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平成十七年四月七日提出
質問第四六号

「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物(オオクチバス)指定に関する質問主意書

提出者  松野頼久




「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物(オオクチバス)指定に関する質問主意書


一 昨年六月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が公布されて以降、七月には基本方針(案)に対するパブリックコメントが募集され、十月からは専門家会合による特定外来種の選定が審議された。本年二月の種の選定に続き、現在では、政省令案(法律施行規則(案))に関するパブリックコメントの募集が行われている。この間、環境省は、「オオクチバス」については、「セイヨウオオマルハナバチ」と同様に、社会的関心が高く、経済的影響も大きいとして、あえてオオクチバスだけに特化した議論ができるように、検討小グループを別途立ち上げ、専門家や利害関係者なども含んだ委員を選任し、検討を委ねた。本年一月十九日の第四回オオクチバス小グループ会合においては、冒頭に事務局案が示され、その案に対し白熱した議論はあったものの、最終的には訂正もなく、出席委員が全員一致で合意され、小グループ会合の結論とされた。その結論は、「オオクチバスは特定に指定せざるを得ない。但し、防除の仕組みやその為の合同調査・普及啓発など、本法の円滑な運用と制度適用の実効性を確保する為に、一定の準備期間(半年間)が必要」というもので、一方、セイヨウオオマルハナバチは一年の経過措置が取られた。しかし、わずか二日後の一月二十一日に、小池環境大臣は、小グループ会合の結論を覆す発言を公式会見の場でされた。それ迄の経緯や環境省事務局案の内容について、事務局から事前に十分な説明を受け、その案を了承されていたと仄聞するが、環境大臣の突然の発言の事由と真意を明らかにされたい。
二 一月二十一日の公式会見の場で、環境大臣は「そもそも、外来生物法の目玉がこのオオクチバスでありますので、指定を回避するというのは批判をされても仕方がない」と発言されている。一月三十一日に向け、学識経験者や専門家で構成された諮問委員会に委ねた中での答申の方向性を結論づけるような環境大臣の発言は、その審議に多大な影響を与えかねないと思料するが、その見解を明らかにされたい。
三 一月二十一日における環境大臣の発言の後に開催された魚類専門家会合の冒頭で、環境省局長から、「先程、環境大臣からまず指定せよとの指示があり、それを前提に物事を考えたい」との発言があった。これは、結果的に環境省事務局やオオクチバスに対して最も知見のある有識者が、最も実効性がある施策として出した結論を大きく覆すことになった。同時に、国や環境省が委ねた諮問委員会の独自性及び中立性を著しく損なうことになった。一月三十一日の全体専門家会合まで、専門家に委ねた公正且つ中立な審議が行われている中で、何故、このような審議諮問委員会制度を無視した進め方をされたのか。今後の諮問委員会等のあり方にも大きく影響すると思料するが、その真意を明らかにされたい。
四 昨年七月の外来生物法の基本方針案に関するパブリックコメントでは、二千種近い外来種の中で、オオクチバスの指定に反対し、資源の有効活用に関する意見が九十三%以上あった。同様に、本年二月の種の選定に関するパブリックコメントでも、総数十一万三千七百九十二のうち、オオクチバスの指定に反対する意見が九万五千六百二十に上った。反対の内容は「科学的な調査が十分でない」、「在来種の減少は環境悪化が原因」、及び今回の環境大臣の発言等による決め方に問題ありとする意見が多いと聞いている。パブリックコメントの趣旨は、「広く国民に情報公開し、意見を募り、そのような国民の意見・情報を考慮して、意思決定を行う」とされているが、環境省の判断は「結論を変更する必要はない」とのことである。これだけ多くの国民の反対がある中で、結論を変更しないとする理由を明らかにされたい。同時に、まず結論ありきという姿勢ではパブリックコメントの趣旨を否定することになるが、この点に関する見解を明らかにされたい。
