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平成十二年十一月三十日提出
質問第六六号

スティーブンスジョンソン症候群に関する質問主意書

提出者  保坂展人




スティーブンスジョンソン症候群に関する質問主意書


 スティーブンスジョンソン症候群とは、市販の風邪薬・頭痛薬・抗生物質・解熱剤をはじめとして、数千種類にも及ぶ薬剤によって引き起こされる深刻な薬害である。処方箋通りに薬を飲んだり、病院で点滴を受けるだけで、皮膚にかゆみ・腫れ・水泡が生じて激症の全身火傷状態となり、死亡事例もある。皮膚の炎症が回復しても、目が乾いて視力が低下し失明することもある。その発症確率は低いものの予防は難しく、誰もが被害にあうかもしれないおそろしい薬害を、このまま放置するわけにはいかない。
 誰もがその被害にあうかもしれないスティーブンスジョンソン症候群について、政府に重大事案であるとの認識を求め、かつ緊急対策を促すために、以下質問する。

一 スティーブンスジョンソン症候群についての基本認識について

 (1) スティーブンスジョンソン症候群とは何か。
 (2) スティーブンスジョンソン症候群が医師・看護婦・薬剤師等の医療従事者に認知されたのはいつか。
 (3) スティーブンスジョンソン症候群を生じる薬剤は何種類か。代表的な薬剤の具体名をあげられたい。またその「商品名、成分名、薬効分類」を示して欲しい。
 (4) スティーブンスジョンソン症候群の年間発症数を把握しているか。推定できる資料があれば、これを示して過去十年にさかのぼって答弁されたい。
 (5) スティーブンスジョンソン症候群の発症に関する性別比、年齢別構成、地域的偏在の実情はどうか。
 (6) 国民はどのような手段で発症報告についての情報を知ることができるか。現在インターネット上で公開されている発症報告が一九九七年以降に限られているのはなぜか。今後、過去のデータについても順次公開される予定なのか。

二 スティーブンスジョンソン症候群の国民への周知について

 (1) スティーブンスジョンソン症候群は、医療従事者以外の国民に認知されているか。また、同症候群に対する国民一般の認知を示したデータはあるか。
 (2) 義務教育までの教科書・副読本などでスティーブンスジョンソン症候群を記述している事例はあるか。あるいは、養護教員用の指導資料にはどうか。
 (3) 市販の風邪薬の使用注意書を熟読すると、スティーブンスジョンソン症候群の症状を想定させる「副作用」が記述されている。いつから、製薬会社がこのような注意書きを始めたのか。その理由は何だったか。また、なぜ「スティーブンスジョンソン症候群」の表記はないのか。
 (4) 過去十年間、スティーブンスジョンソン症候群を国民に周知するための政府の措置は行われたか。具体的に、いつ何を誰に対して行ったのか、またその予算について答弁されたい。
 (5) スティーブンスジョンソン症候群の国民への周知は、現状で十分か。

三 スティーブンスジョンソン症候群の予防、治療について

 (1) スティーブンスジョンソン症候群の有効な予防策はあるか。
 (2) 政府の考える予防策を講じても、なお発症する場合はあるのか。
 (3) 医療機関が、スティーブンスジョンソン症候群の症状だと正しく認識して治療にあたった場合と、原因特定をしないままの治療との間にどのような差異が生まれるか。また両者の間に差異が生まれないような措置をとったか。
 (4) 医師の診断の遅れが患者の、特に眼に、重篤な障害を残すとの医師や患者の指摘がある。皮膚科医のみならず内科医も初診で診断できる程度のスティーブンスジョンソン症候群の認識が現在医師の中にあるのかないのか。医師の認知を高めるために、どのような教育が行われてきたのか。
 (5) 薬剤によって被害を受けた患者側が、スティーブンスジョンソン症候群を認知している場合と、そうでない場合に事後どのような違いがでるか。
 (6) スティーブンスジョンソン症候群の後遺症とは何か。その治療のために有効な治療法を明らかにされたい。
 (7) 現在の治療効果と限界について明らかにされたい。また、近年注目される治療法はあるか。海外の研究例も含めて答弁されたい。
 (8) 製薬会社が新薬の治験等を行う場合に、スティーブンスジョンソン症候群発症の危険性についてどのように指導しているか。また、過去に治験により発症した事例を把握しているか。

四 コスモシンによるスティーブンスジョンソン症候群について

 (1) 一九八七年に厚生省から製造承認を受けたコスモシンにより、スティーブンスジョンソン症候群やTEN(中毒性表皮壊死症)の被害が相次いだのは事実か。
 (2) コスモシンについて厚生省はどのような行政指導を行ったか。その際の文面の詳細を明らかにされたい。
 (3) コスモシンによる被害状況の実態把握の結果はどうだったか。その結果をもとに、どのような救済措置を講じたか。
 (4) その調査結果を広く公表したか。また救済措置は十分だったか。

