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平成十四年七月十六日提出
質問第一三八号

福岡県大川市、佐賀県諸富町の家具、木工産業の活性化のための緊急対策に関する質問主意書

 提出者
 赤嶺政賢    小沢和秋




福岡県大川市、佐賀県諸富町の家具、木工産業の活性化のための緊急対策に関する質問主意書


 室町時代以来四六〇年を超える伝統産業、伝統技術を持ち日本一の家具産地である福岡県大川市には、家具、木工など一,二〇〇の事業所があり、一二,〇〇〇人の従業員が働いている。大川市に隣接し、一体の産地を形成している佐賀県諸富町は、三〇事業所(従業員五〇〇人)がある。これらの地域では、家具、木工産業が基幹産業をなしているが、長期にわたる景気の悪化、消費不況、生活様式の変化による売上不振、それに加えてアジア諸国等からの家具の半製品、完成品の輸入の急増により、急激に経営が悪化しており、失業、倒産が相次でいる。大川市は、家具の生産額が九一年には一,二七〇億円に達していたが、九九年には六五一億円と半減しており、諸富町でも、九三年に一七四億円が九八億円、約六割に落ち込んでいる。
 この結果、大川市の場合は、自主財源の七割を家具産業の納税で占めていたが、極度の経営不振で、納税額が減少したために市の財政を危機的なものにしている。諸富町でも、自主財源の四一・一パーセントを家具産業が占めていたにもかかわらず、家具産業のみの法人税収が九一年度からの十年間で三四パーセントも減少している。大川市、諸富町の家具、木工産業の経営の悪化は、地域経済の疲弊を招くことになりかねない深刻な事態にある。
 こうした中で、本年十二月から、産業廃棄物処理法、ダイオキシン類対策特別措置法に基づいて、ダイオキシンの排出基準が規制強化されることになる。大川市、諸富町の家具、木工業者は、家具製造過程で出る木屑、廃材は、自前の焼却炉で処理しているため、ダイオキシン規制強化に伴うダイオキシンの排出基準を守るためには、現在使用している焼却炉の改造、買い替えが必要となり、新たな費用負担が迫られその対応にも苦慮している。
 このように極めて深刻な状況にある大川市、諸富町の家具、木工産業の窮状を打開し、地域経済に大きな役割を果たしている産地の再生、活性化、振興を図るためには、国の手厚い支援と緊急の対策を要すると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 家具、木工産業の再生と活性化対策について
 1 日本有数の大川市、諸富町は日本の家具生産を支えてきた産地であるが、消費不況、生活様式の変化、輸入家具の急増によって、かつてない深刻な経営危機に直面している。こうした状況の下で、大川市、諸富町の家具産地の業界は、伝統的には箱物、棚物の家具を製造してきたが、生活様式の変化、消費者のニーズに応えて、収納家具、間仕切り家具や新商品の開発、技術開発、新分野への展開を図り、窮状を打開するために懸命の努力を重ねている。しかしながら、産地の厳しい状況は依然として続いており、この状態をこのまま放置すれば、家具、木工産業、地域経済にとって取り返しのつかない事態になる。
 経済産業省が毎年、行っている「産地概況調査」でも大川市、諸富町をはじめとする家具、木工産業の深刻な事態は明らかであり、産地経営の建て直しを図り、地場産業の活性化・再生のために早急に特別な対策を講ずるべきであると考える。政府として、どのような対策が必要だと考えるのか、見解を伺いたい。
 2 大川市、諸富町の家具、木工産業の維持、活性化のために、「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づいて福岡県、佐賀県から特定中小企業集積の活性化計画が申請された場合には、国は速やかに同申請に同意し、税制、融資、補助金等の支援措置を講ずる用意があるのか。
二 輸入家具の急増対策について
 1 長引く消費不況、国内需要の低迷に加えて、輸入家具の急増によって産地家具が危機的な状況にあり、雇用や地域経済に重大な影響をあたえている。そこで、九一年から二〇〇一年までの全国の家具産地と大川市、諸富町のそれぞれの家具、木工の生産額、さらに両産地の事業所数と従業員数の推移を明らかにされたい。また、同年(年度毎)の家具、木工製品の輸入について、国別の輸入額はどのようになっているか示されたい。政府は、輸入家具との競合が産地家具の窮状の大きな要因の一つになっていることについて、どのように考えているのか。内需型の産地の危機的状況を考慮するならば、家具や木工品について、緊急避難措置として、緊急輸入制限措置の発動を検討することは考えられないのか。現時点でその考えがないとすればその理由を明らかにされたい。
 アジア諸国からの家具の半製品、完成品に対する関税は無税であるが、産地家具等の原材料として輸入する木材には四〜八%の関税がかけられており、輸入急増に拍車をかけることにもなっている。大川市の家具業界は、「せめて、輸入原材料(木材)の関税を無くすか、あるいは輸入家具の半製品、完成品に関税をかけるなどの措置」を講ずるよう政府に求めてきた経緯があるが、このことについての見解を伺いたい。
三 金融、融資対策について
 1 政府は、デフレ対応策のなかで民間金融機関中小企業への未曾有の貸し渋り対策として、一九九八年十月から三年間に限り、中小企業金融安定化特別保証制度を創設し、三十兆円の枠で、中小企業に対する特別信用保証という特別の対策を講じた。
 この「特別保証制度」は、倒産寸前の企業、事実上の倒産企業、粉飾決算など悪質な中小企業、いわゆるネガテブリストに該当しない中小企業に対して、原則として信用保証協会が融資の保証を行うもので、全国の中小業者に積極的に利用された。大川市の家具、木工業者の場合には、福岡県の経営安定緊急特別対策資金制度とともにこの制度を利用することによって、経営危機をしのぎ倒産を回避できたという事業者が少なくない。「特別保証制度」について、政府はどのような評価をしているのか。