五 平成十三年三月に実施された「オオクチバスの有効活用と公認釣り場増設要望」の署名活動は、署名数が百八万人という非常に大きなもので、当時の水産庁長官に提出された。バス釣人口は三百万人と言われ、その中には青少年も数多く含まれている。近年、テレビゲームを初めとする室内での遊びが主流となる中で、バス釣というスポーツフィッシングは屋外で遊べる数少ない貴重な娯楽であり、青少年の健全な育成に大いに貢献している。オオクチバスの指定は青少年の間にスポーツフィッシングが根付いているこうした状況に水を差すものである。また、バスフィッシング産業は、一千億円以上と言われる直接的な市場規模以外にも多方面に多大な影響を及ぼしており、漁業組合、観光協会、商工会、旅館組合等、多くの団体が地域活性化のために携わっている。現在、全国の地域団体や漁業者、ボート業者などの生活者から、オオクチバスの有効活用を求める請願書や要望が内閣総理大臣等に出されていると聞いている。以上の諸点を踏まえ、前述の小グループ会合の結論のように、混乱を避け、多くの国民の理解を得る為、より一層慎重な判断がなされるべきだと思料するが、見解を明らかにされたい。
六 オオクチバスは、世界では六十カ国近い国で生息していると聞いている。原産国は北米で、それ以外の国は全て外来移入種という事になるが、それらの国々で、国で予算を付けて駆除を行っている事実があれば、具体的に国名と駆除のための予算金額を明らかにされたい。
七 平成十五年度、環境省によって実施された皇居のかい掘り事業では、全ての水を抜き取った本格的な魚類の生息調査で、オオクチバスの生息数は全体の〇・五九%、重量比三・六%であった。先に行われた本年二月十七日の衆議院予算委員会における小池環境大臣の答弁では、その前年に十回の投網調査で、外来魚の大半を捕獲したから少なかったとされていた。しかし、かい掘り調査実施の三ヶ月前の皇居外苑濠移入種駆除等対策検討会においては、改めてかい掘りの必要性が再確認された。当時の議事録によると、「既存の方法で魚類の捕獲を続けても駆除は無理(深泥ヶ池の参考事例)」「現段階では、かい掘り以上の効果を期待できる方法が無い」と明確に記載されている。しかし、結果的には、オオクチバスの生息数は前述の通りであった。又、常識的には、投網調査で九十%が捕獲され、全ての水を抜くかい掘り調査をして十%という事は、自然界を知るものとしてありえない。この点は、大臣発言と矛盾しているが、どちらが正当なのか見解を明らかにされたい。
八 環境省が編集し昨年出版された『ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策』(自然環境センター発行)におけるオオクチバスが生態系に与える影響(五十六ページ)の中でも、「オオクチバス・ブルーギルが侵入・定着することで、湖沼生態系がどのような影響を受けているのかについての知見はほとんどなかった」と記載されている。又、これまで外来魚問題が国会で取り上げられたのは二回だと思料するが、平成十三年四月に、衆議院議員佐藤謙一郎氏の質問主意書でも、「内水面漁業に対する被害があるのか」との質問に対し、内閣総理大臣森喜朗名で、「ブラックバス等の外来魚に起因する内水面における漁獲量の減少の具体的数値は把握していない」と、内水面の漁獲量に与える知見はほとんどなかったとされている。環境省として、独自にオオクチバスの生息調査や影響調査を実施した事例があるのか、又、あればその具体的な事例を明らかにされたい。
九 今回の外来生物法の基本方針では、釣りそのものを規制するものではないとされており、又、キャッチアンドリリースも内閣法制局の見解では、法律で規制することは馴染まないと仄聞するが、以上二点につき、その様な理解で間違いないか明らかにされたい。
十 オオクチバスが指定される方向だと聞いているが、防除対策のためには莫大な費用を要すると考えられる。環境省、水産庁、及び財政当局としての財務省、総務省等、関係省庁は、この費用をどのようにして捻出しようとしているのか、見解を明らかにされたい。
十一 オオクチバスは、約八十年前に北米より移入され、生息数が一時的に増加した時期もあったが、現在では全国の大半の地域で減少傾向にあると言われている。これまで、環境省、水産庁は、独自に魚類の生息調査を実施した事があるのか、又あるのであればその詳細について明らかにされたい。

 右質問する。



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