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平成十六年五月十一日提出
質問第九四号

いわゆるYナンバー車両の違法登録に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




いわゆるYナンバー車両の違法登録に関する質問主意書


 私は、参議院議員の頃の平成十年五月二十五日付、「在沖米軍人・軍属等が使用するいわゆるYナンバー車の保管場所確保に関する質問主意書」(以下、Yナンバー質問主意書という。)及び平成十年六月十一日付、「在沖米軍人・軍属等が使用するいわゆるYナンバー車の保管場所確保に関する再質問主意書」(以下、Yナンバー再質問主意書という。)を提出した。
 右Yナンバー質問主意書に対する内閣の答弁書は平成十年六月九日、Yナンバー再質問主意書に対する答弁書は、同年六月三十日に各々発出された。
 政府は、前記各答弁書において、自動車を保有する合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はその家族で、沖縄県内に当該自動車の使用の本拠の位置を有する者について、自動車がそれらの者の私用に供されるものである場合、当該自動車の保有者であるこれらの者についても、適用地域に関する経過措置に係る法附則の規定により法の規定の適用が除外されていない限り、自動車の保管場所の確保等に関する法律(以下、単に車庫法という。)が適用されることを認めた。
 ところが、前記質問主意書並びに答弁書が発出された平成十年当時、米軍人・軍属とその家族らは車庫法に基づくいわゆる保管場所標章(以下、単に車庫証明という。)の交付を受けることなく自動車登録がなされていることが判明した。すなわち、米軍人・軍属とその家族らのいわゆるYナンバー車両は、国内法に反する違法な手続で登録され、運行に供されていたのである。
 政府は、私のYナンバー再質問主意書に対する答弁書において、「合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はその家族らの所有する自動車の登録についても、車庫証明書の提出がないときはこれをしない」と明確に答えている。
 ところが、平成十六年五月九日付、琉球新報の報道によると、政府は前記答弁書発出後、今日まで車庫証明なしで違法な登録を継続していた事が明らかになった。
 琉球新報は、「Yナンバー車両 車庫法違反野放し」「閣議決定から六年」「実施のめども立たず」と大見出しで報道し、「政府の弱腰 またも」−明確な違法を改善できず、と解説記事を掲載している。
 この問題は、主権国家としての法治主義が問われる重大な問題である。当然、多くの県民が政府の態度に失望し、大きな怒りを示している。
 以下、質問する。

一 平成十六年五月九日付琉球新報朝刊が報道するように、政府は平成十年五月以降、現在に至るも合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はその家族らの所有する車両について、車庫証明書の提出がないままに登録をしているのか明らかにされたい。
二 合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はその家族らに車庫法が適用されることは政府も認めるところであり、車庫証明書の提出がないままにそれらの者の車両を登録することは政府自らが違法行為を行っていることになるが、いかなる理由、いかなる見解によるものか明らかにされたい。
三 政府は、合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の私用に供される車両について、長崎県内に使用の本拠の位置を有する車両については、車庫証明書の提出なしでは登録を認めていないことを認めているが、長崎県内と沖縄県内で法の執行が異なる理由を明らかにされたい。
四 政府は、平成十年六月九日付、運輸省自動車交通局技術安全部管理課長作成名義の「アメリカ合衆国の軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の私有車両の登録事務の取扱いについて」と題する通達文書(自管第三一号)を発出しているが、右通達文書は各地方運輸局並びに沖縄総合事務局運輸部に対しどのように承知せしめられたか明らかにされたい。
 また、右通達文書によると「合衆国軍隊において一定の準備期間が必要であるとされているため、具体的な取扱いの変更日については追って指定する」となっているが、「合衆国軍隊においての準備」とはどのような作業を指すのか、「一定の準備期間とは」どの程度の準備期間が相当と考えていたのか、通達発出後すでに約六年が経過しているが、六年間は準備期間として必要とされる合理的な期間と考えているのか政府の見解を明らかにされたい。
五 政府は、前記通達において「なお、警察庁交通局及び外務省北米局とは協議ずみであることを申し添える」と述べているが、いつ、どのような協議がなされ、いかなる合意がなされたのか明らかにされたい。
六 第一項の琉球新報報道によると、外務省北米局日米地位協定室は、取材記者に対し、「米側と協議してきたが、今後も協議を鋭意行っていきたい。問題を放置していたわけではない」旨コメントしているが、実際は、通達発出後この問題について米側と交渉せず放置し、琉球新報の取材を受けて弁解しているにすぎないのではないか。この問題について、外務省を含む政府関係省庁と米側との交渉の日時、場所、協議機関又は当事者、協議内容とその結果を明らかにされたい。
 特に強調しておきたいのは、この問題は日米地位協定改定交渉のように日米両政府の外交交渉の範囲に属することではなく、守るべき国内法を守らせる実務手続きの問題であり、いかなる意味においても交渉経過が秘密にされなければならない理由はないものと考えるが、重ねて政府の見解を明らかにされたい。
七 本来車庫証明書の提出なしには登録できないいわゆるYナンバー車が運行の用に供され、同車両の運転手の故意又は過失によって事故が発生し、被害を生じた場合、政府は違法な登録業務をなした重大な不法行為によって生じた事故の損害について、民法その他の関係法令に基づき共同不法行為の責任を免れないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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