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平成十二年十月十三日提出
質問第一三号

諫早湾水門閉め切りによる沿岸漁業への被害対策に関する質問主意書

提出者  小沢和秋




諫早湾水門閉め切りによる沿岸漁業への被害対策に関する質問主意書


 国民の大きな批判を無視して諫早湾の水門が閉め切られてから約三年半が経過した。当初、この事業は周辺の水域にはほとんど影響を与えないかのような説明が繰り返されてきたが、諫早湾が閉め切られて以降、明らかにその影響と見られる変化が特に有明海における漁業の水揚げ高に見られるようになっている。
 そもそも有明海は、干満の差が六メートル以上もあり、独特の干潟や粘土質のために希少な底生動物をはじめ特徴ある魚介類を育んでおり、周辺漁民は潜水漁業や海苔養殖などで生計を立てている。しかるに、私が現地を調査したところ長崎県境にある佐賀県太良町大浦の漁業関係者は、「諫早湾が閉め切られてから、潮の流れが変わった」「調整池に貯められている海水が河川から排出される汚水と混ざり、ヘドロのような泥水となって悪臭を放っていてこれが時折水門から放出されるため、魚介類が育ちにくくなっている」「諫早湾が閉め切られる前には、産卵のために数多くの魚が集まってきていたが、今では魚が寄りつかなくなった」「タイラギ(貝柱を食用とする貝)がようやく育ち始めたかと思っていると、海底でヘドロが貝を覆ってしまい、酸欠状態となるため育たない」「四代続けて潜水漁業をやってきたが、これでは後継者がいなくなってしまう」等と切実な声をあげ、水門の開放をつよく要望していた。
 現に同漁港の水揚げ高をみると、クルマエビは一九九〇年の四一トンから九八年の三六トンに減少、竹崎カニの名で知られるガザミは九〇年の三二六トンから九八年の一八六トンに激減、アゲマキ貝は九〇年の五〇〇トンに対し九五年以降は〇トンと皆無の有様である。シタビラメやスズキ、コノシロなども同様に減少している。
 これは、古くから「魚介類の宝庫」であった有明海の由々しき現況を示すものであり、見過ごしておける問題ではない。「宝の海」とよばれる有明海の漁業の今後の振興をはかっていくために政府の善処をつよく求めるものである。
 そこで、次の事項について質問する。

一 有明海沿岸における漁業の現況、特にこの一〇年間の水揚げ高の変動及び諫早湾水門閉め切り後の状況の変化をどのように把握しているか。変化の原因をどう考えるか。
二 九州農政局が昨年度から行っている有明海域調査は、どのような調査を実施しているのか、結果から何がわかっているのか。具体的に示されたい。
三 有明海における海域調査の場所を増やし、引き続き状況の変化がわかるよう緻密な調査をするべきと考えるが、政府はどう考えるか。また、生態系の変化についても詳しく調査をするべきと考えるが、どうか。
四 有明海における各種魚介類の水揚げ高の急減に対し、水産庁は同海域における漁業振興のためにどのような施策をとるのか。
五 諫早湾干拓地造成事業の再評価の際、関係団体として有明海沿岸各県や漁業協同組合などの意見も聴取すべきと考えるが、どうか。
六 大浦、小長井、島原などの漁民は現在の段階で諫早湾の水門を開放すれば、およそ三年で有明海はもとのようによみがえると訴えている。有明海の漁業振興と環境保全、わが国の食料自給率の向上のためにも無謀な諫早湾干拓事業は中止し、水門を開放すべきと考えるが、どうか。

 右質問する。



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