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平成十三年五月二十三日提出
質問第七二号

道路特定財源の見直しなどに関する質問主意書

提出者  原 陽子




道路特定財源の見直しなどに関する質問主意書


 小泉内閣の発足に伴い、総理を始め主要閣僚から、道路特定財源の見直しについて発言が行われ、社会的な議論が行われている。このような議論が活発化することは、聖域を設けずにあらゆる既得権益に切り込み抜本的な構造改革を進めることで国民生活を向上させていく上で不可欠であり、望ましいことである。
 しかし、議論の開始があまりに遅すぎたと言わざるを得ない。「道路整備緊急措置法(昭和三十三年法律第三十四号)」及び「道路整備特別会計法(昭和三十三年法律第三十五号)」が制定されたのは一九五八年で、東京オリンピックよりも以前のことであり、この法律に基づく道路整備五箇年計画は、現行計画で既に十二次を数えている。年率十%を超える経済成長を続けた時代を遙か彼方にかえりみる低成長時代に入った今日、法律の制定から既に四十三年を経過しており、制度の早急な見直しは不可欠である。
 よって、以下のとおり質問する。

一 道路特定財源の見直しについて、小泉総理大臣を始め、塩川財務大臣等、主要閣僚が国会等において相次いで発言を行っている。例えば、小泉総理は五月十四日の衆議院予算委員会で、道路整備に限定された道路特定財源について「聖域なく見直す方向で検討したい」と発言している。また、政府・与党は五月二十一日、ガソリン税などの道路特定財源の使途見直しを、経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)が六月末にまとめる「骨太の方針」に明記することを決めたとされる。

 (1) これらの発言は、内閣の総意であると認識してよいか。
 (2) 扇国土交通大臣は、五月十五日の閣議後の記者会見で、「私は早急に私自身の判断で結論を出していくつもりでございます」と発言している。また、五月二十二日の参議院予算委員会では、道路特定財源の見直しに関連し、「今月中に省内できちんと答えを出すように各局に指示した」と述べているが、道路特定財源の見直しは、国土交通大臣及び国土交通省が個人又は単独の判断で行うべきものではなく、内閣として政府全体で検討すべき課題ではないか。

二 「緊急措置法」、「臨時措置法」及び「特別措置法」という名称の法律は、本来、その名があらわすとおり、目的を達した場合には速やかに廃止されるべき性格のものである。ところが、実際に廃止されるものはごくわずかで、法律の時限が到来した場合に、機械的に五年あるいは十年と時限を単純に延長するものが多い。

 (1) 戦後から現在までに制定された「緊急措置法」、「臨時措置法」、「特別措置法」という名称の法律は何件あるのか。把握できる範囲で明らかにされたい。
 (2) (1)のうち、把握できる限りで現在までに廃止されたものを明らかにされたい。
 (3) (1)のうち、廃止されていないものについて、それぞれ期限の延長を行った理由を明示されたい。
 (4) 「緊急措置」「臨時措置」「特別措置」という名称にもかかわらず、長年にわたり同様の法的措置が継続されている。このような事態は極めて異常であり、早急に廃止をするか又は法律名を改正して通常の措置として定めるべきではないか。

三 道路整備緊急措置法第二条は、道路整備五箇年計画を「高速自動車国道及び一般国道並びに政令で定める都道府県その他の道路の新設、改築、維持及び修繕(以下「道路の整備」という。)に関する計画」であると定義している。また、道路整備特別会計法第一条は、「道路整備五箇年計画の実施に要する経費で国の支弁するものの財源に充てて行う道路整備事業」を道路整備緊急措置法に規定する「道路の整備」に関する事業(国が行うものや国が費用を負担するもの)と明記した上で、これらの事業に関する経理を明確化するために特別会計を設置すると定めている。

 (1) 法律上、道路整備五箇年計画に位置づけ、道路特別会計を財源として実施できる事業は、「道路の新設、維持及び修繕」に限られるという点について、政府の認識に違いはないか。
 (2) 以下の事業は、「道路の新設、維持及び修繕」に該当するのか。
 a) モノレール・新交通システムの整備
 b) 駐車場・自転車駐輪場の整備
 c) 道路の緑化
 d) 低公害車の燃料充填施設の整備
 e) 交通安全対策事業
 f) 電線共同溝の整備による電線類の地中化
 g) 光ファイバーの収容空間の整備

