衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十七年二月二十一日提出
質問第二〇号

介護保険制度改革に関する質問主意書

提出者  島  聡




介護保険制度改革に関する質問主意書


 我が国の急速な少子高齢化の進展に伴い、今後、社会保障費は経済の伸びを大きく上回って増大していくことが見込まれている。平成二〇年度の社会保障関係費は、「平成一七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」(平成一七年一月財務省)によれば、平成一六年度より三・七兆円増加することが見込まれている。プライマリーバランスを均衡化させ、我が国の財政を健全なものとしていくためには一般歳出の約四割を占め、年々増加する社会保障関係費の抑制を図ることは、我が国の財政上、最大の課題である。
 社会保障費の約一割を占める介護保険制度については、これまで給付費が毎年一〇%を超えて伸びており、これを支える保険料・公費負担も急増してきている。今国会に介護保険制度改正のための法律案が提出されているが、民間の力を生かし、公正で効率的な制度の運営を行うため、政府に対し以下質問する。

一 介護保険制度に関して、要介護度の認定率等については地域によって格差が生じていることが指摘されている。第一号被保険者に対する第一号認定者の割合、特に要介護度が軽度(要支援〜要介護二)の認定率については、茨城県、埼玉県は約六%、鹿児島県、長崎県、徳島県は一二%以上(厚生労働省、平成一四年度介護保険事業状況報告年報)とされ、約二倍の地域格差が生じている。また、第一号被保険者一人あたりの支給額は、埼玉県、茨城県は一五万円以下、沖縄県、徳島県は二六万円以上(厚生労働省、平成一四年度介護保険事業状況報告年報)とされ、約二倍の地域格差が生じている。さらに、各都道府県平均保険料基準額については、同基準額(第二期)が最も高い沖縄県で月額四九五七円、最も低い茨城県は月額二六一三円、とされている(厚生労働省、社会保障審議会介護保険部会〔第一四回、平成一六年六月二八日〕資料)。このような地域格差が存在しているが、政府は、これらの地域格差が生じている要因をどのように分析しているのか、また、これらの地域格差を是正するために、政府はどのような施策を展開し、今後、どのように取り組んでいくのか。
二 現在、特別養護老人ホームの経営主体は自治体又は社会福祉法人に限定されている。構造改革特別区域において、PFI方式又は公設民営方式の仕組みで株式会社等の参入が認められている。一方で、施設介護に対する需要は高く、供給が追いついていない状況がある。多様な主体が介護サービスを提供していくことで競争原理が生じ、より質の高い介護サービスがより低廉な価格で提供可能となるのではないか。利用者がサービスを選択するという介護保険の制度趣旨を踏まえ、構造改革特別区域以外でも、施設介護サービスへの株式会社などの参入促進を図るとともに、民設民営による特別養護老人ホームを認めていくことが必要であると考えるが政府の考えはいかがか。
三 利用者がサービスを選択するという介護保険の制度趣旨を担保する観点から、介護サービスの内容や運営状況に関する情報等、介護サービス事業所の情報開示が必要である。今国会に提出されている介護保険制度改正法案では、全ての介護サービス事業者に情報の公表を義務付けることとされている。具体的な情報開示項目については、例えば、施設入所者の要介護度の改善状況に関する情報というようなサービス利用者の選択に資する内容が必要であると考えるが、政府はどのように考えているのか。
四 三について、サービス利用者にとっては、正確な介護サービス事業所の情報に接することが必要不可欠である。開示された情報を第三者が検証・評価する仕組みを取り入れる必要があると考えるが、政府はどのように考えているのか。
五 介護サービス従事者の資質の向上のために、将来的に介護福祉士に一本化する方向性が示されている。サービス利用者のために従事者の資質の向上を図ることは必要であるが、要件を厳しくすることで、不足している介護サービスの担い手をさらに減らしてしまうことが懸念される。介護サービス事業を高コスト構造にしないために、サービス従事者の層を増やすための施策も必要であると考えるが、政府はどのような施策を展開し、今後、どのように取り組んでいくのか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.