条6項には、裁判官の報酬減額禁止規定が存在するが、現実には減額しており、見直しを検討すべきである。
  • 専門的知識を有する非常勤の裁判官の活用を憲法の制度として位置付けることについて検討すべきである。
  • 裁判員制度と32条の裁判を受ける権利の関係については、司法制度改革の議論の中で、議論し尽くされており、問題はない。
  • 81条は、最高裁判所が終審裁判所であるとしか規定していない。法令審議の段階で合憲性を審査する憲法院のような制度を国会に設けること等も検討されるべきである。


船田 元君(自民)

  • 内閣法制局の憲法問題に関する見解については、政府内における憲法解釈に限定して用いられるべきであるにもかかわらず、その範囲を越えて影響力を持っており、これに国会等も縛られることは問題である。
  • 本来、憲法解釈は最高裁判所でなされるべきであるが、裁判所が抱える膨大な訴訟量と統治行為論による憲法判断回避にかんがみれば、最高裁判所憲法部又は憲法裁判所を設置すべきである。この点、個別事案と憲法裁判の乖離は望ましくなく、最高裁判所憲法部の設置が望ましい。
  • EU加盟各国にみられるように、立法等の憲法の適合性判断を第一次的になす憲法委員会を国会に設けるべきである。
  • 憲法改正のための国民投票は、争点があいまいになることを避け、憲法問題の政治的利用がなされないように国政選挙とは別に行うべきである。その際、事前運動は、自由に行われるものとし、投票人名簿は、国政選挙と同一のものを用いるべきである。


中川 正春君(民主)

  • 従来のように、過去からの延長線の上でその場しのぎの政策を展開するのではなく、憲法裁判所を設置し、その憲法判断を基本に据えながら、国家意思を形成していくことが望ましい。
  • 憲法改正に3分の2以上の賛成を要するとしていることは、事実上、会派間のコンセンサスを求めるもので、憲法改正論の政治化を避ける意味もあり妥当である。
  • 憲法改正の国民投票は、改正事項ごとにその賛否を問うべきである。また、国民が的確な判断を下せるような工夫をすべきである。


葉梨 康弘君(自民)

  • 司法が憲法判断を下すことに消極的な現状等をかんがみれば、憲法裁判所の設置は必要と考える。ただし、憲法裁判所を機能させていくためには、(a)公開で公正な運営の確保、(b)裁判官の人事についての工夫、(c)事前審査を行う機関の国会への設置が必要である。
  • 自衛隊の憲法への明記に伴って軍事裁判所の設置が必要となるとの意見があるが、ドイツの例にも見られるように、必ずしもその設置が必要なわけではない。
  • 真に政権を担おうとする意思をもつ政党間で具体的な国のすがたについて合意点を模索する習慣が形成されるならば、憲法改正に3分の2以上の賛成を要するとしていることは、我が国の将来の生き残りにとって障害とならない。


枝野 幸男君(民主)

  • 憲法改正に3分の2以上の賛成を要するとしていることが、憲法改正を今日まで妨げてきたわけではない。また、憲法とは公権力行使のルールを示すものであり、政権交代のたびに改正されるようなものではない。その意味で、憲法を幅広い合意の下におけるルールたらしめるべく、憲法改正に3分の2以上の賛成を要するとしていることは、妥当である。
  • 憲法改正の手続法についても、上記のような認識を共有できる政党があれば、真摯な協議によって、国会における幅広い意思の下に早期に制定することは望ましい。他の政党においてその意思があれば、協議の用意がある。
  • 司法の現状の問題点として、裁判官と検察官の人事交流(判検交流)は、身分保障体系の全く異なる裁判官が検察官や法務省事務官として出向することを意味し、司法の独立の趣旨に反するものではないか。


柴山 昌彦君(自民)

  • 憲法改正の手続において最も肝心なものは、国民投票である。憲法改正のための国会の発議要件が厳格であることは、国会の国民に対するアクセスの機会を不当に狭めるおそれがある。
  • 司法の現状が憲法判断に消極的であることは認めざるを得ないが、付随的違憲審査制は、人権保障の上で個々の事例によって細やかな判断を下すことができるものであり、そうした観点からは、憲法裁判所の設置には消極的である。むしろ、国会に憲法問題に関する常設の委員会を置くべきである。
  • 判決の傍論で憲法判断を述べるべきではない。憲法判断を述べる傍論部分を争う上告を認めるということも、検討すべきである。また、憲法判断を迅速に行い得るよう、最高裁判所に憲法部を設置すべきである。
  • なお、憲法の禁じている特別裁判所の設置とは、最高裁判所を頂点とする司法系統とは別系統の裁判所を設置することであり、同一系統内で専門の裁判所を設置することをも禁じるものではない。


