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平成十三年六月二十六日提出
質問第一一一号

出入国管理及び難民認定法における退去強制手続に関する質問主意書

提出者  北川れん子




出入国管理及び難民認定法における退去強制手続に関する質問主意書


 出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)における退去強制手続については、入管法第二四条各号への該当性を判断するための違反調査、審査段階で行われる収容および同施設や在留特別許可の可否、難民認定基準などこれまで様々な問題点が指摘されてきた。
 収容および同施設について「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(以下「自由権規約」)に基づく人権委員会(以下「規約人権委員会」)は第四回政府報告に対する最終見解において次のように指摘している。
 「一九.委員会は入国管理手続き[退去強制手続き]の決定がでるまでの間に収容されている人々への暴行やセクシャル・ハラスメント(性的いやがらせ)に関する苦情申し立てに関して懸念を有する。これには過酷な収容状態、手錠の使用、隔離室への収容が含まれる。(略)委員会は、締約国が収容の状態を再調査し、必要ならば規約第七条及び第九条に沿った状態にする措置をとることを勧告する。」
 二〇〇一年五月二五日に出された法務省人権擁護審議会の最終答申「人権救済制度の在り方について」では「公権力による人権侵害」として「捜査手続や拘禁・収容施設内における暴行その他の虐待等、固有の問題がある。」と事実関係を認めている。他方、その救済手段としては「行政処分に対しては一般的な行政不服審査や個別の不服申立の手続が整備されている。」「捜査手続や拘禁・収容施設内での虐待等については、不審判請求を含む刑事訴訟手続のほか、内部的監査・監察や苦情処理のシステムが設けられている。」として、独立した人権救済機関の取り扱い対象としていない。
 この答申に先立ち同省入国管理局は「入国管理局収容施設における新たな不服申立制度の導入に関する意見募集」として不服申立制度を提案、パブリックコメントを求めている。このことは、人権擁護審議会最終答申がいう不服申立の手続が、未整備であったことを証明するものである。「新たな不服申立制度」という部分的見直しでは問題の抜本的解決にはつながらない。「公権力による人権侵害」には、不服申立制度や不審判請求、内部監査・監察は機能せず、早急なる独立した人権救済機関が求められている。
 規約人権委員会最終見解は述べる。
 「一〇.そのなかでも特に委員会は、警察や入国管理局職員による虐待に関する苦情申し立てを、調査や是正のために持ち込むことができる独立した機関が存在しないことを懸念する。委員会は、締約国によってそのような独立した組織または担当者が遅滞なく設置されることを勧告する。」
 入国管理局が提案する「新たな不服申立制度」や人権擁護審議会最終答申は、規約人権委員会最終見解に沿うものではなく、入国管理に関わる事案を人権擁護推進法に基づく新たな人権救済制度の適用外におこうとするものである。
 以上の点に鑑み、以下質問する。

一 現時点での入国管理収容施設ごとの被収容者の国籍別人数及び収容期間を明らかにされたい。
二 行政手続による長期の収容が自由権規約に反するという、規約人権委員会の「最終見解」についてどう考えるか。また退去強制手続において全件収容主義が自由権規約に反するという指摘についてどのように考えるか。
三 各収容施設における運動はどのような場所で、どの程度の頻度で行われ、どれぐらいの時間を一回につき要しているか、明らかにされたい。これらは被収容者処遇規則第二八条に違反していないか。違反しているのであればどのような是正措置をとっているか、合わせて示されたい。
四 入浴についてはどのような頻度で、どれぐらいの時間を要して行われているか。その際、立ち会う職員は同性か。
五 収容施設で十分な診療が行いえない、あるいは診療不可能な病気等の診療について、どのような対応をしているか。また被収容者がよりいっそうの診療を求める場合は、どう対応しているのか。収容施設の行う診療と自費診療ではどのような点において違いがあるか。
六 この一〇年間に法務大臣が在留特別許可の裁決を行った事案について、「日本人との婚姻による」等なんらかの分類を行っているか。行っている場合、その分類と各年のそれぞれの件数を明らかにされたい。
七 再上陸拒否期間について定めた入管法第五条第九項は「両親に付き従って」など本人の意思と関わりなく本邦に不法入国・不法上陸・不法滞在することとなる。再上陸拒否期間は退去強制された未成年者に対しても一律に適用されるか。
八 未成年被収容者について入国管理局以外の施設に保護、収容することはあるか。あれば、その保護、収容施設と人数を明らかにし、その法的根拠を示されたい。
九 この一〇年間に被収容者から通信希望があった件数およびその可否の内訳、申請の理由を明らかにされたい。
一〇 被収容者が原告となり訴訟当事者となっている場合、裁判への出廷は許可しているか。許可していない場合、その理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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