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平成十六年十一月二十五日提出
質問第五一号

島根県警本部の交通事故死亡の処置に関する質問主意書

提出者  岩國哲人




島根県警本部の交通事故死亡の処置に関する質問主意書


 島根県松江市幸町在住の小西静江さんは、一九九三年五月三十日早朝、島根県松江市寺町二〇五番地にて単車と接触(左側面にぶつけられたため右に転倒)、右頭部を路面に強打し、外傷性クモ膜下出血で死亡した。しかしながら、島根県警本部は鑑定書の特記事項、検視調書、実況見分調書を公開せず、加えて、解剖執刀医の所見では、本件を病気転倒死と真実と異なる処置をした疑いがある。
 このことに関して、事実を国民の前に開示し、わが国の警察に対する国民の不信を取り除くために、次の事項について質問する。

一 これまで、小西静江さんの遺族は、小西静江さんが被っている前後左右の傷痕、診断書、新聞、検視官の証言、死体検案書等から、ひき逃げと信じ、解剖による鑑定書、検視調書、実況見分調書等の開示を約十年間にわたって要請したが、県警は拒否し続けていた。小西静江さんの兄である木村荘一氏は島根県警に対して、文書による質問書を送付しているが、回答は以下のとおりであった。
 (1) 一九九三年七月六日付け返書、「転倒した原因が病的なものか、自己過失によるものかについても目撃者はありませんし、解剖所見でも不明であり現在調査中であります。」(島根県警本部交通部福間交通指導課長)
 (2) 同年八月二十三日付け返書、「着衣・靴の鑑定をいたしましたが、払しき痕や衝突痕、その他の損傷は全くありませんでした。」(山田松江警察署長、小西静江さんの夫小西富氏宛て)
 (3) 同年九月一日付け返書、「ひき逃げをうかがわす資料はなく、また転倒原因についても不明の状態です。」(福間交通指導課長)
 しかしながら、二〇〇二年十二月に開示された検視調書には、左頭部に鶏卵大のタンコブが記載されているだけでなく、実況見分調書には、スカートに直径約十四pの血痕、ファスナーのほつれ、左靴左側面に幅約六pの泥付着が記載され、これまでの島根県警の回答とは矛盾する内容が記述されている。
 このことについて、政府は事実を確認したのかしなかったのか、島根県警の回答は誤りであったのか誤りではなかったのかを明らかにされたい。
二 同じく二〇〇二年十二月に開示された鑑定書の特記事項の項目には、「幅の狭い凹凸のある硬い鈍体が、前下から後上方向に作用したことによる打撲傷、擦過傷」と、各部の傷痕が、具体的且つ詳細に記載されており、これまでの島根県警の回答とは矛盾する内容が記述されている。
 このことについて、政府は事実を確認したのかしなかったのか、島根県警の回答は誤りであったのか誤りではなかったのかを明らかにされたい。
三 二〇〇三年一月二十日の元東京都監察医務院長・上野正彦医学博士による意見書では、二〇〇二年十二月に開示された解剖所見から、「本件は単純内因性クモ膜下出血(病気)ではなく、歩行中にスクーターなどの単車と接触して、路上に転倒した外傷性クモ膜下出血と考えられるので、精査の必要がある。」と結論づけている。
 このことについて、政府は事実を確認したのかしなかったのか、島根県警の回答は誤りであったのか誤りではなかったのかを明らかにされたい。
四 本件について、政府は島根県警に対してどのような指導・監督を行ったのか、あるいは今後行ってゆくつもりなのか、見解を示されたい。
五 本件のような問題が生じた場合、政府としてどのような形で事実を確認し、どのように対応を行ってゆくと考えているのか、見解を示されたい。

 右質問する。



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