山花 郁夫君(民主)

  • 憲法裁判所による違憲審査制を導入した場合、憲法判断が具体的な事案から乖離してしまうのではないかとの指摘がなされることがあるが、制度設計次第では、韓国の例に見られるように、人権保障をより効果的に行うことが可能となる。
  • 憲法改正のための国民投票法の制定に否定的な立場は採らないが、この国民投票は、国政選挙とはまったく異なる投票である。また、国民投票の結果改正された憲法の下で生きていくこととなるのは、若年世代の国民である。この点にかんがみれば、国民投票における有権者は、例えば、義務教育修了以上の者とする等の工夫が必要である。


早川 忠孝君(自民)

  • 憲法制定時に予想されていなかった準司法機関の在り方について検討する必要がある。
  • 憲法改正論議に当たっては、憲法改正の目的を国民の利益に資する国家の基本的なルールの確定に設定して議論すべきである。例えば、憲法改正手続が厳格であるために国民の意思を問う機会が閉ざされるおそれがあり、憲法改正手続条項の見直しはあり得る。
  • 憲法尊重擁護義務は、国民も対象にすべきである。


辻 惠君(民主)

  • 憲法制定権力は国民にあるが、どのような改正でもできるわけではなく、憲法改正には限界がある。その意味で、憲法の硬性は、この限界を守る機能も有しており、そこに各国において硬性憲法が維持されている理由が存在する。
  • 憲法改正の喫緊の必要性のない現状において、国民投票法の制定を先走って行うという見解には与することができない。
  • 司法消極主義をどのようにして克服するかについては、司法が機能しない状況の原因の一つが法曹養成制度にあり、その改革が必要である。


土井 たか子君(社民)

  • 81条は、最高裁判所のみに憲法適合性を「決定する権限」を与えており、最高裁判所は憲法裁判所的役割も付与されている。しかし、実態はそうはなっておらず、大切な問題であればあるほど憲法判断を回避する傾向にある。それは、さまざまな要因によるのであって、単に憲法裁判所を設置したからといって問題が解決するとは思われない。問題解決のためには、すべての者が99条の持つ意味を重く受けとめることが必要である。


野田 毅君(自民)

<枝野委員の発言に関連して>

  • 枝野委員の「総議員の3分の2という発議要件が憲法改正を阻害していたのではなく、国民が憲法を容認するなどの種々の状況があったため憲法改正が行われなかった」という発言については、我々の先輩たちは改正への努力を決して怠っていたわけではなく、様々な努力をしたが当時の政治状況の中でいかんともすることができなかったのだということを認識しなければならない。
  • 憲法改正の発議のための両議院の総議員の3分の2という要件は、最終的には国民投票にかけられるのだから、緩和してもよい。


柴山 昌彦君(自民)

  • 現在の司法制度の中で司法を機能させるための改革を行うためには、司法の官僚化を改めることが必要であって、法曹養成制度の改革が必要である。
  • 最高裁裁判官の国民審査が形骸化していると言われるが、任命の際、候補者が最高裁裁判官にふさわしい人物かどうかを審査する機関を参議院に設けることもあり得る。
  • 憲法と現実の乖離の最たる例として、裁判官の報酬の減額禁止が挙げられるが、このような乖離を解消するためにも、早急に憲法を改正する必要がある。


保岡 興治君(自民)

  • 裁判所に違憲審査を積極的に行わせるには、現在の職業裁判官制度では限界がある。憲法裁判所を設置し、その裁判官を内閣・国会・裁判所が推薦して決めるような仕組みを検討すべきである。
  • 行政・立法・司法の三者の緊張関係を作っていくためには、政治的な問題についても違憲判断を行うことのできる憲法裁判所が必要である。
  • (a)憲法裁判所の導入に伴い増加が予想される違憲判決に対して、国会が的確な判断を行う必要があること、(b)憲法制定権力を有する国民の意思こそが重視されなければならないことから、憲法改正の国会の発議要件を緩和すべきである。


鹿野 道彦君(民主)