 2 家具、木工事業者は、景気回復の見通しが全く立たない現状の中で、現在も大変厳しい貸し渋り、貸しはがしの状況にある。
 また、事業者の中には、「特別保証制度」とは別に、すでに政府系金融機関等の融資を受けており、その担保としていた土地、建物等の抵当物件が下落し、信用力、担保力が低下し、一方で利益が上がらず業況は依然として悪化を続けており、企業体質は脆弱化している。その上、「特別保証制度」により、融資を受けた業者は、返済開始時期にきており、借金返済の負担が大きな重圧となっている。政府は、「特別保証制度」により融資を受けた中小企業者に対して、当初の約定通りの返済が困難な場合には、業者の申し出により、既往債務の条件変更、据え置き期間の延長など返済条件の変更措置をとるとしているが、その内容を具体的に明らかにされたい。
 3 家具、木工業者は、「特別保証制度」による融資について、利息の減免、当面利息の返済で元本の返済期間の延期、返済額の一部減額など、返済の猶予を切実に求めている。「条件変更ガイドライン」の一層の徹底とともに、一般保証や政府系金融機関の融資等についても同様の措置をとるなど、政府は積極的に応えるべきだと考えるが、どうか。
 4 家具、木工業者は、既往債務により、政府系金融機関等からの運転、設備投資資金に必要な新たな融資を受けることができないという状況も生じており、資金調達は一段と困難性を増している。政府は、中小企業の金融対策として、第一に売掛金債権を担保に融資する制度の創設、第二にセーフティーネット保証・貸付制度の充実、第三に特別保証制度の既往債務についての条件変更の弾力化を実施している。この対策の内容について解りやすく説明されたい。例えば、売掛金債権を担保に融資する制度の活用は極めて低調であると聞いているが、その要因は何か。このような対策で中小企業者の金融の制約、資金調達が改善されると考えているのか。
 5 政府は、「特別保証制度」が、中小企業に対する未曾有の貸し渋り対策の一環として実施された「特別の枠組みによる措置」であると説明している。しかし、金融機関の不良債権処理により、中小企業への融資は依然として厳しく貸し渋りや、貸しはがしが横行している。政府は、こうした事態を考慮し、中小企業金融安定化特別保証制度の復活を再検討すべきだと考えるがどうか。また、政府は、政府系金融機関の体力を強め融資の充実・拡充を図るために国の出資金を増額しそのために必要な予算措置を講ずるべきではないのか。同時に家具、木工業者の切実な要望、要請に応えるために、経済産業省の出先機関である九州経済産業局に金融面、資金調達、経営対策等の相談窓口を開設してはどうか。
四 ダイオキシン規制強化に対応した焼却炉の買い替えに伴う経費の支援について
 1 大川市、諸富町の家具、木工業者は、歴史的に家具製造過程で排出された木屑や廃材などの産業廃棄物は自前の焼却炉で処理するという特別な事情をもっている地域である。全国の主要家具産地の事業所では、これまでどのように廃材の処理を行っているのか、実情を明らかにされたい。大川市、諸富町のように自前の焼却炉で廃材の処理を行っているところはあるのか、あれば産地名を示されたい。そこでは、ダイオキシン規制強化に対応してどのような対策を考えているのか。
 2 大川市、諸富町では、ダイオキシンの規制強化に伴い新しい焼却炉の設置が必要になり、その設置に数百万円、法律で義務づけられている年一回のダイオキシンの検査にも数十万円の多大な経費を要することになる。業者からは、「ダイオキシンの規制強化は当然」としつつも「新たな焼却炉を買うお金がない、景気回復の先の見通しもないのに、このために新たな借金はできない、このままでは廃業せざるを得ない」と深刻な声をあげている。
 政府は、こうした産業廃棄物の焼却炉の設置についてどのような支援策を講じているのか。税制、融資、補助金・助成金等の支援・優遇策があるなら、その内容を具体的に明らかにされたい。
 3 政府の産業廃棄物の焼却施設設置に対する支援策は、焼却施設が「産業廃棄物(廃油、廃プラスチック類を除く)を燃焼室の出口温度八〇〇度以上で燃焼できる固定式のものでその焼却能力が二〇〇キログラムを超える」ものを対象としている。このために大川市、諸富町の家具、木工業者の焼却炉能力の多くはそれ以下であり、業者がダイオキシンの規制強化に対応した焼却炉を設置するとしても、国の支援制度の対象とする能力を備えた焼却炉を設置することは、経費等の面で極めて困難である。従って、支援を受けられないことは明瞭であるがこれについてどう認識しているのか、その場合には、支援制度の弾力的な運用も考えているのか。また、同制度の対象とならない場合には、別途、支援対策を検討する用意があるのか。
 4 廃材焼却炉処理が、大川市、諸富町の家具産地の特殊な事情ということを考慮すれば、税制、融資条件の優遇にとどめず、全国有数の家具産地の救済策として一定の補助金等の助成措置を講ずるべきであると考えるがどうか。
 5 大川市、諸富町では、排出される木屑、廃材の廃棄物処理を焼却によらずに、木炭、タイル等のリサイクル等の検討もなされているが、そのためには新たな施設整備等が課題になる。国は、リサイクル等の取り組みの主な支援措置として、予算・補助金、融資、税制、民活法による支援措置、省エネ・リサイクル支援法による支援措置、エコタウン事業があると説明しているが、その内容について明らかにされたい。

 右質問する。



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