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平成十三年十二月七日提出
質問第五三号

死刑と刑事施策、検察に関する質問主意書

提出者  保坂展人




死刑と刑事施策、検察に関する質問主意書


 私が所属する死刑廃止を推進する議員連盟は、自民党の亀井静香氏を新たに会長に選任し、活発な運動を続けていく方針である。亀井氏は死刑廃止を求める理由として、えん罪の危険性や自白を証拠の王としている安易な刑事政策などを指摘している。刑事司法とそれに従事する裁判官、検察官に対する不信感も根強い。私も同様の考えから、今回はえん罪と刑事政策について質問する。加えて死刑廃止に向かっている韓国や台湾の動向についても、政府の見解をただす。

一 えん罪

 (1) 一九九六年から二〇〇一年までの刑事事件で(以下同じ)、検察官が起訴し、裁判で無罪が確定した被告人は何人いるか。年次、罪名、裁判所別に明らかにされたい。
 (2) このうち、自白があった事件となかった事件の別も示されたい。
 (3) 無罪が確定した被告人が刑事補償を請求したケースは何件あるか。うち裁判所で認容されたケースは何件で、認容額はどのくらいか。それぞれ年次、罪名、裁判所、認容額別に示されたい。
 (4) 無罪が確定した事件の担当検事には、何らかのペナルティが科されるのか。
 (5) 以前の答弁書で、えん罪事件についてはその後、捜査、公判の検証をしているとの答弁があったが、具体的にどのような検証作業をしているのか。
 (6) 死刑確定者のえん罪事件について、どのような検証作業をしたか。具体的に明らかにされたい。
 (7) 亀井会長は「自白が証拠の王の間はえん罪はなくならない」と指摘しているが、どのように考えるか。

二 刑事政策

 (1) 犯罪被害者の報復感情、応報感情をどのように考えるか。過去の裁判で示された被害者の証言、供述調書などを例示しつつ、説明されたい。
 (2) 犯罪被害者の報復感情、応報感情を国家が加害者に対して実現する刑事司法のあり方について、否定的な国もしくは学説はあるか。
 (3) 被害者の報復感情、応報感情を国が加害者に対して実現する刑事司法は、犯罪の予防につながると考えるか。
 (4) 犯罪被害者への保護について、法整備などが図られたが、現状で十分と考えているか。さらに新たな施策を考えているか。
 (5) 犯罪の発生を予防するという刑事政策として、最も重要な施策は何か。
 (6) 犯罪白書の報道によると、昨年の犯罪発生件数は過去最多とされるが、どのような事情で、犯罪は増えているのか。
 (7) 昨年の検挙率は過去最低とされるが、どのような事情でそうなったのか。
 (8) 捜査力の低下が社会にもたらす影響について、どのように考えるか。
 (9) 犯罪の増加、検挙率の低下という現状に対して、政府はどのような政策を考えているか。そのまま放置するのか。
 (10) 刑事政策上、死刑という刑罰はどのように位置づけられているのか。
 (11) 死刑を廃止した国と存置している国で、刑事政策はどのように異なっているのか。日本と欧州諸国の異同を示されたい。

三 検事の資質

 (1) 「週刊朝日」十二月七日号によると、前大阪地検検事正の加納駿亮氏が福岡高検検事長に異動した際、加納氏に対する告発が不自然な形で不起訴となったという。不起訴の決定と検事長の内閣承認が同一日であるなど偶然とは思えない経過が記されているが、事実か。捜査の概要、不起訴の理由、それが正当な捜査だったことを示す根拠をそれぞれ示されたい。
 (2) 同誌が不正を指摘している「調査活動費」について、その沿革、目的、定型的な支出例、過去十年の各検察庁別の決算額をそれぞれ明らかにされたい。
 (3) 過去十年間にどこかの検察庁で、調査活動費を使った裏金づくりが発覚したことはあるか。
 (4) 各検事正、各検事長、次長検事、検事総長は公務に付随する慶弔費用や会合費用をどのような会計処理で支出しているのか。過去十年間のその費目の決算額を明らかにされたい。
 (5) 辞任した則定衛元東京高検検事長は、女性との交際に調査活動費を流用していたのか。
 (6) 則定元検事長はスキャンダルの相手の女性と知り合った銀座の高級クラブなどで頻繁に飲食を重ねていたという。現検事総長も含む検察幹部が同席していたとの報道もあるが、事実か。則定元検事長の遊興費は調査活動費を流用したものか。それとも自腹か。それとも第三者にごちそうになったのか。
 (7) 「週刊朝日」十二月十四日号には、名古屋高検管内の地検が宴会で、信じがたいことに、他に言いようがないのであえて記すのだが、いわゆる「女体盛り」をして遊んだと書かれているが、事実か。
 (8) 各高検が一九九五年以降、管内の検事正を集めて開いた会議とその費用を年次、管内別に示されたい。
 (9) 検察の不正経理が相次いで報道される背景について、政府はどのように考えているか。

四 隣国の動向

 (1) 韓国で死刑廃止特別法案が国会に提出されたが、政府はこうした動きとその背景を知っているか。
 (2) 台湾総統府は死刑廃止法案を作成している。政府はこうした動きとその背景を知っているか。
 (3) 政府は「死刑の存廃は個別の国の判断」とこれまで答弁してきたが、世界の過半数の国が死刑を廃止し、国連で廃止条約が締結されている中で、いつまで「唯我独尊」を続けるのか。

五 死刑の執行

 (1) 法務大臣は人命を奪う死刑の執行を命令する際、どのような心構えで当たるのか。
 (2) これまで臨時国会終了前後に死刑の執行が繰り返されてきた。えん罪の危険性や刑事政策全体の現状、隣国の動向に加えて、欧州評議会による死刑停止勧告、亀井会長による陳情などをすべて無視して、今年もやるのか。

 右質問する。



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