五 スティーブンスジョンソン症候群の被害者救済について

 (1) 有効な治療法も確立していないスティーブンスジョンソン症候群の被害者は、後遺症と生活苦にさらされている。その疾患に対し「難病」の認定はできないのか。
 (2) 特定疾患指定により、被害者の医療費軽減をはかり、病理の究明と治療法の開発を進めることはできないのか。
 (3) 医薬品副作用救済基金によって補償を受ける方法があるが、その認定を受けることの出来ない被害者の声がある。どのような場合に認定が不可能なのか。
 (4) 医薬品副作用被害救済制度について患者の多くが「事前には全く知らなかった」「発症して数年して初めて知った」というほど制度の認知度は低い。これを厚生省はどう受けとめるか。実際これまで厚生省はどのような周知努力をしてきたのか。何が不足していたと考えるか。
 (5) スティーブンスジョンソン症候群の後遺症のために視力が減退し、失明に陥る人々がいる。その際の治療策はあるのか。また失明した場合、角膜移植などは高額な治療費が必要と言われているが、どの程度の治療費がかかるのか。
 (6) 救済申請にあたっては、患者本人が原因薬の特定と因果関係の証明について義務を負う形になっている。患者にとって事実上、申請の障害となっており、失明状態の患者にはこの負担は非常に大きいが、改善の余地はないのか。
 (7) スティーブンスジョンソン症候群の被害者であり、後遺症と高額の医療費負担に苦しみながら、医薬品副作用救済基金の認定もかなわず放置されている事例があるが、制度的欠陥を露呈していないか。別途、救済の道はあるのか。
 (8) 働き手が被害にあいながら、現行制度では救済されず、生活保護を受ける状態に陥るか、或いは生活保護を受けたくても条件を満たさないために一切の救済の道が絶たれているケースがある。このような被害者を救済する手立てを講じる用意はあるか。
 (9) 一級・二級で、両眼の視力〇・〇八以下という医薬品副作用救済基金の認定基準は、被害者の側から「普段の猛烈な痛み」等も考慮に入れるべきだという声がある。どうか。
 (10) スティーブンスジョンソン症候群の患者の多くは、視力がたとえ〇・一でも矯正不可能である。しかも、その視力も体調や環境で大きく違うなど、極めて不安定なものである。救済認定においてこの点は考慮されないのか。考慮されないとすればそれはなぜか。
 (11) 一九八〇年(昭和五五年)以前の発症の場合、救済の道はあるのか。
 (12) 医薬品副作用救済基金の制度を知らず、自らの症状がスティーブンスジョンソン症候群であるとの認識を持たないままに、その後に重度の後遺症が現れた場合に救済の道はあるのか。
 (13) 過去にスティーブンスジョンソン症候群の症状を起こした際、診察した医師のカルテは医薬品副作用救済基金の認定資料として有効か。

六 スティーブンスジョンソン症候群についての製薬会社の説明責任について

 (1) バファリンが原因でスティーブンスジョンソン症候群を発症した事例はきわめて稀れにしかないのか。二〇〇〇年六月に製薬会社に問い合わせた被害者は「過去に一例しかない」との説明を受けているが、これは事実か。
 (2) スティーブンスジョンソン症候群の被害を訴えた被害者に対して、「今後、一切の事実を公表しない」という条件のもとに、口止め料を提示した製薬会社があると被害者は訴える。こうした事実があるか。確認できないとしたら、一般論で企業姿勢としてどのように評価するか。
 (3) 市販の風邪薬・頭痛薬・解熱剤など、きわめて身近な薬の使用上の注意に対して、「医薬品副作用救済基金」に対しての問い合わせ先を記載してほしいとの被害者の訴えがある。この基金について、多くの被害者が知らなかったとの声にどう答えるか。
 (4) 市販薬であれば、薬のパッケージの表の面に(添付文書内ではなく)記載ができないのか。処方薬であれば、患者に手渡す薬効の説明文書に記載を義務付けることはできないのか。
 (5) 多くの製薬会社が被害にあった患者に対し「会うこともせず対応しない」のは、薬剤の製造販売で利潤を得ている社会的企業としての、社会的責任を果たしていると言えるか。このスティーブンスジョンソン症候群について製薬会社が果たすべき社会的責任はどうあるべきか。
 (6) 薬剤によってスティーブンスジョンソン症候群の被害が生じている以上、制度上は救済の道がひらかれない被害者に対して、製薬会社が企業責任をもってその道をひらくべきではないのか。政府の見解を問う。
 (7) アメリカ、及びEU各国において、スティーブンスジョンソン症候群の被害者に対して製薬会社はどのような補償を行っているか。

七 緊急対策について

 (1) これまで、厚生省の担当官とスティーブンスジョンソン症候群の被害者との対話を数回、試みてきた。文書上の知識と実際の被害者の痛切な声に、胸詰まるものがあったに違いない。今、政府が緊急に対策を講じるべき点を具体的に示されたい。
 (2) その際、アメリカ・EU各国および北欧各国の事例を十分に参考にするべきである。日本同様に、ある確率でスティーブンスジョンソン症候群の被害にあった人々が、どのような治療を受け、また多額の入院・手術などに関わる費用と生活補償を受けているのか否かを、それぞれの国ごとに明らかにされたい。
 (3) 海外のスティーブンスジョンソン症候群に対しての救済の状況ならびに制度に照らして、日本で新たに検討できる事項は何か。
 (4) 政府は確率は低いとはいえ、国民全てにその発症の可能性があるといってもいいスティーブンスジョンソン症候群に対して、正確で明快な予備知識を周知する必要があると指摘してきた。来年度の事業で行えることを具体的に答弁されたい。
 (5) 政府はスティーブンスジョンソン症候群の被害の実態調査をする用意があるか。

 右質問する。



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