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平成十四年二月七日提出
質問第一六号

新幹線の騒音に関する質問主意書

提出者  原 陽子




新幹線の騒音に関する質問主意書


 新幹線の騒音については、環境基本法第十六条をもとに、「生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい新幹線鉄道騒音に係る基準」が定められている。しかし、昭和五十年に環境庁告示(以下、告示)で定めた基準は、現在までまったく達成できていない。よって以下質問する。
一 告示では、騒音基準を達成すべき目標期間を、最大十年以内と設定した。これでは、対策に猶予を与える代わりに、住民には騒音公害を最大十年(実際には四半世紀)、我慢させることを強いたも同然である。このような公益性と個々人の生活環境の関係を政府は、どう考えるか。
二 告示が出た翌年の昭和五十一年、当時の環境庁長官は、運輸大臣に宛て「環境保全上緊急を要する新幹線振動対策について」という勧告(以下、勧告)を出した。勧告を受けた運輸省は、勧告について、事業者や関係地方公共団体に対し、どのように通知し、対策を促したか。
三 勧告から二十五年が経過した今も、東海道、山陽、東北、上越、北陸、すべての新幹線路線で、騒音基準を達成した路線はない。その原因は何で、責任は誰にあると政府は考えるか。
四 運輸省(現国土交通省)および環境庁(省)は担当者の異動や省庁再編の際、告知や勧告について、引継ぎを確実に行ってきたか。
五 勧告は、運輸大臣が講じた措置を報告するよう求めているが、昭和五十一年以来、運輸省(現国土交通省)は、どのような措置について、どのような頻度、方法で環境省に報告を行ってきたか。
六 新幹線鉄道騒音に係る環境基準を、最終的に、いつまでに達成するつもりか。
七 新幹線鉄道騒音に係る環境基準を達成するための、今後の責任担当部局は誰か。
八 現在、騒音を測定する際、地方公共団体等は線路から二十五メートル離れた位置で測定していると、環境省環境管理局自動車環境対策課は認識しているが、これは、「他の測定地点との比較ができるよう、軌道中心線より二十五メートル地点及び五十メートルの地点を併せて測定することが望ましい」とした環境庁大気保全局長から各都道府県知事宛ての昭和五十年の通知によるものであると考える。これは、併せて測定することを勧めているだけであって、線路またはその予定地から二十五メートル以内に接近して建っている住居などがある場所で測定することを妨げる理由にはならないと考える。この解釈に間違いはないか。また、環境基本法第十六条に鑑みれば、騒音の被害実態を正しく把握するには、住居などが実際に建っている場所で測定するべきであると考える。この考え方に間違いはないか。
九 勧告では「病院、学校その他特に静穏の保持を要する施設の存する地域」に特段の配慮と速やかな措置を行うことを指針としているが、生活の基盤であり、病人や幼児を含む生活者の暮らす住居も、病院や学校と同等の静穏の保持が求められるべきではないか。
十 勧告には、「新幹線鉄道振動の障害防止対策として、既設の住居等に対する建物の移転補償、改築及び補強工事の助成等の措置を振動が著しい地域から実施するものとすること」とあるが、これまでに、環境基準達成のために、移転補償をした例はあるか。
十一 勧告の持つ重みを鑑みれば、四半世紀が経過しても、基準が達成できない状況であることを、政府は反省すべきではないか。

 右質問する。



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