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平成十四年三月二十六日提出
質問第五三号

国立病院・療養所における看護師配置に関する質問主意書

 提出者
 木島日出夫    小沢和秋




国立病院・療養所における看護師配置に関する質問主意書


 国立病院・療養所は、高度先進医療や急性期医療に加えて、神経・筋疾患や重症心身障害など全面介助や人工呼吸器が必要な長期重症患者の医療を担い、国民医療に対して重要な役割を担っている。
 ところが、国立病院・療養所の一〇〇床当たりの看護師配置は、他の公的病院(大学病院、自治体病院、日赤病院など)に比べて少ない。三人以上の夜間看護体制が主流になっているなかで、大半が二人夜勤であり、三人以上の夜勤は全体の約二割にすぎない。二人夜勤では一人の患者が急変すれば、一人の看護師で残りの数一〇人の患者に対応しなければならず、患者の安全に重大な事態が懸念される。このような看護師配置は早急に改善されるべきである。
 さらに、夜勤は「複数月八日以内」という人事院夜勤判定が出されてすでに三六年以上経つが、いまだに九日以上の夜勤が多く、一〇日を超える夜勤を余儀なくされている病棟も少なくない。「看護職員の需要に関する検討会」報告書(厚生労働省)では、離職防止の観点からも、「産前・産後休業、育児休業の全員取得、年次有給休暇、介護休暇等に必要な需要を見込む」としている。家庭と両立して働きつづけられる労働条件の整備という点からも、すべての看護師の「月八日以内」夜勤を早急に達成すべきである。
 国立病院・療養所の看護師配置の現状について、厚生労働省は「自治体病院や赤十字などの病院に比較して少ないことは間違いない」(二〇〇一年一二月五日衆議院厚生労働委員会、大臣答弁)との認識を示し、改善に向け最大限努力する旨の答弁をしている。
 そこで、国立病院・療養所の看護師配置の改善に関する具体的対策について、以下質問する。

