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平成十三年二月二十二日提出
質問第二八号

「秘密漏えい事件調査報告書」に関する質問主意書

提出者  金田誠一




「秘密漏えい事件調査報告書」に関する質問主意書


 昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件に関して防衛庁長官に報告するために取りまとめられた「秘密漏えい事件調査報告書」(平成十二年十月二十七日 特別調査チーム)の不明な点を明らかにするために以下質問する。

一 報告書四頁によると海自三佐は、平成十二年三月三十日、防衛研究所の所員となり、第一研究部第二研究室に配置され、国際法等に関する調査研究を担当することとなっていたが、「防衛大学校で『ゴルシコフとソ連海軍』と題する論文を学位授与機構に提出したものの、書き直しの上再提出の指導を受けたことから、この論文の作成に七月まで要しており、この間、防衛研究所での実質的調査研究を行うまでには至っていなかった」という。

 この報告が事実であれば、同三佐はこの期間防衛研究所所員としての職務を全うしていなかったことになり、自衛隊法第五十六条(職務遂行の義務)に違反するものと考えるが、政府の見解はどうか。

二 報告書五〜六頁は、海自三佐が「戦術概説(改訂第三版)」について不正に入手した経緯について報告しているが、以下の点について政府の見解を明らかにされたい。

 1 報告書を読む限り「秘」に指定されている同資料の漏洩の発端は、正規の手続きを経て同資料を保持していた幹部中級艦艇用兵課程学生の図書係がC一尉に貸したことであり、その後内部で複写が繰り返され、最終的にロシア駐在武官に手渡されるに至ったわけである。
 そこで以下の点を明らかにされたい。
 @ 最初にC一尉に同資料を貸した幹部中級艦艇用兵課程学生の図書係の行為は、自衛隊法第五十九条第一項(秘密を守る義務)に違反するものではないかと考えるが、政府の見解はどうか。
 A 図書係より同資料を借りたC一尉の行為には、自衛隊法第百十八条第二項に該当する行為が存在しなかったのか、政府の見解を明らかにされたい。
 B 同資料を貸した図書係及びそれを借りたC一尉の行為は、それぞれ自衛隊法第四十六条(懲戒処分)に触れるものと考えるが政府の見解はどうか。
 2 最初に同資料を不正に複写したC一尉からさらにB一尉、D一尉、E一尉及び同課程同期生五人が借り受け不正に再複写したのであるが、それに関し以下の点を明らかにされたい。
 @ C一尉は職務上の必要性からではなく、不正な手段によって保有した「秘」に指定されている同資料をB一尉、D一尉、E一尉及び同期生五人に貸し出したのであるが、この行為に法令上の問題は生じないのか、政府の見解を明らかにされたい。
 A さらに、不正な手段によって保有されていた同資料を借り受けたB一尉、D一尉、E一尉及び同期生五人に法令上の問題は存在しないのか、政府の見解を明らかにされたい。
 3 不正な手段によって保有した「秘」に指定されている同資料の提供をB一尉に依頼した学生長及びA一尉の行為に法令上の問題は存在しないのか、政府の見解を明らかにされたい。
 4 結果的にこの当時の幹部中級艦艇用兵課程学生の全ては不正に複写された同資料を受け取ったわけであるが、受け取ったこと自体に法令上の問題は存在しないのか、政府の見解を明らかにされたい。
 5 不正に複写された同資料を有していた総員十九名は、これを破棄したとのことであるが、こうした行為は自衛隊法第五十九条に違反する事実及び自衛隊法第百十八条第二項に該当する事実を隠蔽するものと言わざるを得ない。
 そこで証拠としてのこれらの資料を防衛庁が調査の過程においてなぜ保全し得なかったのか、その理由を明らかにされたい。
 6 「戦術概説(改訂第三版)」が「秘密保全に関する訓令」で「秘」に指定されていることは、報告書が認めるところであるので、同資料に関して以下の点を明らかにされたい。
 @ 「秘密保全に関する訓令」第二条第三項(1)に定める「管理者」の官職と氏名。
 A 同訓令第二条第三項(3)に定める「取扱者」の官職と氏名。
 B 同訓令第二条第三項(6)に定める「管理者又はその職務上の上級者から特にこれらの保管を命ぜられた者」の官職と氏名。
 C 同訓令第四条に定める「保全責任者」、「保全責任者の補助者」及び「臨時にその職務を代行する職員」それぞれの官職と氏名。
 7 同資料の漏洩が発覚した後の防衛庁の対応について以下の点を明らかにされたい。
 @ 「秘密保全に関する訓令」第九条第一項に基づいて取られた具体的な措置。
 A 同訓令第九条第二項に基づいて実行に移された事項。
 8 同資料が外国に漏洩したことから、当該秘密の非公知性は失われたものと考えるが、政府の見解はどうか。
 9 同資料の漏洩に関して「秘密保全に関する達」(昭和四十三年海上自衛隊達第七十六号)第七条の二に基づく報告が、海上幕僚長に対して行われたことと思われるが、そのうちの「事故が海上自衛隊その他に及ぼす影響」について明らかにされたい。
 10 同資料の漏洩について「刑事訴訟法」第二百三十九条第二項に基づき「その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」官吏又は公吏全ての官職と氏名を明らかにされたい。

