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平成十四年十二月十三日提出
質問第五一号

川辺川ダム建設により廃止補償される発電所に関する質問主意書

提出者  原 陽子




川辺川ダム建設により廃止補償される発電所に関する質問主意書


 熊本県では、企業局が経営する八つの発電所の一つである荒瀬ダムが七年後の水利権許可期限が切れることを機に、撤去する決定を下した。同県によれば、撤去が決まった荒瀬ダムの発電量(最大出力一万八千二百kW、年間目標電力量七千四百六十四万九千kW/h)は県内の使用電力の一%未満で、全体の電気供給には影響を及ぼさないという。
 荒瀬ダムのある球磨川の支流で国が推進している川辺川ダムも、建設推進の一つの大きな柱が、かつては発電であったが、水力発電が発電の中心であった時代が終わった今、川辺川ダム計画に盛り込まれた発電事業の妥当性や必要性、採算性については、改めて検討を要する。
 なぜなら、川辺川ダム計画に伴う発電事業の本質は、新規の発電所建設にあるわけではなく、あくまで、ダムで沈む予定の三つの発電所の補償にあるからである。つまり、他の方法で必要な電力が確保できれば、国費を無駄に発電所の建設に費やさずに、より安価な方法で目的の達成が可能である。電力の自由化など新しい電力供給体制の流れとともに、農業用水への新規水需要や治水という他二つの本質的な推進理由すら問われなおされている今、それと同時進行で、河川法の改正で、河川環境に配慮しなければならないことが全国民の間にすっかり定着し、できることなら川はダムでせき止めない方がいいという意識も高まってきている。ここで、発電所という付随的な推進理由を問い直すことは重要であると言わざるを得ない。
 よって以下、確認を含めて、質問する。

1 川辺川ダムに沈む予定の既存の発電所は、九州電力が所有する川辺川第一発電所(最大出力二千五百kW)と、チッソ株式会社が所有する頭地発電所(最大出力五千二百kW)と川辺川第二発電所(最大出力八千二百kW)で、これらについては、国が「廃止補償」を行うというのが、これまでの国の立場であることで間違いないか。
2 廃止補償とはどのようなことを意味するか。三つの発電所に代わる新しい相良発電所の建設費を、国が負担するという理解で間違いはないか。間違いでなければ、その建設費はいくらか。間違いであれば、実際はどのような費用負担が誰によってなされるのか。
3 九州電力の川辺川第一発電所の発電開始年は昭和十二年であると分かっているが、他の二つの発電所の発電開始年月、および三つすべての発電所の水利権の更新時期はいつか、明確に答弁されたい。また三つの発電所の減価償却について調査し、それぞれ明らかにされたい。
4 三つの発電所の代わりである相良発電所は、最大出力一万六千五百kWで、電源開発株式会社が事業者となるとされているが、経営、維持、管理、電気の売買、電気の価格設定について、どのような役割分担を国、チッソ、九州電力との間で担うのか。国費で建てた発電所を電源開発が運営維持し、九州電力とチッソに売電するという理解で間違いはないか。分かりやすく説明されたい。
5 三つの発電所のうち、九州電力の川辺川第一発電所(平成十三年の稼働率九十一%)は、同社全体が持っている水力発電所の供給力全体の〇・一%、全発電所の供給力の〇・〇一%でしかない。九州電力は、二千五百kWの電力をどうしても電源開発の相良発電所から買い取らなければならない必要性と理由はあるか。それとも、自社が持つ二千百八十万五千kWの供給力の中での調整が可能か、九州電力に事情聴取し、答弁されたい。
6 チッソ株式会社が所有する二つの発電所である頭地発電所と川辺川第二発電所の最大出力はそれぞれ五千二百kWと八千二百kWで、その合計は、九州電力の全供給力の〇・〇六%に過ぎない。チッソにとっては、自社発電所を手放し電気を電源開発から買うことになるのであれば、他から確保しても物理的には変わりがないはずである。電源開発の相良発電所から電気を買わなければならない必然性はあるか。チッソに事情聴取し、答弁されたい。
7 電源開発の相良発電所の発電単価はいくらになるか。電気を買う企業側から見れば、どの発電所から電気を買うかは重要ではなく、いかに競争力の高い価格の電気を買えるかが重要である。ことにチッソは、平成十二年度以降、水俣病患者補償に対する抜本的な支援措置を国から受けており、一円でも安い電気を買うべき立場にある。また、他の方法でより安価な電気を得られるのであるならば、国費で作る新しい発電所以外の補償方法を選択することは納税者のためにも賢明である。他の手段による電力確保コスト、社会コスト、財政コストと比較するためにも、発電単価を明らかにされたい。

 右質問する。



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