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平成十四年十一月十五日提出
質問第九号

芸能関係者の労働者性に関する質問主意書

提出者  大出 彰




芸能関係者の労働者性に関する質問主意書


 本年七月、所謂「瀬川裁判」(映画撮影中に急死したフリーカメラマン・瀬川浩さんのご遺族が、労災適用を訴えていた行政訴訟)東京高裁法廷において、フリーカメラマンに労働者性を認める判決が出された。
 フリーの映画カメラマンなど、芸能関係者に関する労働基準法第九条の「労働者」の判断基準については、平成八年に発表された労働基準法研究会労働契約等法制部会労働者性検討専門部会の報告「建設業手間請け従事者及び芸能関係者に関する労働基準法の『労働者』の判断基準について(以下、「部会報告」)」において示されているが、今回の東京高裁判決は明らかに部会報告の内容とは異なる点を含んでいる。すなわち、部会報告の具体例では、撮影技師はカメラアングルなど自己の提案が採用されることが多く、監督から一方的な指示を受けることは少ない、つまり裁量性が大きいから、労働者性は認められないとしているが、この点、高裁判決は、指揮をしているのは監督であり、撮影技師が撮影について相当程度の裁量を有していることも監督と撮影技師との指揮監督関係を否定する事情とは言えない、としているのである。これは正反対の結論と言ってよい。
 上記を踏まえて、以下質問する。

一 「部会報告」の内容は、芸能関係者の労働者性の判断基準に関する、当時の労働省、つまり政府の見解であると考えてよいか。
二 一の質問につき、政府の見解であるならば、今回の東京高裁判決によってそれは変化したか。変化したのであれば、新しい見解を明らかにされたい。変化していないのであれば、高裁判決との整合性につき説明されたい。また一の質問につき、政府の見解でないならば、真の政府の見解はどこにあるのか。その内容と合わせて明らかにされたい。
三 フリーカメラマンなど芸能関係者の労働者性は、彼らへの労災適用の際に特に問題になると考えられるが、部会報告の基準では労働者性が認められる範囲が狭く、結果として芸能関係者に労災が適用されることに対する敷居を高めている。このことは瀬川さんの労災申請から高裁判決まで十五年以上の時間がかかっていることからも確認できる。政府としては、このような現状をどう考えるか。

 右質問する。



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