一 看護師配置について
 @ 国立病院・療養所では、医療の複雑・高度化、入院日数の短縮が進むなか、看護助手も削減されて、看護師の業務は非常に過密になっている。政府は、国立病院・療養所の看護師増員の緊急の必要性を認識しているか。
 A 厚生労働省は、国立病院・療養所の再編成の推進や病棟集約による定数の再配置で増員効果をあげるとしているが、定数削減が大きく、再配置による機能強化はほとんどされていない。定数削減を差し引いた、実質的な看護師配置の改善について、各年度ごとの状況を明らかにされたい。また、統合新病院でさえ大半が二人夜勤体制になっているが、これで機能強化を図ることができると考えているか。
 B 疾病構造の変化や社会の要請にこたえて、療養所においても病院と同様に外来診療などを行っている施設が多い。しかし、療養所の外来・手術室に看護師定数がなく、応援勤務で対応しているのが現状である。これでよいと考えているか。外来・手術室にも看護師定数を確保すべきでないか。
 C 少なくとも他の公的病院並に看護師配置を引き上げるために、特別の措置をとり、計画的に看護師を増員すべきでないか。
二 夜勤体制について
 @ 夜間看護体制について、国立病院・療養所と他の公的病院を比較し、その違いを明らかにされたい。
 A 国立病院・療養所の夜勤体制を少なくとも他の公的病院並に三人以上に強化する必要があるのではないか。
 B 現在二人以下で夜勤をしている病棟をすべて三人に改善した場合、「月八日以内」夜勤として、何名の看護師増員が必要になるか、明らかにされたい。
 C 全面介助や人工呼吸器の必要な患者が多数入っている病棟や、急変や夜間の緊急入院が多い急性期の病棟でも、多くの場合二人夜勤となっている。こうした病棟については、特別の措置をとり、早急に夜勤体制を三人以上に強化すべきではないか。
 D 厚生労働省は、「看護の必要度の高いところについては、二人夜勤を超えて三人夜勤も目指していく」(二〇〇一年一二月五日衆議院厚生労働委員会、国立病院部長答弁)と答弁している。夜勤体制強化の具体的な改善計画を明らかにされたい。
三 人工呼吸器使用病棟について
 @ 国立病院・療養所において、人工呼吸器に関する重大な事故が相次いでいる。人工呼吸器使用病棟における看護師の配置、夜勤体制について、明らかにされたい。また、改善策についての考え方、計画を明らかにされたい。
 A 人工呼吸器の管理は多くの場合看護師任せになっている。これが重大事故の背景にある。臨床工学技士の増員が必要であると考えるがどうか。現在の配置状況と今後の配置計画を明らかにされたい。
 B 国立病院・療養所それぞれについて、人工呼吸器の購入年次別、機種別台数及び更新状況と今後の更新計画を明らかにされたい。
四 重症心身障害児(者)病棟、筋ジストロフィー病棟について
 @ 国立病院・療養所における重症心身障害児(者)病棟、筋ジストロフィー病棟について、一九七四年の厚生省の配置基準では、一病床当たり看護師は二一人(婦長を含まず)配置となっているが、現在の配置状況はどうか。
 A この配置基準は現在達成されていないが、その理由を示されたい。また、今後、配置基準に満たない病棟の改善は、どうすすめるのか。
 B これら病棟の看護師配置基準は、三人夜勤(夜勤稼働人員は最低二四人必要)が実施できるように改善すべきでないか。
 C 人員不足のために、かけもちで食事介助をせざるを得ないなど、ゆきとどいた看護ができない状態を改善すべきでないか。対策を示されたい。
五 ナショナルセンターについて
 @ 厚生労働省は、ナショナルセンターを「高度先進医療の実施、臨床研究、教育研修、情報発信の全国の中心機関」と位置付けているが、このナショナルセンターでさえ他の公的病院と比較して看護師の配置が少ない。深夜・準夜とも三人以上夜勤の比率は約二五%しかない。ナショナルセンターとしての機能を発揮できるよう、早急に看護師配置を改善すべきでないか。
 A ナショナルセンターは、月九日以上の夜勤従事者が約四割にのぼり、非常に過酷な勤務実態となっている。ナショナルセンターにおける夜勤改善の具体的な計画を示されたい。
六 「複数月八日以内」夜勤の実現について
 @ 厚生労働省は、毎年一〇月に国立病院・療養所の夜勤実態調査を行っている。一例として、国立水戸病院、国立栃木病院、国立埼玉病院、国立横浜病院における病棟毎の夜勤実態(九日以上夜勤者の割合を含む)について、明らかにされたい。
 A 夜勤は「複数月八日以内」とする人事院夜勤判定が出てから三六年以上も経過しているが、いまだに「複数月八日以内」夜勤が達成されていない。これでよいと考えているのか。
 B 厚生労働省は、労働条件の改善の立場からも、「複数月八日以内」夜勤の実現について「最大限の努力をしたい」(二〇〇一年一二月五日衆議院厚生労働委員会、大臣答弁)と答弁している。すべての看護師の「複数月八日以内」夜勤を達成するための具体的な改善計画を示されたい。
 C 年度途中の退職者の補充が速やかに行われないなどの実態がある。年度を通して、必要な夜勤稼動人員を確保するに足る予備人員を年度当初に確保すべきでないか。
 D 国立病院・療養所には四〇〇〇人を超える賃金職員看護師がいる。この賃金職員は、日々雇用の非常勤職員という不安定身分のまま、夜動を含めて定員職員と同じ勤務を行っている。「複数月八日以内」夜勤の実現に必要な人員は、すべて定員職員として確保すべきではないか。
 E 賃金職員看護師への育児休業の適用について、総務省は「常勤的な勤務をしている日々雇用の職員は、仕組みとしていない。本来そういう人は常勤職員を入れればよい」(二〇〇一年一一月二九日参議院総務委員会、総務大臣答弁)旨の答弁をしている。現に、定員職員と同じ勤務を行っている賃金職員は、この際定員職員化すべきでないか。少なくとも、育児休業・介護休暇の適用を行うべきでないか。
七 妊産婦の夜勤免除、産前・産後休暇、育児休業について
 @ 国立病院・療養所における妊産婦の夜勤免除について、妊娠・出産した看護師数、実際に夜勤免除された看護師数、夜勤代替要員として確保した看護師数について、実態を明らかにされたい。
 A 産前・産後休暇及び育児休業取得者の代替要員の確保状況についても明らかにされたい。
 B 実際には、代替要員が確保されず、九日以上の夜勤を余儀なくされている職場も少なくない。その改善策を示されたい。
 C 二〇〇二年四月から育児休業が三年に延長される。実効ある代替要員の確保策を示されたい。

 右質問する。



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