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平成十四年七月十七日提出
質問第一四〇号

郵便輸送における安全問題に関する再質問主意書

提出者  保坂展人




郵便輸送における安全問題に関する再質問主意書


 四月二十六日の「郵便輸送における安全問題に関する質問主意書」に対する六月四日付答弁書の内容について、質問主旨の取り違え、及び事実誤認があると考えられるので再度質問する。

一 現金輸送の問題に関して
総務省によると、政令指定都市では、資金・過超金の輸送について一〇〇%民間警備輸送会社に委託されているとしているが、問題は普通郵便局と特定局間を行き来する資金・過超金の輸送問題についてである。京都・大阪・岡山・広島・東京の多摩地域等、いずれも普通局−特定局間の現金輸送は日逓車が一人乗務で行なっているのではないか。その輸送額は数千万から数億円に達する。国民の財産が無防備な状態にさらされていることは看過できるものではない。早急な措置を講じて安全上最低限必要な二人乗務とする計画を持つか否かについて再度質問する。
二 車輌保管についての法律違反について
前回の質問にある「郵便逓送の車輌に関して、普通郵便局構内に夜間も常駐させ、局敷地をガレージがわりに使用しているケース」について、答弁書にある「郵便物運送業務の円滑な運行を図るために必要」とは具体的に何を指すのか。それぞれ質したい。
 (一) 臨時便対応
郵便物取集便業務は、平日においては、定められた数十本のポストを開函するのと、定められた数局の特定局に立ち寄り、郵便物を収集する作業を一日に三〜五回行なう業務であり、二四時間体制などで勤務していないので臨時便など発生しない。日曜・祝日においては、特定局閉局につき、当然臨時便も発生しない。にもかかわらず必要とする郵便逓送車輌の夜間常駐の合理的根拠を述べてほしい。
なお、郵便専自車輌(長距離輸送の郵便トラック)については、新東京郵便局、新大阪郵便局(いずれも通常の郵便業務は行なわない郵便物仕分け作業専門局)の二箇所のみ局施設内に専自便企業の事業所があるため、駐車車輌があり臨時便要員がいる。その他の局については、その局を管轄する委託業者の施設において、臨時便対応車輌は駐車し、要員は待機していると聞いているが、事実か。
 (二) 便間待機
便間時間内に、車輌が到着局から事業所で待機するための往復時間が十分あるのに、局構内に車輌を常置させ待機する必要性はないと考えるが、如何に。
 (三) 遅延対応
郵便物取集便の場合、遅延・事故等で次の便の出発が執行できない場合、事業所より次の便の出発時間に合わせて出発するため、局構内に常置駐車する必要はないのではないか。
総じてこれら総務省の説明は、郵便専自車輌に関してのように受け取れるが、質問は郵便物取集便の車輌を常置させている件についてのものであり、答弁が食い違っている。
答弁書は「郵便局の管理する一定の場所に自動車を待機させている」ことについて、「これらの法令上の問題はないものと考える」としている。
国土交通省令の貨物自動車運送事業輸送安全規則は第七条において「乗務の前後の点呼等」を営業所の定められた場所で運転者との対面により行なうことを定めている。日逓は郵便物取集車輌を郵便局構内に二四時間駐車させ、運転手を局に直接出勤させ、勤務に従事させ勤務終了後、局から退勤させているのであり、対面点呼は行なわれていないというのは事実か。貨物自動車運送安全規則違反の指摘もあるが、見解を問いたい。国営事業の委託を受けている企業が、国土交通省令に違反している点、また当局がこれを容認し、改善せず、今回の指摘を受けて、改善の意志はないのか。具体的に答弁されたい。
三 労災隠しについて
日逓においては業務上での負傷は、会社側管理職(おもに支店次長)が「健保でかかってほしい」「賃金は一日分と超過勤務一時間分を支給する」との条件を出して労災隠しすることが常態化していると聞いている。また「労災は現認者がいないと労災申請できない」「労災として申請するかは、会社に判断の権利がある」などとの不当な言辞が多用されているという声があがっている。
 以下具体的事例を示す。
 @ 平成一一年七月二日 大阪支店 K氏
  鈴鹿自動車講習中の急ブレーキテスト等で腰部負傷 健保で治療
 A 平成一二年八月 京都支店 A氏
  中央倉庫にて積込み開始時右ひざ打撲 健保で治療
 B 平成一二年九月八日 新大阪局での作業中 Y氏
  頭部強打 健保で治療
 C 平成一三年七月三〇日 新大阪局での作業中 Y氏
  顔面・鼻打撲 全治三ヶ月 健保で治療
 D 平成一四年一月二五日 新大阪局での作業中 A氏
  整備不良車で顔面強打 鼻骨骨折 健保で治療
 右記事例について、早速事実を確認されたい。また日逓に対して、労災隠しについて真実の報告を行わなかったことに政府はいかなる対処を行なうのか明らかにされたい。

 右質問する。



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