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平成十四年七月三十一日提出
質問第一八九号

都市再生緊急整備地域などに関する質問主意書

提出者  原 陽子




都市再生緊急整備地域などに関する質問主意書


 小泉純一郎首相率いる都市再生本部は、都市再生特別措置法に基づき、第一次都市再生緊急整備地域として、東京駅周辺など三大都市圏十七地域を指定した。指定された地域に住む住民や自治体議員の間に、怒りと困惑が広がっている。よって、以下質問する。

一 地域指定と私有財産、および居住環境などについて
 @ 都市再生緊急整備地域に指定されれば、容積率が上がり、結果として固定資産税が上がるのではないかという懸念が指摘されている。私有財産などへの影響が予測できるにもかかわらず、当該地域の住民の意見を聞かずに都市再生緊急整備地域を設定したのは何故か。
 A 都市再生本部では、固定資産税など私有財産などへの影響について、討議、研究、検討を行ったか。行ったとすれば、いつ、どのような形で討議したか。また、内容はどのようなものだったかを明らかにされたい。行わなかったとすれば、それは何故かを明らかにされたい。
 B 都市再生本部としては、都市再生緊急整備地域に指定された地域の不動産の資産価値は上がると想定しているのか、下がると想定しているのか。都市再生事業は、経済活性のために行っているとのことなので、多面的な経済面の想定を行っていないとは考えがたい。その想定が外れた場合は、誰が責任を取るのか。
 C 国は、バブル経済がどのようにして起きたと総括をしているか。土地利用政策の観点から明らかにされたい。
 D 私有財産に影響がある施策を実行するのであるから、都市再生緊急整備地域に指定された場合のメリットとデメリットを住民に対し説明する責務が国にはあるのではないか。
 E 地域指定はすでに行われたが、私有財産や住環境への影響はこれから始まるので、これからでも、住民説明会を都市再生本部として行うことを検討すべきではないか。
 F 東京都新宿区の富久が都市再生緊急整備地域に指定されたのは、何故か。住民がまちづくりを立案中だったことを、都市再生本部は認識していたか。
 G 都市再生緊急整備地域が今後さらに指定される予定はあるか。
 H 都市再生特別措置法には、目的として、「居住環境の向上」が掲げられているが、それを担保する法律事項が、同法律には全く見当たらない。この法律によって、居住環境の向上という目的をどのように果たすつもりか。できるだけ具体的に示されたい。
二 意見調整について
 @ 都市再生特別措置法第四十一条第一項によれば、都市計画決定権者は、計画提案が行われた日から六月以内に、都市計画の決定や変更を行うことになっているが、これは、「都市計画関係の申請などが地方公共団体の担当者の机の上に、放置されたままであることを防ぎ、手続を透明化するためであり、住民の意見を無視して事業者の意見がそのまま通るということではない」と、七月三〇日に都市再生本部を訪れた東京都内の区議会議員達に述べている。この条文の目的が手続の透明化にあり、住民の意見を無視することでないのであれば、その保障は同法のどこにあるのか。
 A 前項目にある都市再生本部での指摘に対し、「都市計画に関して時間がかかるのは、行政が、ディベロッパーや住民との意見調整に時間をかけているためであって、担当者の机の上に放置されているという問題ではない」との反論が東京都内の区議から行われた。都市再生特別措置法第四十一条第二項によれば、「計画提案を踏まえた都市計画の決定又は変更について、都市計画法第十八条第一項又は第三項その他の法令の規定により意見を聴かれ、又は協議を受けた者は、都市計画決定権者が前項の処理期間中に同項の規定による処理を行うことができるよう、速やかに意見の申出又は協議を行わなければならない。」とあるが、これは、利害関係者との調整を重視するために設けられた努力規定であると解釈してよいか。
