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平成十五年七月十四日提出
質問第一二八号

金大中氏拉致事件に関する質問主意書

提出者  佐々木秀典




金大中氏拉致事件に関する質問主意書


 大韓民国前大統領金大中氏が一九七三年八月八日、東京のホテル・グランドパレスから拉致された事件発生から今年八月八日でちょうど三〇年になる。この三〇年間に以下のような基本的な事実が明らかになった。

一 金大中氏を拉致した犯人は全員が韓国中央情報部(KCIA)に所属していたこと。特にその中でも金東雲一等書記官の指紋を、日本警察がホテル・グランドパレスの拉致現場客室(二二一〇号室)から検出した事で、金東雲一等書記官の犯行への関与は明瞭であること。
二 韓国中央情報部員たちによる拉致行為は、韓国の公権力が日本の主権と金大中氏の人権を侵害・蹂躙した国際的犯罪であること。従って、主権を侵害された日本政府は、主権を侵害した韓国政府に対して、謝罪と原状回復を要求するとともに、一九七三年七月一〇日に赤十字国際委員会駐日代表部発給の身分証明書を持って来日した金大中氏を法務大臣の上陸特別許可で入国させた経緯から、金大中氏の人権保護の義務を果たせなかったことを謝罪し、拉致以前の状態への原状回復を行う責任を負っていたこと。
三 日韓両政府は、一九七三年一一月二日の第一次政治決着と一九七五年七月二四日の第二次政治決着によって、金東雲一等書記官をはじめ韓国中央情報部員の犯行への関与事実の解明と、日本の主権侵害の回復及び被害者金大中氏の原状回復要求をそれぞれ放棄し、拉致事件の真相究明への道を閉ざしたこと。
四 一九七五年七月二四日の第二次政治決着の際に、「金大中氏の帰国前の海外での行為は不問にする」という了解が日韓両政府間でかわされていたにもかかわらず、一九八〇年の光州事件軍法会議ではそれが無視されて、韓国民主回復統一促進国民会議日本本部の結成と活動に関わる金大中氏の滞日中の言動を理由に死刑判決が下されたこと。
五 金大中氏拉致事件から一〇年目の一九八三年八月に、政府は捜査本部は解散するが捜査は続けると発表し、「捜査継続中」を理由に捜査結果を一切発表することなく今日に至り、事件発生から三〇周年を迎えようとしていること。
六 韓国では被害者の金大中氏が一九九八年に大統領に就任した際、「罪を憎んで人を憎まず」の信念から、犯人の追及・処罰は行わずに、この事件から未来への教訓を得ることを希望していること。
 かくして金大中氏拉致事件は今年八月八日に三〇周年を迎える。日本政府はこの節目の時に当たって、最低限次のことをするべきと考えるが、どうか。
 1 これまでの捜査結果と捜査資料の公表。
 2 事件直後及び第一次政治決着と第二次政治決着に関わる外交文書の公開。

 右質問する。



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