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平成十六年八月五日提出
質問第五七号

徳島県における自衛官死亡捜査に関する質問主意書

提出者  井上和雄




徳島県における自衛官死亡捜査に関する質問主意書


 平成十一年十二月二十六日徳島県阿南市において、海上自衛隊江田島第一術科学校に勤務する三笠睦彦氏(当時三十三歳)が、遺体で発見された。
 本事件の捜査に関して、徳島県警が再三捜査をやり直したとされ、異例の事態になっている。度重なる再捜査にもかかわらず、「自殺」とする死亡原因の見解を変えていない。しかし、解剖医の説明、遺体の発見状況、新たに発見された目撃証言等を検証すれば、捜査当局の捜査方法及び見解に大いなる疑問を抱かざるを得ない。
 既に、本事件は、マスコミ等で報道されており、国民的な関心の高さを痛感する。しかしながら、捜査当局に関しては、以下のとおり、矛盾や問題点があり指摘しておく。
 昨今、警察当局の威信が問われている。
 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第一条及び第二条を肝に銘じ、公共の安全と秩序の維持、国民個人の生命、身体及び財産の保護に任じていただきたい。
【本事件に関する捜査上の矛盾及び問題点等について】
 三笠睦彦氏の遺体発見状況等に関し、
 ・発見状況
  遺体は、高さ十五メートルの橋の直下から四・二メートルの地点で発見される。
  橋には、欄干があるために、助走ができないことを考えると、物理的に遺体発見位置までは、自力で飛ぶことは不可能である。
  肋骨及び胸骨の陥没骨折による胸部大動脈損傷のための出血性ショックが直接的な死因であるとされた。なお、大動脈周辺の臓器に損傷はなく、大動脈のみが切断されていることから、作用面が小さな鈍体にピンポイントで当たったと推測される。
 ・同氏が運転していた車両状況について
  同氏が運転していた車両の運転席天井部には、鉄パイプでたたかれたような痕跡があった。
 ・目撃証言
  遺族の懸命の努力により、事件当日に現場で同氏の車両と共に二台の車両が停車していたという目撃証言者が見つかっている。
  オートバイに乗車した二人組が、棒状のようなもので白い乗用車をたたいていたという、他の目撃者証言と一致する点。
 ・捜査当局における問題点について
  当初から「自殺」という前提で初動捜査がおこなわれており、自殺を否定するような証拠に関しては、一切受け付けないという態度であった。
 ・再捜査においても、車両監視システムも使用していない。
 ・目撃者に対しても、当初からその証言を否定する態度で証言の裏づけを一切とらない。
 ・本事件に関して、徳島県警刑事部捜査一課次長並びに同課長補佐は、平成十三年三月六日遺族に対して、エアーバッグにより胸部大動脈が損傷したと遺族に対して説明している。
第一 以上を踏まえ、政府として、本事件の真相究明に関してどのように取り組むべきであるか、見解を示されたい。また、右記に指摘した問題点等に関し、政府はどのような認識をされるか、所見を問う。
第二 エアーバックの危険性、特に胸部大動脈損傷が起こり得る危険性に関して、予見していたか。また、これまでエアーバックにより胸部大動脈損傷が起こった例はあるか明らかにされたい。
第三 エアーバックによる胸部大動脈損傷が起こったとする徳島県警の見解が正しいとすれば、政府として、今後エアーバックの安全性の確保に関して、どのような対策を講ずるべきであるか、明らかにされたい。

 右質問する。



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