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平成十八年一月三十日提出
質問第二一号

嘉手納基地の使用協定締結に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




嘉手納基地の使用協定締結に関する質問主意書


 沖縄における嘉手納町の歴史は古い。嘉手納町域は、最も古くから拓け、縄文時代以前から人々が住み着いていたと考えられる。そのことは、嘉手納貝塚をはじめ、多くの遺跡によって裏付けられている。嘉手納町は、古くから豊かな自然環境を誇っていたのである。
 一方、勝連城主阿麻和利は、嘉手納町字屋良の出身と語り継がれており、中国から甘藷を持ち帰った野国総官は、字野国の出身で、嘉手納町は、沖縄の歴史の中で優れた偉人・英雄を輩出している。
 戦前までの嘉手納町は、沖縄本島のほぼ中間に位置する地理的条件に恵まれ、中頭郡における経済、文化、教育の中心としての役割を果たしていた。
 戦後は、一九四八(昭和二十三)年十二月四日、北谷村より分村、「嘉手納村」としての第一歩を踏み出し、一九七六(昭和五十一)年一月一日、「嘉手納村」から「嘉手納町」へと移行したのである。現在の嘉手納町は、「基地の町」として、「沖縄の縮図」の様相を示している(嘉手納町町制施行二十五周年記念要覧より)。
 私は、広大な嘉手納基地を抱える嘉手納町は、我が国で最も基地問題が集中し、基地被害が甚大な地域であり、いわば我が国の安全保障の犠牲と負担が集中する町だと考えている。
 嘉手納基地は、正式には嘉手納飛行場と呼ばれ、基地使用の主目的は、飛行場である。その沿革は、昭和十九年九月、旧日本陸軍が中飛行場として使用開始したのが最初である。昭和四十七年五月十五日、「嘉手納飛行場」「キャンプ・サンソネ(陸軍特殊部隊使用)」「陸軍住宅地区」が統合され、今日に至っている。同基地は、第十八航空団司令部が管理し、第十八運用群などの部隊が使用している。沖縄県が発行する「沖縄の米軍基地」には、同基地の現状及び任務について、次のように記述する。
 「本島中部の嘉手納町、北谷町、沖縄市にまたがるこの施設は、三〇〇メートルのオーバーランをもつA、B二本の滑走路(A=三千六百八十九メートル×九十一メートル、B=三千六百八十九メートル×六十一メートル)を有し、極東で最大かつ最も活発な米空軍基地である。この施設は第五空軍指揮下の第十八航空団のホームベースとなっており、他のテナント部隊の役割と併せて、防空、反撃、空輸、支援、偵察、機体整備等の総合的な場所となっている。」
 嘉手納基地における主な常駐機種は、次の通りである。
 F−15C イーグル 戦闘機 約四十八機
 KC−135R ストラトタンカー 空中給油機 約十五機
 E−3B セントリー 空中早期警戒管制機 約二機
 P−3C オライオン 対潜哨戒機 約三〜十機
 嘉手納基地の所在する嘉手納町には、嘉手納弾薬庫地区、陸軍貯油施設などの基地があり、町面積に占める米軍基地の割合は、八十二・九パーセントに上る。嘉手納町民は、残りの約十七パーセントの面積にひしめきあって暮らしているのが実態である。
 嘉手納町は、「嘉手納基地使用協定に関する町民会議」(会長宮城篤実町長)を結成し、嘉手納基地を抱える沖縄市、北谷町と連絡協議会(三連協)と連名で政府に対し、嘉手納基地の運用を規定する「基地使用協定」の締結を求めている。「町民会議」や「三連協」には、二百六十二件の要望が寄せられており、日米両政府が嘉手納基地の使用協定を締結することによって、住民の安全な暮らしを保障することが求められている。
 以下、質問する。

一 政府は、前記「町民会議」や「三連協」が嘉手納基地使用協定締結要請書の中で指摘をした(1)騒音(2)深夜早朝飛行による騒音(3)飛行ルート(4)訓練(5)外来機の飛来・帰還(6)環境(臭気)(7)事件・事故の各項目記載の事実について、嘉手納基地の現実の運用実態に照らし、いかなる認識を持っておられるか、各項目ごとに政府の見解を明らかにされたい。
二 日米安保条約及び地位協定の下において、嘉手納基地の運用・使用について、日米両政府間で基地使用協定を締結することは可能か。可能とするならば、日米両政府間のいかなる交渉と、どのような機関決定を必要とするのか、政府の見解を示されたい。
三 政府は、「町民会議」や「三連協」の要請を真摯に受け止め、嘉手納基地の使用協定をアメリカ政府との間で締結する考えがあるか、政府の見解を求める。
四 嘉手納基地の使用協定締結の要請は、嘉手納基地周辺住民の切実な願いである。嘉手納基地の運用は、周辺住民に不安と恐怖を及ぼしており、同基地からもたらされる事件・事故の被害は、もはや住民の受忍限度・我慢の限界を超えている。在日米軍基地の中で、これまで基地使用協定が日米両政府間で締結された個別基地の事例があるか、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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