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平成十四年二月七日提出
質問第一四号

奄美沖不審船に関する質問主意書

提出者  保坂展人




奄美沖不審船に関する質問主意書


 不審船事件に関して多くの不明の点があり、これらを明らかにすることが今後の対応に必要不可欠であると考える。
 従って、次の事項について質問する。
一 追跡について
 1 昨年十二月二十二日の巡視船とオペレーションルームとの交信状況を明らかにされたい。特に沈没につながった二十二日午後十時すぎの正当防衛射撃に至るまでの会話の内容はどうだったのか。誰が、どんな言葉で正当防衛射撃を命じ、それがどのような経緯で現場の射撃手に伝わったのか。
 2 海上保安庁が撮影して公表したビデオは、わずか数分間だけである。これが全てか。未公開部分はあるのか。他の撮影部分には何がどのように映っているのか、すべて開示されたい。
 3 巡視船に撃ち込まれた銃弾の鑑定作業はどこまで進み、どのような結果が判明しているのか。
二 遺留品について
 1 現場海域で回収した回収物の中に不審船の船体の破片が含まれているのか。判明していればその部位と数を示されたい。また、破片があるとすれば、その分析で船籍等を特定できるのではないか。
 2 遺留品のライフジャケットの製造元は判明したのか。タグ等に何か記されていないのか。
 3 海上保安庁が撮影したビデオには、不審船甲板にライフジャケットを着用した男性が写っていたようだが、遺留品のライフジャケットと同様のものと認定できているのか。
 4 遺体が身につけていたとされる「もも引き」のサイズ、色・模様、素材を明らかにされたい。生産者や生産国等を示すタグなどはついていたのか。
 5 遺体がはいていた靴のブランドは「ナイキ」とされているが、本物の「ナイキ」社製と確認できたのか。その靴の型、色、サイズを明らかにされたい。
 6 不審船の被疑者は銃撃直前まで「甲板で毛布を被って隠れていた」とされているが、その「毛布」は見つかったのか。
 7 その他、遺体が身につけていた衣類等の遺留品の点数と項目、その特徴等を示されたい。
 8 これまでに現場海域で回収した品の点数、項目、その特徴等を示されたい。
 9 現場海域で回収したタバコや菓子袋のほかに、製造国が分かる回収品があるのか。
 10 事件後、沖縄県に遺留品の一部とみられるドラム缶等が漂着した、との報道があったが、事実か。このほか、沖縄・九州沿岸に漂着した遺留品はあるのか。あるとすれば、その点数・項目・特徴等を明らかにされたい。
三 遺体について
 1 収容した二遺体の司法解剖に、着手するまで大幅に時間がかかっている。検察庁と海上保安庁との間で、前例のない司法解剖を正当化するための理由説明をぎりぎり詰めていたと聞くが、両庁間で、どんなやりとりがあり、最終的にいかなる理由・法的根拠のもとで鑑定許可状の裁判所への請求に至ったのかを示されたい。
 2 司法解剖の報告書内容を開示されたい。
 3 司法解剖等の結果から、遺体の足、太股にあった銃創は、日本の巡視船の機関砲から発射された銃弾でできたものと認められるか。
 4 遺体からは、本人が銃撃戦に直接関わったとみられる証拠が発見されているか。遺体からの硝煙反応のほか、遺体の手や顔にロケット弾や機銃の排気、排莢による小さな火傷等は認められたか。
 5 遺体には、身体を鍛えた痕跡、以前の演習や実戦でのケガの跡等がみられないか。
 6 その他、遺体の身長や体重、髪の毛や目の色、まぶたの特徴等の身体的特徴を示されたい。
 7 遺体の今後の取り扱いはどうするのか。
四 捜索について
 1 第十管区海上保安部(鹿児島)は、一月初旬現在、延べ二十五万五、五〇〇平方キロメートル(九州の約六倍の面積)を捜索したと発表した。その捜索の方法はいかなるものか。沈没地点から渦巻きを描く、扇状に進む、グリッド状に探す等、具体的に示されたい。
 2 海底の沈没船の現在の位置は、ソナー等の方法で特定しているのか。特定しているとすれば、その方法と根拠を明らかにされたい。その際の記録はどうか。
 3 付近で操業している漁船等があれば、現場付近の海底のソナー記録等をとっていないか。あるいは依頼して、記録、提供してもらう必要はないか。
 4 沈没現場海域では、潮の方向はおおむね南に向かって流れている、という理解でいいのか。季節によって変動等はあるのか。遺留品等の拡散の方向をどのように推測するか。
五 その他
 1 不審船に対して「自沈せよ」と指令する交信があったことを、防衛庁が傍受したと一部で報道されているが、事実か。
 2 沈没船について、破壊や収奪の恐れがあるが、これに対する警備はどうするのか。

 右質問する。



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