四 揮発油税、地方道路税、軽油引取税、自動車重量税及び自動車取得税には、暫定税率が適用されている。

 (1) 我が国において、過去から現在までに、これらの税の他に暫定税率が適用された税はあるのか。該当するものがあれば、そのすべてについて、税目、税収及び暫定税率を設けた理由を示されたい。
 (2) 暫定税率は、暫定というその名称から、「正式に決定するまで、仮に定めること。臨時の措置」(大辞林)であるべきはずであるにもかかわらず、長年にわたり同様の措置が継続されている。このような事態は極めて異常であり、早急に廃止をするか又は必要な法令を改正し通常の税率として定めるべきではないか。

五 政府は、第十二次道路整備五箇年計画による七十八兆円の投資が、一〇年間で七〇兆円の生産力を拡大するとともに、一三〇兆円の需要創出を果たし、GNPを二百兆円押し上げるとしている。

 (1) このような試算は、どのようなモデルに基づくものか、その名称と概要を明らかにされたい。
 (2) 当該モデルの開発者を、明らかにされたい。
 (3) 五年間で七十八兆円もの国民から徴収した巨額の税金を投入することが正当化されるためには、政府は、モデルの詳細な内容を国民に説明する責務を有し、その内容を公開すべきではないか。

六 第一次から第十二次にわたる道路整備五箇年計画各次のモデルに組み込まれた以下の事項について、その具体的数値を明らかにされたい。

 (1) モデルに組み込まれた自動車交通量
 (2) 当該期間における実際の自動車交通量
 (3) モデルに組み込まれたGNP成長率
 (4) 当該期間における実際のGNP成長率

七 国土交通省は、人口一人当たりや自動車保有台数一台当たりの道路延長の主要各国との比較を、我が国における道路整備が遅れている根拠として挙げている。しかし、国土面積当たりの道路延長を主要各国と比較すれば、我が国は米国の約五倍、ドイツの約三倍、英国及びフランスの約二倍となり、道路整備が遅れているとはいえない。指標によって結果が異なる以上、特定の指標のみを用いて他国と比べて我が国における道路整備が遅れているという論理は破綻しているのではないか。
八 松中・中川・小西・高木「各国の交通制度の変遷を踏まえた交通整備財源の実質的な負担者の比較」土木計画学研究・論文集No.一五、一九九八年九月及び松中・中川「交通整備財源の負担者比較手法を用いた事業種別の財源構成」土木計画学研究・論文集No.一四、一九九七年九月等によれば、平成四年度予算に見る交通整備財源の実質的な負担者を比較した場合、道路整備については利用者負担の割合が六五・一%、一般財源負担の割合が三四・九%であるのに対し、鉄道整備については利用者負担が八一・三%、一般財源負担が一八・七%、空港整備については利用者負担が八九・三%、一般財源負担が一〇・七%という試算が可能である。この試算から、我が国の交通投資は、明らかに道路整備に偏重してきたと言わざるを得ないのではないか。
九 道路整備五箇年計画では、巨額の税金が投入されていながら、当初の目標が達成されていない項目が目立つ。例えば、七十六兆円が投入された第十一次道路整備五箇年計画では、夜間騒音要請限度達成率について、平成四年度末の六十八%に対し、平成九年度末の目標を七十六%としたが、実績は六十七%と低調な結果に終わった。

 (1) 道路整備五箇年計画で立てられた目標が達成されなかった場合、誰がどのような責任をとるのか。
 (2) 目標と施策の中身に整合性がなく、そもそも達成不可能な目標が立てられているのではないか。

十 道路整備緊急措置法には、道路整備五箇年計画の変更手続きが定められているが、政府は、計画当初と比較して、道路に対する需要、経済成長率の変化、国民の意識等に変化が生じた場合には、計画を積極的に見直す責務を有するのではないか。

 右質問する。



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