 B 先進諸国では、用途地域を変更する際は、厳重な住民参加を行わなければならないと聞く。一方、日本では、今回の地域指定に限らず、住民への周知や説明が不十分で、住民が気づかない間に、頻繁に変更が行われているという批判が起きている。今度、これらの批判に対し、どのように改善に取り組むか。
 C 都市再生本部は、六月二七日に都市再生緊急整備地域の地域指定について東京都に意見照会をしたが、土日をいれて実質二日目である七月一日までに返答をせよというものだった。説明責任、情報公開、住民参加の趣旨から、あまりに短期で拙速であるという批判がある。国から地方自治体への意見照会の期間は、過去一年間に行われたものの中で、最長は何日で、最短は何日であったか。
三 金融支援策について
 @ 都市再生特別措置法は、営利を追求する民間事業者に、大幅な規制緩和を与えるだけでなく、債務保証、補助金の付与などの支援を行う構造になっている。同じ業者に対して、直接的または間接的に公金が支出される支援策の組み合わせをすべて明らかにされたい。例えば、債務保証と補助金、補助金と利子補給など、直接、間接的に支援策の受益を得る場合の組み合わせのすべてを明示されたい。また、一つの支援策を単独でしか受けられない場合も、組み合わせの一つのパターンとして明示されたい。
 A 事業者が債務保証や補助金、その他の金融支援策を受けるにあたっての条件、もしくは、基準について、それぞれ、明らかにされたい。
四 二〇〇三年問題について
 @ 都市再生緊急整備地域とその周辺のビルの空室は、総面積にしてどれくらいあるかの調査は行ったか。行ったとすれば、想定地域の範囲と空室の総面積数を、居住用、商用に分けて、明らかにされたい。行っていないのであれば、それは何故か。
 A 新たな床面積への需要は、総面積にしてどれくらいあるかの調査は行ったか。行ったとすれば、想定地域の範囲と新たな床面積の需要を、居住用、商用に分けて総面積で示せ。またそれらはどのように把握したのか。把握したのではないとすれば、どのような需要に対応するために、都市再生緊急整備地域指定を行ったのか。
 B 都市再生緊急整備地域指定によって、その地域にどれくらいの床面積が新たに誕生すると見積もっているか。その見積もりはどのように算出したか。供給過剰が生じた場合、投じられた公金は無駄になるが、その責任は誰が取るのか。
 C 床面積の供給過剰など様々な都市問題を引き起こす、いわゆる二〇〇三年問題について、都市再生本部は東京都の区議達に「二〇〇三年問題は認識している」と、それでも新ビルを建てる政策目的として「情報化対応で働く方の環境を、悪いものから良いものにする」ことだと述べたが、ビルを丸ごと建て替えることと、局部的に情報化対応を進めることと、社会的コストをトータルで考えた場合について、都市再生本部として比較を行ったか。
 D 二〇〇三年問題について、都市再生本部では、経済学的分析は行ったか。行ったとすれば、その内容および結果を示されたい。もしくは報告書名等を示されたい。
 E ヒートアイランド現象、ビル産廃の増加、水問題、小中学校の就学人数などについて、都市再生本部では討議があったか。あったとすれば、いつどのような討議が行われたかを示されたい。
五 総合設計制度について
 @ 建築基準法に基づく総合設計制度によって設けられた公開空地の利用実態について、それが住環境の向上につながっているかなど、なんらかの観点で、国が調査を行ったことはあるか。あるとすれば、どのような観点でいつ、行ったかを示されたい。
 A 先の建築基準法改正にあたり、総合設計制度が原因で起きている紛争に関する情報収集に努めたことはあるか。地方公共団体から情報を受けたことはあるか。あるとすれば、その中で、住民側の主張にはどのようなものがあったか。事業者側の主張にはどのようなものがあったか。それぞれの意見にどのように対応し、改正に望んだか。紛争について情報収集できていなかったとすれば、総合設計制度については、何を参考に法改正を提案したのか。

 右質問する。



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