  • 我が国が司法国家として歩み、国民との間に信頼関係を築いていくためにも、憲法裁判所を導入すべきである。なお、導入に当たり慎重に検討すべき点として、(a)裁判官の人選の在り方、(b)提訴権者の範囲が挙げられる。
  • (a)国民の価値観が多様化する中で、さまざまな意見を反映させる手段、(b)国民が自らの責任により決定する力をつけさせる手段として、一般的な国民投票制度の導入を検討してもよい。ただし、導入に当たっては、代表制民主主義と対立することのないように、国民投票の対象範囲について一定の限界を設ける必要がある。


葉梨 康弘君(自民)

  • 先ほど、現状の憲法改正の国会の発議要件が憲法改正の障害とならないと述べたのは、政権を取る意思のある政党は、具体的な憲法改正の話合いに参加するはずであり、その結果一度でも改正が行われれば、その話合いなどのルール作りがなされると考えるからである。
  • ただし、二院制の下においては、各院で発議要件を異なるものとすることを検討してもよいのではないか。
  • 総選挙前に各党が憲法草案を提示することにより、選挙を通じて国民の意思を把握し、選挙後の憲法改正の話合いの材料とすることも考えられる。


永岡 洋治君(自民)

  • (a)付随的違憲審査制度の場合、裁判にならないと法令の憲法適合性が明らかにならないこと、(b)司法消極主義と言われる最高裁の違憲審査制度の現在の運用では憲法による規範的統制が不十分であることから、憲法裁判所を導入すべきである。
  • 現在の最高裁裁判官の国民審査は形骸化しているため、廃止すべきである。ただし、憲法裁判所裁判官の再任の際には、国会の承認を要するものとすべきである。
  • 憲法裁判所の原告適格を幅広く認めると、真に憲法適合性の判断が必要な事案に十分対応できなくなるおそれがあるため、一般国民には認めずに、例えば、国会議員の3分の1以上の提訴によるなどとすべきである。
  • 憲法裁判所の導入が困難である場合には、次善の策として、最高裁判所に憲法部を設けることも検討すべきである。


保岡 興治君(自民)

  • 憲法改正に当たっては、現行憲法が有する普遍的な原理を進化・発展させるという姿勢が必要である。
  • 裁判官が司法を国民に伝える、また国民の常識・良識を司法に伝えるという「司法の民主化」を進めるために、司法への国民参加を憲法に謳うべきである。


鹿野 道彦君(民主)

  • 国務大臣が憲法改正を示唆する発言をしたことで辞任に追い込まれるという事態がかつてはあったが、99条の憲法尊重擁護義務を負うことと憲法改正に関する発言をすることは分けて論じられるべきである。


枝野 幸男君(民主)

<野田委員の発言に関連して>

  • これまでの政治が、憲法改正を望まない社会状況・政治状況に配慮して憲法改正の動きに踏み出せなかったことは事実であったと考える。

<葉梨委員の発言に関連して>

  • 両議院の総議員の3分の2の賛成を得るためには、現実には与野党が合意をする必要がある。しかし、各党がマニフェストにその憲法改正案を掲げて戦うとすると、次の総選挙までそのマニフェストに拘束され、合意が難しくなってしまう。むしろ、憲法問題をマニフェストのような総選挙の争点にすることは望ましくないのではないか。
  • ただ、当該憲法改正に反対であるが国民投票に問うこと自体は賛成であるという立場の議員も発議の賛成者に加わることが仮に認められるとするならば、総選挙の争点に憲法問題を掲げることも有益である。
  • 参議院においても総議員の3分の2の賛成を必要とするとの要件は厳しいものであり、検討の余地はある。


葉梨 康弘君(自民)

<枝野委員の発言に関連して>

  • 総選挙の時点で争点にするという意味ではなく、政権を担いうる政党同士が合意の道を探る一方で、総選挙の前までに自らの憲法改正案を提示して総選挙を戦う必要があるとの意味で発言したものである。


枝野 幸男君(民主)

<葉梨委員の発言に関連して>

  • 総選挙の際に、憲法改正について異なる政党間でコンセンサスを得る可能性がある旨を提示するということであれば建設的な話になるのではないか。


土井 たか子君(社民)

  • この場で二大政党の委員の間で憲法改正について論じられているが、憲法調査会はあくまでも、日本国憲法について広範かつ総合的な議論を行うことが目的であって、その趣旨から外れる議論ではないか。


中川 正春君(民主)

  • 総選挙の際に、憲法改正に関する政党間のコンセンサンスについて表明する程度であればよいが、さらに進んで逐条的な議論をするとなれば両者の動きを縛る結果になるのではないか。