三 報告書六〜八頁は、海自三佐が「将来の海上自衛隊通信のあり方(中間成果)」について不正に入手した経緯について報告しているが、以下の点について政府の見解を明らかにされたい。

 1 「将来の情報態勢のあり方」検討の取りまとめ作業を所掌していたF二佐は、他の所掌業務が繁忙であったことから、海自三佐が秘密文書等の取扱者には指定されていなかったことを知りながら、同三佐に当該取りまとめ作業を手伝わせることとしたということである。
 そこで、そうしたF二佐の行為は自衛隊法第五十九条第一項に違反するものではないかと考えるが、政府の見解はどうか。
 2 「将来の海上自衛隊通信のあり方(中間成果)」は、「指定前秘密(秘)」の表示はなされていたものの、本来であれば関係規則に基づき「指定前秘密(秘)」の登録、保管等の手続きをすべきであったが、それらがなされずG三佐のファイルに綴られていたとのことである。
 そこで、そうした手続がなされずにG三佐のファイルに綴られていた理由について明らかにされたい。
 3 「指定前秘密(秘)」の登録、保管等の手続きの内容を全て明らかにされたい。
 4 「R委員会資料ファイル」に含まれている資料のタイトル・発簡番号・日付・秘密区分のそれぞれを明らかにされたい。

四 報告書八〜九頁は、海自三佐がその他の秘密文書等について不正に入手した経緯について報告しているが、以下の点について政府の見解を明らかにされたい。

 1 海自三佐は第一術科学校に在校した際に、前年の課程学生から、試験対策用に作られた例題や模範解答等が記録されていたFDを借り受け、自己のFDに再記録し、数枚を自宅に持ち帰っていたが、その中に「秘」に相当する秘密文書が含まれていたとのことである。
 そこで「前年の課程学生」が秘密文書が記録されたFDを海自三佐に貸し出したのは、自衛隊法第五十九条第一項に違反するものではないかと考えるが、政府の見解はどうか。
 2 海上幕僚監部調査部調査課では、H三佐から秘密が記録されたMO一枚を借り受け、自己のMOに再記録し、転勤時に自宅に持ち帰っていたが、その中に「極秘」に相当する文書が含まれていたとのことである。
 そこでH三佐が秘密が記録されたMOを海自三佐に貸し出したのは、自衛隊法第五十九条第一項に違反するものではないかと考えるが、政府の見解はどうか。
 3 海自三佐が自宅に持ち帰っていた「極秘」に相当する秘密文書の写しは三十五点であり、「秘」に相当する秘密文書の写しは七十七点とのことであるが、その後の調査で明らかになったものを含めて海自三佐が持ち帰った秘密文書全てのタイトル・発簡番号・日付・秘密区分をそれぞれ明らかにされたい。

五 報告書によれば海自三佐がロシア駐在武官に渡したのは数十点の文書とのことであるが、それについて以下の点を明らかにされたい。

 1 それら文書のうち防衛庁の文書について全て明らかにされたい。
 2 それら文書のうち自衛隊法第五十九条で定める「秘密」に該当する文書があればそれぞれ明らかにされたい。

六 昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件に鑑み、防衛庁では「秘密保全体制の確立のために必要な措置について(通達)」(平成十二年防防調第五千五百十五号)を発出したが、その中で報告を求められた以下の実施状況の現状あるいは結果を明らかにされたい。

 1 臨時秘密保全検査の実施。
 2 現行の秘密保全手続、特に秘密区分の指定及び秘密文書等の複製、貸出し、破棄に係る手続の厳格な励行指導。
 3 秘密文書等の作成部数の限定、適時適切な破棄等秘密文書の削減の促進。
 4 退庁時及び超過勤務時の管理体制の強化。
 5 秘密保全に関する教育の徹底。
 6 各国駐在武官等との部外での接触状況に関する報告の実施。

七 昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件に鑑み防衛庁で制定された通達に関連して、以下の点を明らかにされたい。

 1 「秘密漏えい防止のための取扱い環境の整備等について(通達)」(平成十二年防防調第七千十二号)でいう「実施の細部」。
 2 「各国駐在武官等との接触について(通達)」(平成十二年防防調第七千十三号)でいう「実施の細部」。
 3 「情報保全業務の実施について(通達)」(平成十二年防防調第七千十四号)第十四の「この通達の実施に関し必要な事項」及び「小委員会の運営に関し必要な事項」。

 右質問する。



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